2017.05.09 - Songwriter
Tell Me When Tell Me When
Les Reed with Geoff Stephens、Peter Callander

(1965)

(2017年5月7日SSB「棚からひとつかみ」で、The Les Reed Combo そして Mel Taylor による "Spanish Armada"がかかりましたので。)

Songwriterシリーズ、今回は イギリスのソングライター Les Reed を取り上げます。

Les Reed は1960年代初頭から多くの楽曲を作ってきた人ですが、その多くが Les Reed を含むソングライター同士の共作で、これまで Les Reed と一緒に共作してきた重要なソングライター Geoff Stephens、Peter Callander、Gordon Mills、Barry Mason についても一緒に取り上げ、2回に分けて書きたいと思います

今回の1回目は Geoff Stephens、Peter Callander とのコラボレーションについて取り上げます。

まずは Les Reed の簡単な経歴から。
Les Reed は1935年イギリス、ウォキング生まれ。音楽キャリアのスタートは大学時代にアコーディオン奏者の Peter Willis という人と The Willis Reed Group
というグループでクラリネットやピアノを演奏したのがスタートのようです。1958年に映画音楽家で知られる John Barry が当時主宰していたバンド、The John Barry Seven にピアニスト、アレンジャーとして参加 。テレビショー等で人気を博しました。1962年に The John Barry Seven から離れ、自身のバンド、The Les Reed Combo を結成、同じくその頃から、スタジオ・アレンジャー、ソングライターとして楽曲提供を始めます。

ソングライターを始めた頃の作品、 Freddie and the Dreamers "I'm Telling You Now"などの作曲で知られる Mitch Murray との共作曲を聴いてみたいと思います。

Try Being Nice To Me (Mitch Murray-Les Reed) / Dorothy Baker (1963)


続いて Geoff Stephens について
1934年北ロンドン生まれでテレビのミュージカルショーの音楽を担当していた人です。1965年にはシンガーソングライターの Donovan のデビューアルバム『What's Bin Did and What's Bin Hid』にプロデューサーとして参加しています。Geoff Stephens の作曲で一番有名なのが、The New Vaudeville Band の1966年のヒット" Winchester Cathedral" でアメリカでも大ヒットとなりました。この作品は Geoff Stephens 単独クレジットの作詞作曲の楽曲です。他に John Carter と共作した Manfred Mann "Semi-Detached Suburban Mr. James" などがあります。
ここで Geoff Stephens と Les Reed の共作曲を3曲、聴いてみたいと思います。


Tell Me When (Geoff Stephens-Les Reed) / Freddie & The Dreamers (1965)

オリジナルは1964年リリースの The Applejacks ですが、翌年1965年にFreddie & The Dreamers の方がいい感じです。A面の Dennis Lambert-Louis Pegues 作の "Do The Freddie" のB面に収められていました。


There's A Kind Of Hush (Geoff Stephens-Les Reed) / The New Vaudeville Band (1966)

1966年に先に書いた" Winchester Cathedral" のヒットで知られる The New Vaudeville Band への提供曲。1967年、Herman's Hermits が取り上げ、こちらの方がヒットしました。1976年には The Carpenters が取り上げ、世界的なヒットになります。


Gone From My Mind (Geoff Stephens-Les Reed) / Claude Francois (1966)

Claude Francois はフランスのシャンソン歌手、ソングライター、音楽プロデューサーですが、Frank Sinatra などの歌唱で広く知られる "My Way" の作曲で知られている人です。"My Way" は Claude Francois 自身の歌唱による"Comme d'habitude" がオリジナル。
話を戻して "Gone From My Mind" のオリジナルは同年リリースした The Five Emprees のバージョンのようです。


続いて、Peter Callander について
1939年イギリス、ハンプシャー生まれ。別名、Robin Conrad で1960年初期の頃は Len Beadle という人とチームを組んで、Adam Faith 、Bobby Rydell 、 Gene Pitney などに楽曲提供しています。1960年中期になると、Peter Callanderの本名で Tony Christie、Georgie Fame、Wayne Newton、Tremeloes などに主に作詞家としてクレジットで見つけることができます。
Peter Callander との共作を2曲、聴いてみたいと思います。


Leave A Little Love (Les Reed-Robin Conrad) / Lulu (1965)

1965年イギリスの歌姫、Lulu に提供したナンバー。同じ頃に Patti Austin も取り上げています。


To Make A Big Man Cry (Peter Callander-Les Reed) / Tom Jones (1966)

Les Reed はイギリスのシンガー Tom Jones に多くの楽曲を提供しましたが、特に好きなのはこれ。その後、多くのカバーも生まれました。後半の Tom Jones の歌い上げが素晴らしいです。

*写真は Les Reed(左) と John Barry(右)

(2回目に続く)

(富田英伸)

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