2018.02.23 - Songwriter
I Love You I Love You
Teddy Randazzo

(1965)

Songwriterシリーズ、
Teddy Randazzo の最終回です。

1960年中期以降、Little Anthony & The Imperials、The Royalettes のみならず、多くのミュージシャンに楽曲を提供、プロデュースを行い、完全に職業作曲家、音楽プロデューサーとなっていきます。Little Anthony & The Imperials では1973年まで約7枚程のアルバムを制作しました。特に1973年にリリースしたアルバム『On A New Street』はA面を Thom Bell Side、B面を Teddy Randazzo Side とプロデューサー、アレンジャーが片面ずつ分け合って担当しているアルバムとなりました。

1971年に Laura Nyro がプロデュースを Gamble & Huff に託したアルバム『Gonna Take A Miracle 』がリリース。そのアルバムのラストに The Royalettes の"Gonna Take A Miracle" を取り上げ、ソウルクラシックとなります。

1970年以降はプロデューサーとして The Vogues、Jay Black(Jay & The Americans)、Joe Simon、The Stylistics、The Temptations 等を手掛けていきます。
1970年代にフロリダに移住、ハワイの女性と結婚し、その後は自宅のフロリダやハワイで過ごしたそうです。2003年11月21日、永眠。


最終回の3回目は Teddy Randazzo が精力的に楽曲提供、プロデューサーとして活躍した1960年中期から後期辺りの作品を中心に、あまり聴く機会のないシングル盤を集めてみました。


I Love You(Teddy Randazzo-Bobby Weinstein) / Joey Powers(1966)

1966年、MGM Records からリリースされた作品。Joey Powers は1963年 "Midnight Mary" という小ヒットを持つ白人シンガーです。1回目に取り上げた Derek Martin 歌唱の "You Better Go" に雰囲気が似ている作品。これも冒頭の女性ボーカルがいいですね。後に Little Anthony & The Imperials も取り上げました。


A Little Bit Of Love Can Hurt(Stallman-Weinstein-Randazzo) / Ginny Arnell ‎(1965)

1965年、同じく MGM Records からリリースされた作品。歌ったのは以前、 Gene Pitney とデュオグループ、Jamie & Jane を組んでいたことのある Ginny Arnell。1963年のシングル "Dumb Head" が有名なガールシンガーです。


Getting Through To Me(Teddy Randazzo-Bobby Weinstein) / Annabelle Fox(1965)

1965年、 Roulette Records 傘下の Satin ‎Records からリリース。徐々に開花するようなアレンジがいいです。歌っている Annabelle Fox については詳細不明ですが、シングル "Lonely Girl" も歌っています。2曲とも後に The Royalettes が取り上げました。


Let Me Dream(Stallman-Wilding-Randazzo) / Georgia Gibbs(1965)

これも1965年の作品。歌ったのは1940年代から活動しているベテランのジャズ歌手の Georgia Gibbs。静かに始まりますが、突如パーカッションが鳴り大きく展開します。これが Teddy Randazzo のアレンジの素晴らしいところ。


Better Off Without You(Ritchie Adams-Teddy Randazzo-Victoria Pike) / Ritchie Adams(1966)

1966年、MGM Records での作品。歌ったのは Songwriterシリーズで取り上げたシンガー、ソングライター Ritchie Adams。これはその Ritchie Adams との共作曲です。プロデュースとアレンジは Teddy Randazzo。Ritchie Adams の歌唱もいいですね。


A Heart Without Love(Weinstein-Carr-Randazzo) / Linda Carr(1966)

Should I Be Happy For You Baby(Weinstein-Randazzo) / Linda Carr(1966)

Linda Carr に提供した2曲を聴いてみたいと思います。いずれも DCP Records での作品で Little Anthony & The Imperials のアルバム制作と同時期に制作された作品。いくつかの曲は後に The Royalettes が取り上げました。Linda Carr は James Brown のバックコーラスからキャリアをスタートさせた黒人女性シンガーで、1975年には Kenny Nolan 作の "Highwire" などをヒットさせます。


Salty Tears(Teddy Randazzo) / Mara Lynn Brown(1972)

1972年、Laurie Records からリリースされた作品。歌っている Mara Lynn Brown は女優兼歌手の方のようです。切ないメロディ、静かなナンバーです。後に Thelma Jones もカバーしています。


As Long As I Live(Teddy Randazzo) / Teddy Randazzo(1965)

最後に Teddy Randazzo の歌声を。1965年シングル "You Don't Need A Heart" のB面に収録されていたナンバーを。聴いての通り、ジャズ・コーラスのアプローチです。コーラスアレンジも Four Freshmen 振りの素晴らしいアレンジです。きっと Four Freshmen も好んで聴いていたのではないかと思います。


*写真は Teddy Randazzo(右)、盟友、Bobby Weinstein(左)、Doc Pomus(下)

(富田英伸)

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