Bedroom Popのチャーミングな歌手 mxmtoon
2025.11.22
I Hate Texas
mxmtoon
Liminal Space (2024)
私は、『宅録』というと、パソコンに向かい、数々の楽器に囲まれた部屋の中、ひとりパソコンと楽器で音楽を作っている光景が目に浮かびます。その光景は、昨今の電子楽器、音楽制作アプリなどの進歩によって、だれでも音楽を作ることが当たり前になってきたと言えます。
アメリカでは、Z世代 (1997〜2012年にうまれた世代) の若い人たちを中心としたジャンルとして、日本で言う『宅録』に "Bedroom Pop" ということばが使われています。私は、SNS等を通して、そういうBedroom Popの女性歌手たちの歌をよく耳にすることがあります。
今回、紹介するmxmtoonもBedroom Popの女性歌手たちの中のひとりです。
私が彼女の歌を初めて耳にしたのは、コロナ禍の2021年のNPRのTiny Desk (Home) Concertでした。数人のミュージシャンたちをバックにウクレレを弾きながら歌っているすがたでした。彼女の顔だちがアジア系かなという印象を受けて、なにか親近感を覚えました (後に中国系アメリカ人の母、ドイツとスコットランドルーツの父を持つということを知りました) 。
mxmtoonは、YouTubeを通して自分の音楽を発信していく中、2019年にデビュー・アルバムの "This Masquerade" をリリースし、今回紹介する "I Hate Texas" の入った "Liminal Space" が2024年にリリースした3枚目のアルバムになります。
彼女の歌の魅力は、聴く者を暖かく包み込む歌唱とバラエティ豊かなポップなサウンドがいいあんばいでマッチしていることだと思います。
"I Hate Texas" は、打ち込みのサウンドにギターのリフが隠し味のように入っているバックに前述した聴く者を包み込むような彼女のヴォーカルがチャーミングな楽曲です。ニューヨークとテキサス (オースチン) を舞台にした切ない想いのラブ・ソング。
また、彼女はゲーム・ミュージックの制作もしていて、Z世代らしくゲーム好きのようです。
(伊東 潔)