Jimmy Van Heusen 第1回:ニューヨーク時代、Tin Pan Alley から生まれた作品
2026.02.19
今回から Jimmy Van Heusen を取り上げます。
Jimmy Van Heusen、作った楽曲の数は凡そ800曲と言われており、多作で知られている作曲家です。そのうち50曲程、現在でもスタンダードナンバーとなって歌い継がれ、今でも映画などに登場する機会が多いです。今回は Jimmy Van Heusen を3回に渡って特集します。
第1回:ニューヨーク時代、Tin Pan Alley から生まれた作品
第2回:ハリウッド時代、映画から生まれた作品 (前半)
第3回:ハリウッド時代、映画から生まれた作品 (後半)
第1回目:ニューヨーク時代、Tin Pan Alley から生まれた作品
Jimmy Van Heusen こと本名 Edward Chester Babcock は1913年、ニューヨーク州、シラキュースで生まれています。幼い頃からピアノに触れていたようで、人を楽しませるような少年だったとのこと。10代は地元のラジオ局のディクスジョッキーもやっていて、聴取者から歌詞を募集して、それを曲をつけてオンエアしていたそうです。その頃、友人からの勧めでステージ名、Jimmy Van Heusen を名乗るようになりました。なんでもその名は当時有名なシャツ会社、Phillips-Van Heusen Corporation の広告看板を見たことが由来とのこと。
神学学校に入学した Jimmy Van Heusen はそこで、"Over the Rainbow" などの作曲で知られる Harold Arlen の弟、Jerry Arlen と友人となります。その Jerry Arlen からの勧めもあって、Tin Pan Alley の出版社のスタッフピアニストとなって職業作曲家の道に進み始めます。
1934年に Jerry Arlen と共作曲、"There's A House In Harlem For Sale" を発表。翌年、Jimmy Dorsey と共作した、" It's The Dreamer in Me" は ビング・クロスビー (Bing Crosby) や Harry James が取り上げ、人気作曲家の仲間入りします。Jimmy Van Heusen はニューヨーク、Tin Pan Alley で多くの楽曲を送り出しました。
今回は、ニューヨーク、Tin Pan Alley 時代に作詞家、Johnny Burke、Johnny Mercer と作った作品を聴いていきたいと思います。
(次回に続く)
Oh You Crazy Moon (Jimmy Van Heusen-Johnny Burke) / Bea Wain (1939)
Oh You Crazy Moon (Jimmy Van Heusen-Johnny Burke) / Mel Torme (1960)
初出は1939年辺りでArtie Shaw 楽団に所属していた女性シンガー、Bea Wain。同年、Glenn Miller 楽団もレコードをリリースしているようです。
1960年、 Mel Tormé が Russell Garcia プロデュースしたアルバム『Swingin' on the Moon』から。本アルバムは全曲、"月=Moon" が付いた曲で構成されたアルバムです。宇宙時代を意識した内容ですが、とってもいい雰囲気のアルバムです。
I Thought About You (Jimmy Van Heusen-Johnny Mercer) / Benny Goodman (Mildred Bailey、vocal) (1939)
I Thought About You (Jimmy Van Heusen-Johnny Mercer) / Ella Fitzgerald (1957)
1939年に発表された曲。同年、Benny Goodman 楽団が取り上げました。歌っているのは女性シンガー Mildred Bailey。彼女の兄、Al Rinker は Bing Crosby の友人で、The Rhythm Boys で一緒に歌っていた人です。
1957年、Ella Fitzgerald が Frank De Vol のオーケストラをバックに歌ったバージョンも合わせて。
Imagination (Jimmy Van Heusen-Johnny Burke) / Frank Sinatra With Tommy Dorsey And His Orchestra (1940)
Imagination (Jimmy Van Heusen-Johnny Burke) / Jo Stafford (1960)
1940年、Tin Pan Alley 時代に Jimmy Van Heusen-Johnny Burke チームが世に送り出した曲。同年、Tommy Dorsey 楽団、 Glenn Miller 楽団が取り上げました。Tommy Dorsey 楽団にはまだ新人シンガーだった、フランク・シナトラ (Frank Sinatra ) が在籍しており、この曲を歌いました。後に、Jimmy Van Heusen がフランク・シナトラのために多くの楽曲を提供することになるとは想像もしていなかったでしょう。声がとても若いです。
1960年に Jo Stafford がアルバム『Jo + Jazz』で取り上げました。アレンジを担当したのは Johnny Mandel が担当しました。殆どビブラートしない歌唱が心地よいです。
Polka Dots And Moonbeams (Jimmy Van Heusen-Johnny Burke) / Frank Sinatra With Tommy Dorsey And His Orchestra (1940)
Polka Dots And Moonbeams (Jimmy Van Heusen-Johnny Burke) / The Four Freshmen (1960)
1940年、Tommy Dorsey 楽団がリリースし、ボーカルは所属していたフランク・シナトラが取りました。そのフランク・シナトラにとっても初ヒット作になりました。
1960年に The Four Freshmen がリリースしたアルバム『First Affair』で取り上げました。「水玉模様と月光」、鼻がツンとした水玉模様のドレスを着た女の子に恋に落ちる夜話。とっても可愛らしい詩です。メロディラインは大滝詠一さんの "FUN×4" にも影響を与えたようです。
Nancy (with the laughing face) (Jimmy Van Heusen-Phil Silvers) / Frank Sinatra (1945)
Nancy (with the laughing face) (Jimmy Van Heusen-Phil Silvers) / The Four Freshmen (1959)
1942年、映画俳優の Phil Silvers が詩を書いた曲で当初は、"Bessie (With The Laughing Face) " というタイトルの曲でした。Jimmy Van Heusen の相方である、 Johnny Burke の奥様の Bessie さんに贈られた曲だったそうです。1945年に Frank Sinatra が歌い、レコードがリリースされました。その時、タイトルが Frank Sinatra の奥様、Nancy さん、そして、1940年に誕生した娘、Nancy Sandra Sinatra ちゃんにちなんで、タイトルは "Nancy (with the Laughing Face) " となりました。娘、Nancy Sandra Sinatra が幼かった頃、家族の誕生日に Frank Sinatra はこの歌をよく歌っていたそうです。
1959年の The Four Freshmen もアルバム『The Four Freshmen And Five Guitars』で取り上げました。冒頭のアカペラが素晴らしいです。
(富田英伸)