2014.01.05
君は天然色 君は天然色
伊藤銀次

杉まつり2014 (2014)

「君は天然色」をみんなで大きな声に出して歌って、無心で弔いをしました。
杉さん、銀次さん、出演・スタッフのみなさん、ほんとうにありがとうございました。

2014年1月3日に吉祥寺スターパインズカフェで開かれた「杉まつり」参加記です。


「君は天然色」は舞台大詰めに登場した伊藤銀次が、杉真理や村田和人らをバックに歌います(大詰めといってもそこからさらに1時間は続いたが・・)。この曲は訃報と関係なく「みんながよく知っている曲をやって、みんなに喜んでもらえたらいいな」との趣旨で準備されていたとのこと。その説明だけで銀次さんは感極まってしまうのですが(こっちもだよ)。広くはない舞台にギター6本、打楽器4を含む大編成が並び、何度も聴いた例の調律音からドラムスティックのカウントを経て奏でられるガッツのあるリズムのイントロ。「大滝さんも(須藤)薫ちゃんも、来てくれてる」という言葉がうなずけるあのサウンドが再現されました。


「杉まつり」は、明るく軽いノリの杉真理と村田和人による5曲で始まりました。還暦を迎えたばかりの村田さんはエルトンもビックリの┏60┓(メガネ)と赤いジャケットで登場。最初は吉祥寺ご当地ソングの「バイバイウサギ君」と「マイジョージタウン」から。「ウサギ君」はレッドストライプスの曲ですので、青純へ想いも感じます。続いて惜しげなく「いとしのテラ」と「一本の音楽」で、会場は一気に一体に。「恋はボリショイ」(アロハブラザーズ)による餅撒きならぬ《シベリア撒き》を経て、怒濤のゲスト歌合戦へ。

それからたくさんゲストが出てきました。山田稔明と杉真理のうらやま師弟、玉城ちはるの手話ダンス歌唱、ああいうところで「カチューシャの唄」を歌う しらいみちよ、鈴木雄大の「Only Love」の曲のよさ、「ウィスキー」ホステス5人組の意地の張り合い、野田幹子の水商売(笑い)、久保田洋二のへんな人ぶり、松尾清憲が捧げた「イノセントアイズ」(かしぶち哲郎作詞)などなど。全部書くと6時間(笑い)かかりますので。とにかく世の中には歌がうまくてきれいな人(女性歌手)がこんなにいるんだなあと感心しています。

舞台はとくに追悼色を排して明るく進むのですが、随所にほろりとさせるところが。杉真理がモメカル郷田祐美子(チェロ)とデュエットでカバーした「私の青空」、杉真理と村田和人のコーラスの「Nobody」とこたえられない。そして舞台は佳境にはいります。

「恋の雨音」杉真理 with 松尾清憲
「フロントガラス越しに」 渡辺かおる
「フランキーお願い」 遠藤響子
「心の中のプラネタリウム」 峠恵子
「8月生まれ」 伊藤銀次

須藤薫さんの追悼が準備されていました。いい選曲、いい曲ばかりです。杉・松尾コンビはまるでピーターとゴードン風に。渡辺かおるはデビュー前から歌った思い出の曲とのこと。遠藤響子の表現者としての魅力、峠恵子のカーペンターズと甲乙つけ難いプラネタリウム。そして伊藤銀次作曲の名曲「8月」。銀次さんが歌うといい感じのポップロックになります。そしてくるっとマイクの前で須藤薫ターンを決める。

そして舞台には伊藤銀次がそのまま残り「君は天然色へ」。コンサートはまだまだ終わらない。伊藤銀次・杉真理・村田和人のトライアングルで「幸せにさよなら」。シャドウズのカバー「春がいっぱい(伊東に行くならハトヤ付き)」を経て、呼び戻された黒沢秀樹にあおられる uncle-Jam で、どんどん伊藤銀次が決めるきめる。続いて BOX が5曲。これがまた激しくて BOX のコンサートを観せてもらったような充実感がありましたよ。

最後に全員がステージに乗って杉真理の新曲「最高の法則」の2度目の演奏をしました。コンサートのもう一つのハイライトがこの新曲。

このステージでは2組の素敵なヴォーカル&ドラマー親子共演があったのです。杉真理と杉未来君、そして村田和人と村田彼方君。杉未来はハウスバンドドラマーとしていいグルーブを作り続けステージの好印象のコアになり、村田彼方の父との「We Love You」は力強く、ツーマンなのが信じられないバンドサウンドがしました。

こんな中での新曲「最高の法則」は、音楽讃歌、若者讃歌、ほんとうに《ポップスの未来の彼方は明るい!》と信じさせてくれる名曲です(ひとの名前であそんじゃってごめんなさい)。力強いソウルポップの味わいをもつこの曲は杉真理のマスターピースになる予感がします。

最後は「君は天然色」の再演奏。遠藤響子から「君は天然色はもともと須藤薫に書かれた曲だったから、最高の追悼」なるコールがあって、ぎっちぎちのステージからもう一度あのイントロが響きます。
ここまで全60曲(くらい)、6時間(くらい)。会場全体で大声で君天を歌えて幸せです。


「これから僕たちでポップスを楽しく」(伊藤銀次)
「みんなで受け取っていく」(杉真理)


最後に杉さんから出演者へのお礼のメールとして配られたといわれるメッセージを引用します。


「皆さんに神の過保護(どん欲でございます)がありますように。」


ずるっ




(たかはしかつみ)




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