ボサがとても似合うイギリスの技巧派コーラスグループ、The Mike Sammes Singers
2026.01.15
今回は長い期間、イギリスで活躍したボーカルグループ、The Mike Sammes Singers を紹介します。
The Mike Sammes Singers は自身の活動以外にイギリス音楽界から高い評価を得て、シンガーのバックボーカル、映画音楽、テレビCMなど幅広く活動を続けたグループです。
シンガー、グループのバックボーカルでは、Engelbert Humperdinck"The Last Waltz"、Beatles"Good Night"、Beatles"I Am the Walrus" は The Mike Sammes Singers がバックボーカルを担当。それ以外に Anthony Newley、Helen Shapiro、Tom Jones、Olivia Newton-John、Cliff Richard などのスタジオ録音に参加しています。
ここでグループの創設者、リーダーの Mike Sammes の経歴を簡単に。
Michael William Sammes は1928年、イギリスのライギット生まれ。少年の頃はチェロを弾いて育ったそうです。1954年、友人の勧めで、ボーカルグループ、Coronets に加入。1957年
に独立して、The Mike Sammes Singers を結成しています。The Mike Sammes Singers はシンガーのバックボーカル、映画やテレビのサウンドトラック、ラジオやテレビのジングルなど、着実に録音スタジオでの仕事を行っていきます。
Barry Gray 音楽の『海底大戦争 スティングレイ』 (Stingray、1964) など Gerry Anderson の一連の人形アニメーション特撮番組、そして初期の Tony Hatch も The Mike Sammes Singers のコーラスを起用していました。1962年から1988年にかけては7枚のリーダーアルバムをリリースしましたが、バックボーカルとして参加したアルバムは数知れずです。
Michael Sammes は2001年に亡くなり、The Mike Sammes Singers は活動を停止しましたが、亡くなった後、Mike Sammes の家屋から、多数のCM、広告ジングルが多数見つかり、2006年にそれらをまとめたアルバム『Mike Sammes & The Mike Sammes Singers – Music For Biscuits』がリリースされました。
(一部ではありますが) The Mike Sammes Singers に参加したボーカリストを記載しておきます。
The Michael Sammes Singers members are
Mike Sammes
John O'Neill
Irene King
Enid Hurd (Enid Heard)
Mike Redway
Ross Gilmour
Valerie Bain
Marion Gay
Mel Todd
ボサノバのリズムがちょうど流行り出した1960年中期、The Mike Sammes Singers はこのリズム、調べに果敢に挑戦して技巧的にも素晴らしい素敵なハーモニーを送り出しました。今回はそれらの曲を中心に。
The Mood I'm In (Pete King-Paul Francis Webster) / The Mike Sammes Singers (1965)
1965年リリースのアルバム『Sounds Sensational』に収録。スキップしたくなるような3拍子のリズムに心地良いハーモニー。とても幸せな気分になれます。曲を書いたのはアメリカ西海岸で、数多くのアレンジ、そして映画音楽も手がけた Pete King。オリジナルは1年前の1964年リリースの Pete King 自身がオーケストレーションが手がけた Jack Jones です。
The Telephone Song (Roberto Menescal-Ronaldo Bôscoli-Norman Gimbel) / The Mike Sammes Singers (1965)
上記の同じアルバム『Sounds Sensational』に収録されたボサなナンバー。とても掛け合いも楽しくとても洒落ています。曲を書いたのはボサノバのパイオニアの1人で、"Little Boat (O Barquinho) " 等で知られる Roberto Menescal。アメリカでは前年の1964年に Creed Taylor プロデュース、Stan Getz, Astrud Gilberto が取り上げ、広く知られるようになりました。
Here's to the Losers (Robert Wells-Jack Segal) / The Mike Sammes Singers (1965)
これもアルバム『Sounds Sensational』に収録されたナンバー。これもボサノバ調に味付けされています。曲を書いたのは、Robert Wells-Jack Segal。Robert Wells は The Christmas Song ("Chestnuts Roasting on an Open Fire" ) で有名な人。Jack Segal も "When Joanna Loved Me"など多くの楽曲を遺しました。この曲の初出は前年の Frank Sinatra がリリースしたアルバム『Softly, As I Leave You』のバージョンだと思います。
Hurry Up Sunrise (Mike Sammes-Herb Kretzmer) / The Mike Sammes Singers (1968)
1968年リリースのアルバム『Love Is A Happy Thing』に収録されたナンバー。スピード感ある3拍子の気持ち良いリズム、そして晴れやかコーラス、気持ちも高揚してきます。この曲は Mike Sammes が曲を書いたオリジナル・ナンバーになります。映画音楽をメインに活動していた Johnny Scott がコンダクトを担当しています。
I Must Know (Lil Mattis-Neal Hefti) / The Mike Sammes Singers (1968)
同じく、アルバム『Love Is A Happy Thing』に収録されたナンバー。Neal Hefti が『求婚専科』 (SEX AND THE SINGLE GIRL、1964) の為に書いた曲。The Mike Sammes Singers のコーラスは Neal Hefti の軽やかなメロディがぴったりフィットしています。
ここからは The Mike Sammes Singers がテレビショーに出演した時の動画をみていきたいと思います。
Pick Yourself Up (Jerome Kern-Dorothy Fields) / The Mike Sammes Singers (TV Live)
放送された時期は不明ですが、1950年後期から1960年代初頭の頃だと思います。ユーモアもあるライブ・パフォーマンスで笑いを誘います。口笛を吹いている人がThe Mike Sammes です。曲は Jerome Kern と Dorothy Fields で1636年の映画『有頂天時代』 (SWING TIME) の時に書かれた楽曲。劇内ではフレッド・アステア (Fred Astaire) が歌いました。
Days Of Wine And Roses (Henry Mancini-Johnny Mercer) / Henry Mancini with The Mike Sammes Singers (BBC-TV Live、1964)
Henry Mancini がBBCテレビ放送のために渡英した時のライブ・パフォーマンス。Henry Mancini は The Mike Sammes Singers の技量を信頼してコーラスを依頼したものだと思います。上側の中心にいる背の高い人が Mike Sammes です。曲は1962年の映画『酒とバラの日々』 (Days Of Wine And Roses) のために書かれた同名主題歌です。若干の音源歪がありますが貴重な音源として割り引いて参照ください。
* The Mike Sammes Singers

* Mike Sammes

(富田英伸)