2021.01.25 - Songwriter
Gina Gina
Leon Carr

(1962)

(2021年1月24日SSB「棚つか+リクエスト」で、大好きな曲、Leon Carr が書いた Johnny Mathis "Gina" がかかりましたので、Songwriterシリーズ、2016年12月9日分をアップグレードして再アップします。)

Songwriterシリーズ
今回は Leon Carr を取り上げたいと思います。

Leon Carr はいわゆるアルドン系と言われている作家よりも一世代前の作家です。非常に長い経歴を持った作家ですが、その時代の流行、トレンドに合わせた楽曲を書き、それもいつの時代でもとても洗練されたメロディを書く人です。
まず簡単に Leon Carr の経歴から。

Leon Carr は1910年ペンシルバニア州アレンタウン生まれ、1976年に亡くなっています。Leon Carr のクレジットは1930年代後半辺りには既に発見できます。1949年、シンガー、俳優のTony Martin (女優、シド・チャリシー(Cyd Charisse)の夫)に、ディズニーアニメ『シンデレラ』の"Bibbidi-Bobbidi-Boo" 等で知られるソングライター、Al Hoffman、Leo Corday と共作した "There's No Tomorrow" がヒットします。後にこの曲は1957年に Doo Wop スタイルに仕上げて、The Clovers が取り上げることになります。

1950年代までは、Teresa Brewer、Sammy Davis Jr.、Patti Page、Dean Martin といったジャズ寄りの歌手に楽曲提供していましたが、徐々にロックン・ロール、ポップス、ソウル分野のミュージシャン達にも楽曲提供するようになります。一例を挙げると、Royal Teens、The Blossoms、Jimmy Darren、Colpix Records 時代の The Ronettes、Brook Benton といった人達。またテレビCMのジングルも多く書いていたようです。

1960年以降は、Leon Carr が書いた代表的な楽曲や僕の好きな曲を聴きながら。


Gina(Leon Carr-Paul Vance) / Johnny Mathis(1962)

Johnny Mathis の歌唱から。1962年にリリースしたナンバー。共作者は Lee Pockriss とのチームで知られる Paul Vance。画像にあるように、当時人気のあったイタリアの女優、ジーナ・ロロブリジーダ(Gina Lollobrigida)を意識して作ったものかわかりませんが、キュートな素敵な曲です。アレンジは Don Costa。


In Return(Leon Carr-Paul Vance) / Johnny Mathis(1960)

もう1曲、Johnny Mathis に提供したナンバーを。1960年に Columbia Records からリリースされた、Johnny Mathis のアルバム『Johnny's Mood』から。上記と同様、 Paul Vance と共作曲です。心地よい流麗で優雅な1曲。アレンジは Glenn Osser という人が担当しています。


Hey There Lonely Boy(Earl Shuman-Leon Carr) / Ruby and The Romantics(1963)

Hey There Lonely Girl(Earl Shuman-Leon Carr) / Eddie Holman(1969)

Leon Carr の代表曲だと思います。1963年、Kapp Record からリリース。Earl Shuman との共作でプロデュースは Allen Stanton、アレンジは Mort Garson。同年、Martha And The Vandellas を初め、多くのミュージシャンがこの楽曲を取り上げました。1969年、ファルセット・シンガーで知られる Eddie Holman が題名を "Hey There Lonely Girl" に変えてリリースし、同年のU.S. Billboard Hot 100 Pop Chart 2位になります。


Our Everlasting Love(Earl Shuman-Leon Carr) / Ruby and The Romantics(1963)

もう1曲、Ruby and the Romantics から。上記の同様、プロデュースは Allen Stanton、アレンジは Mort Garson。ポップス、ソウル分野でボサノバ調を本格的に取り込んだのはここら辺が原点のような気がします。


She Lets Her Hair Down (Early In The Morning)(Leon Carr-Paul Vance) / The Tokens(1969)

She Lets Her Hair Down (Early In The Morning)(Leon Carr-Paul Vance) / Gene Pitney(1969)

これも Leon Carr が書いた曲の中でも有名なナンバー。SSBではこの The Tokens のバージョンがお馴染みですが、オリジナルは同年にリリースした
Gene Pitney のようです。その後も The Cuff Links などがこの曲を取り上げました。


Young Girl (In Your World) (Earl Shuman-Leon Carr) / Eddie Holman(1972)

"Hey There Lonely Girl" をヒットさせた Eddie Holman に1972年に新曲を提供します。Leon Carr、晩年の作品です。この2年後に亡くなっているので生涯現役だったようです。



*写真:ジーナ・ロロブリジーダ(Gina Lollobrigida)


(富田英伸)

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