2021.12.18 - Cinema Music Composers
Thunderbirds Thunderbirds
Barry Gray

(1965)

(2022年1月、サンダーバード50周年記念エピソード『サンダーバード55/GoGo』公開を記念して)

Cinema Music Composers シリーズ
Barry Gray を取り上げます。今回はテレビ映画『サンダーバードのテーマ』の聴き比べを中心にやってみたいと思います。

1965年にイギリスでジェリー・アンダーソン(Gerry Anderson)によって制作されたテレビ人形劇『サンダーバード』(Thunderbirds)。翌年の4月に日本でNHKで放送が始まり、日曜の夕方6時、日本の多くの少年たちは人形の精巧な動きにびっくり、かっこいいメカニックにときめき、みんな虜になりました。


Theme Music From ATV's Thunderbirds(Barry Gray) / The Barry Gray Orchestra(1965)

1965年にイギリスで制作された『サンダーバード』のテーマ曲シングルは同年、Pye Records からリリースされました。演奏は作者である Barry Gray が指揮した The Barry Gray Orchestra。いつ聴いても踊る快活なマーチです。B面には、パーカー、そしてキャラクター設計者でペネロープの声をアテた、ジェリー・アンダーソンの奥様のシルヴィア・アンダーソン(Sylvia Anderson)による"Parker - Well Done!" という会話劇が収録されています。


サンダーバードのテーマ(日本語バージョン)(Barry Gray-滝田順) / ロイヤル・ナイツ、ビクター少年合唱隊、服部克久(編曲)(1966)

『サンダーバード』は人気が高く、その後も民放中心に再放送されますが、日本語歌詞入り日本語バージョンが制作されます。指揮、編曲に携わったのが、2020年6月に亡くなった服部克久さんでした。『遊星王子』(1958)や『光速エスパー』(1967)の劇判を手掛けた関係で、ビクターから依頼があったとのこと。オリジナルに負けず劣らずの格調高い重厚なアレンジ。服部克久さん30才前後の作品となります。

男声コーラス(ロイヤル・ナイツ)と少年コーラス(ビクター少年合唱隊)の2つのコーラス隊が歌っており、特にサビと部分の一番いいところで男声コーラスから少年コーラスに引き継ぐ感じがたまりません。歌入りのテーマ曲ですが、世界でもたぶん日本国内のみだと思います。このバージョンがなんといっても一番好きです。詩が分かりにくいところもあるので記載しておきます。一緒に歌ってください!

サンダーバード
青く光る広い宇宙へ
行け!風を巻いて
サンダーバード
この世のしあわせのために
行け!海に陸に
青い空を乱す者は誰か
呼んでいるあの声はSOSだ
サンダーバード
青く光る広い宇宙へ
行け!風を巻いて



サンダーバードのテーマ(日本語バージョン)シングル


Century 21 March(Barry Gray) / The Barry Gray Orchestra (1965)

『サンダーバード』の制作者であるジェリー・アンダーソンはメディアミックスにも長けた人でした。『サンダーバード』の放送が始まると、Pye Records を配給元にした Century 21 Records を設立。『サンダーバード』を中心に、自身が制作した作品に関連した会話劇などを Century 21 Records からリリースしていきます。サンダーバードのテーマを "Century 21 March" のタイトルでリリース。快活なドラミング、ギターでこれまたノリがいいバージョンです。


Fireflash Theme(Barry Gray) From "Thunderbirds"/ Barry Gray Orchestra (1965)

サンダーバードのテーマに次いで好きな曲はこれ。第1話の「SOS原子旅客機」のファイアーフラッシュ号の登場シーンです。これも胸踊るマーチで大好きな1曲。Barry Gray の音楽は『サンダーバード』に欠かせない要素になっています。




Barry Gray は1908年、イギリス、ランカシャー州ブラックバーン生まれ。幼い頃からピアノを弾いていたとのこと。退役後、イギリスの歌手、Vera Lynn の伴奏者兼アレンジャーなどをやっていたそうです。Barry Gray はVera Lynn の1955年のこども向きのアルバム『Vera Lynn's "Songs For Children"』に楽曲を提供。詩を Robarta Lee という絵本作家が書きました。

1957年、その絵本作家、Robarta Lee 原作『The Adventure of Twizzle』の人形劇が制作されます。この作品がジェリー・アンダーソンにとって最初に制作した人形劇となります。絵本作家、Robarta Lee を介して、Barry Gray とジェリー・アンダーソンは出会いました。その後ジェリー・アンダーソン作品では『Space: 1999』(1975)まで(ごく一部除き)一貫して、Barry Gray が音楽を担当しました。Barry Gray は1984年に亡くなりました。




ジェリー・アンダーソン作品の思い出をちょっと。小学生の時に観た『謎の円盤UFO』のお話。

ジェリー・アンダーソン作品で『サンダーバード』に次いで好きなのは、1970年の『謎の円盤UFO』(UFO)です。UFO は"ユー・フォー" ではなく、"ユー・エフ・オー" と発声します。この『謎の円盤UFO』、問題だったのが、その放送時間帯でした。『謎の円盤UFO』、土曜夜8時に放送。そうです、当時の子どもにとっての神番組『8時だョ!全員集合』と丸カブリ!

僕はゴールデンハーフ(特にエバ)が好きだったので、『全員集合』を観ていたんですが、クラスで今井科学のサンダーバードのプラモデルを全部持っていたお金持ちの家のならさき君に強く説得され、『謎の円盤UFO』を観るようになりました。チョーカッコいいメカ、地球防衛秘密組織「SHADO」のイケてるロゴ、アミアミ、スケスケの制服にメロメロ。一気に虜になりました。ならさき君から『謎の円盤UFO』に登場するスカイダイバーのプラモデルを誕生日のプレゼントをもらったりで、最高でした。

クラスの男子は、徐々に「ドリフ派」と「UFO派」("ユー・フォー" ではなく、"ユー・エフ・オー" と発声します、2回目)に別れていきました。そのうち、放送とともに「UFO派」は人気上昇、「ドリフ派」は劣勢になっていきます。

「UFO派」に寝返った僕でしたが、友達のいふく君がいた「ドリフ派」も気になっていました。休み時間、数少なくなったギャラリーの中、「ちょっとだけよ」を踊っていた「ドリフ派」のいふく君。「あんたも好きねえ」と言いながら、うらめしい眼でこっちを見ていました。その哀しい眼差しが今でも忘れることができません。ごめんね、いふく君、裏切ってしまって...。

UFO=ユー・エフ・オーと発した人は間違いなく "マニア"です。この話を振ってみてください。食いついてくると思います!


『謎の円盤UFO』(UFO)日本版オープニング / Barry Gray(1970)

矢島正明のナレーションも音楽の一部です(ウソ)


UFO (TV series) Original Opening and Edding / Barry Gray(1970)

ナレーションなしのオリジナルバージョン。




(富田英伸)

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