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Lalo Schifrin Part 2

2021.06.26
Ballad of Cool Hand Luke

Ballad of Cool Hand Luke

Lalo Schifrin Part 2

(1967)

#Cinema Music Composers

Cinema Music Composers シリーズ
Lalo Schifrin の続きです。


1960年代中期以降、Lalo Schifrin はこれまでのラテン志向のジャズからアメリカ映画、特にアクション、サスペンス映画中心に映画音楽を手掛けるようになります。同時にテレビ映画の音楽も手掛けるようになります。1966年から始まったテレビドラマ『スパイ大作戦』 (Mission:Impossible) のテーマ音楽は、その後の映画化により、テレビシリーズを知らない世代にも広く知られるようになります。1970年代は、映画『ダーティハリー』 (Dirty Harry、1971) 、それに続くシリーズ、映画『燃えよドラゴン』 (Enter the Dragon、1973) などを手掛け、人気映画音楽家となります。

また、1960年代からずっと、Lalo Schifrin のジャズアルバムのプロデュースに当たっていた Creed Taylor が 1969年に CTI Records を設立すると、Lalo Schifrin もジャズアルバムを CTI Records からリリースするようになります。これらのアルバムもクロスオーバー・ブームと相まって人気を博していくことになります。


Mission Impossible (Lalo Schifrin) / Lalo Schifrin (1966)

1966年のテレビドラマ『スパイ大作戦』 (Mission:Impossible) のテーマ曲。同年、Dot Records からシングルがリリースされました。1996年からは映画シリーズ化され、テレビシリーズを知らない世代にも広く知られるようになります。Lalo Schifrin の代表作となりました。


The Liquidator (Peter Callander-Lalo Schifrin) / Lalo Schifrin & Shirley Bassey (1965)

1966年、撮影監督で知られるジャック・カーディフ (Jack Cardiff) が監督したイギリス映画『殺しのエージェント』 (THE LIQUIDATOR) の主題歌。歌ったのは、 Shirley Bassey でした。詩をイギリスの Peter Callander が書いています。"Gold Finger" を彷彿させる作品です。


Ballad of Cool Hand Luke (Lalo Schifrin) From "COOL HAND LUKE" / Lalo Schifrin (1967)

1967年の映画『暴力脱獄』 (COOL HAND LUKE) から。いわゆる脱獄映画ですが、とても好きな映画。このバラード、主人公ルークを演じたポール・ニューマン (Paul Newman) の飄々とした雰囲気をよく表しています。


That Night (Norman Gimbel-Lalo Schifrin) From "THE FOX" / Sally Stevens (1967)

Theme From "THE FOX" (Lalo Schifrin) / Hugo Montenegro (1971)

1967年のアメリカ映画『女狐』 (THE FOX) から。D・H・ロレンス (D.H. Lawrence) 原作の映画で、マーク・ライデル (Mark Rydell) 監督の初期の作品です。歌ったのは、Sally Stevens。イギリスでは、Scott Walker が取り上げました。この曲を Hugo Montenegro が心地よくカバーしています。それも合わせて。


Mannix (Lalo Schifrin) / Lalo Schifrin (1967)

Beyond The Shadow Of Today (Lalo Schifrin) From "MANNIX" / Lalo Schifrin (1967)

1967年から始まったテレビ映画『マニックス』 (MANNIX) から。『刑事コロンボ』のクリエイターである、ウィリアム・リンクとリチャード・レビンソン (Richard Levinson and William Link) が企画した探偵モノです。Lalo Schifrin は『夜空の大空港』 (THE DOOMSDAY FLIGHT、) テレビ映画『スパイ・ハンター』 (HUNTER、1973) テレビ版『猿の惑星』 (PLANET OF THE APES、1974) など数多くのテレビドラマも掛けました。


Main Title From "BULLITT" (Lalo Schifrin) / Lalo Schifrin (1968)

The Great Divide (Norman Gimbel-Lalo Schifrin) / Joanie Sommers (1968)

1968年のスティーヴ・マックィーン (Steve McQueen) 主演のアクション映画『ブリット』 (BULLITT) から。ここら辺から増えていくアクション映画の常連作曲家となっていきます。同年、Norman Gimbel が詩をつけ、Joanie Sommers シングルをリリースしました。それも合わせて。


Theme from From "ENTER THE DRAGON" (Lalo Schifrin) / Lalo Schifrin (1973)

1973年のアクション映画『燃えよドラゴン』 (ENTER THE DRAGON) のテーマ音楽。舞台となった香港、東洋のオリエンタルな雰囲気とスリリングなサウンド、そして、主演のブルース・リー (Bruce Lee) の雄叫び (怪鳥音) !興奮覚めやらず (笑顔)


Main Title From "JOE KIDD" (Lalo Schifrin) / Lalo Schifrin (1972)

1972年のクリント・イーストウッド (Clint Eastwood) 主演の西部劇『シノーラ』 (JOE KIDD) から。『燃えよドラゴン』とは対照的な抑え気味のスコア。これが Lalo Schifrin の持ち味です。クリント・イーストウッドとは相性が良く、『ダーティハリー』シリーズの他、『マンハッタン無宿』 (COOGAN'S BLUFF、1968) 、『白い肌の異常な夜』 (THE BEGUILED、1971) などに音楽を付けました。



* 映画『暴力脱獄』 (COOL HAND LUKE、1967)


(富田英伸)