2016.08.30 - Songwriter
Are You Ready For This Are You Ready For This
Ritchie Adams

(1969)

Songwriterシリーズ、今回は Ritchie Adams という人を取り上げます。
Ritchie Adams は日本ではそれ程知名度は高くありませんが、1960年代初頭から主に東海岸で多くの楽曲を書いてきた人です。

Ritchie Adams の音楽の出発点は1950年代後期からニューヨーク、ロングアイランドで結成された The Fireflies という Doo Wop グループでした。1959年、Ribbon Records からリリースした "You Were Mine" が大ヒットします。

You Were Mine (Paul Giacalone) / The Fireflies (1959)


1960年代に入ると Ritchie Adams はソロシンガーとして再出発。数枚のシングルをリリース。その中から作曲に Ritchie Adams のクレジットがある曲を1曲聴いてみたいと思います。いいメロディです。

What Took You So Long (Malou Rene-Ritchie Adams) / Ritchie Adams (1961)

このシングルが出た1961年に 先の楽曲の共作者である Malou Rene との共作で Bobby Lewis に書いた "Tossin' and Turnin'" が Billboard Hot 100 の1位に輝きます。ちなみにこの曲のギターは Ritchie Adams と Eric Gale が弾いているそうです。このようにして Ritchie Adams は職業作曲家として1歩を踏み出していきます。その多くは職業作詞家の Larry Kusik と組むケースが多いようです。1960年代中期にかけての作品を2曲程聴いてみたいと思います。


Army Green (Ritchie Adams-Larry Kusik-Al Kasha) / Dale Brooks (1964)

Laurie Records 傘下の Dolphin Records からリリースされたガール・シンガーもの。Ritchie Adams-Larry Kusik チームと映画『ポセイドン・アドベンチャー』(1972) や映画『タワーリング・インフェルノ』(1974) の主題歌を書いたことで知られる Al Kasha との共作です。アレンジは Charlie Calello。


Everything But Love (Ritchie Adams-Larry Kusik) / Patty Duke (1965)

映画『奇跡の人』(1962) のヘレン・ケラー役で知られる女優、パティ・デューク (Patty Duke) に提供した1曲。とっても可愛らしい曲なんですが、歌唱がちょっと残念な感じ。


1960年代中期には Al Kasha、そして Teddy Randazzo 辺りとも共作していますが、1960年代後半になると Mark Barkan と新たなチームを組み、主に Jerry Ross のプロダクションで働くようになります。 Mark Barkan もそれまで作詞家 Ben Raleigh と組んで、いい楽曲を残しているソングライターです。

ここから先は、Jerry Ross のプロダクション中心に Ritchie Adams-Mark Barkan のチームの楽曲で僕の好きな曲を。


Are You Ready For This? (Ritchie Adams-Mark Barkan-Jerry Ross) / Bill Deal & The Rhondels (1969)

"Jerry Ross サウンド" の代名詞といえるナンバー。Ritchie Adams が書いた曲で一番好きです。アレンジも Ritchie Adams が担当しています。Bill Deal and the Rhondels は1959年に結成された歴史あるブルーアイド・ソウル・バンドです。


You Ain't Sayin' Nothin' New (Ritchie Adams-Mark Barkan) / Virgil Henry (1971)

Jerry Ross Production の下、Ritchie Adams-Mark Barkan がプロデュースした作品。同じくアレンジは Ritchie Adams が担当。Virgil Henry という黒人歌手には遡って1967年に Teddy Randazzo との共作で "Take Me Like I Am" という曲も提供しています。


After The Lovin' (Alan Bernstein-Ritchie Adams) / Engelbert Humperdinck (1976)

Ritchie Adams 、こういうMORバラードも書けるところが素晴らしいです。作詞家 Alan Bernstein と共作。アレンジは Charlie Calello。U.S. Billboard Hot 100 の8位に輝き、その後いろんな人が取り上げました。


*写真は The Fireflies。1番右のギターを持っている人が Ritchie Adams。

(富田英伸)

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