■Kenny Gamble, Thom Bell, Leon Huff との出会い 若き日の Kenny Gamble Jerry Ross が Heritage レーベルを設立した頃、ジェファーソン病院でインターンをしている19才のある黒人青年と出会います。その青年の名は Kenny Gamble 。Kenny は Jerry Ross の事務所に出入りするようになり、その秘められた才能を確信した Ross はその青年とソングライターとシンガーの両方で契約を結びました。 Kenny Gamble は日頃より音楽の仲間であった Thom Bell を事務所に連れていき、Ross は２人を Kenny & Tommy の名でデュオ・グループを組ませ、自分のレーベル Heritage からデビューさせました。1963年にシングル " I'll Get By ", " Someday You'll Be My Love "といった Doo-Wop スタイルのバラード・ナンバーをリリース。 Kenny Gamble(左）と Leon Huff(右） また Kenny Gamble は数々のセッションを通じて かつて Jerry Ross が手掛けたグループ The Lavenders でピアノを弾いていた Leon Huff と運命的な出会いを果たし、2人は Ross の元で多くの楽曲を共作することになります。 後の1970年にKenny Gamble と Leon Huff は共同で Philadelphia International を設立し、" The Sound Of Philadelphia " の名で全世界中に数々の名作を送り出していくのです。 Thom Bell Thom Bell も後にその類い希なる才能を開花させ、プロデューサー、コンポーザー、アレンジャーとして The Delfonics, The Stylistics, Spinners 等を手掛け、甘美なスィート・ソウルを世に知らしめることとなります。 Kenny & Tommy の" I'll Get By " の録音時の資料を紹介しておきます。 ------------------------------ Kenny & Tommy / I'll Get By 録音年 : 1963年 レコードNo. : Heritage 108 ソングライター : Kenny Gamble-Thom Bell スタジオ : Virtue - Philadelphia エンジニア : Frank Virtue ミュージシャン : Bobby Martin, Bobby Eli, Joe Macho, Thom Bell, Leon Huff ------------------------------ クレジットからわかるように、70年代のフィリー王国の下地はもうここで出来上がっていたのです。

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