2013.06.10 - Nippon 80s Special
渚のONE-SIDE SUMMER 渚のONE-SIDE SUMMER
大江千里

未成年 (1985)

1980年代。好景気に日本中が沸き上がり、後に訪れるバブル崩壊など全く気配もなく、楽しくフワフワと生きていた自分を思い出すともちろん懐かしいけれど、同時に恥ずかしい気持ちにもなります。あの頃の自分を俯瞰するとこっぱずかしい。なにやってたんだろう。回りもみんなそんな感じだったけど。今の20代の人たちが見たら、呆れ返るんじゃないかしら。

わたしは81年に社会人となり、88年に結婚しました。まさに20代のほとんどと30ちょいまでをこの「アゲアゲ」な時代に生きたわけで、良い思い出も酸っぱい思い出も、この時代のある種特徴的だった音楽に彩られています。YMOに代表されるように、コンピュータが音楽に大きく関わるようになり、音楽の作られ方が劇的に変化しつつあった時代で、聴く方も耳に新しいサウンドが次から次へと届いて刺激的でした。

80年代の特集ということで当時聴いていた音楽を思い出していたら、数本の糸がある人物によってお見事!って言いたいくらいに1本にまとまりました。
清水信之。80年代を象徴するアレンジャー、プロデューサー、そしてマルチプレイヤー。
今回の特集では、20代の頃のわたしの甘酸っぱい思い出をからめつつ(笑)、清水信之の関わったシンガーを何人か取り上げてみたいと思います。

まずは絶対この人を取り上げたかった。大江千里。男ユーミンという愛称が言い得て妙なシンガーソングライター。今もニューヨークでピアノを弾いていらっしゃるとのこと、健在なのが嬉しいです。
わたしは、千ちゃんの詞の才能はユーミンにも負けず劣らずだと思っています。男の子って、鈍感でおおざっぱでいい加減じゃなかったんだ。口には出さないけど実は、心の中では好きな子のことを妄想レベルで観察してるんだ、とわかったのは千ちゃんのおかげ。
そして曲も多分にユーミンの影響を受けていると思うけれど、独自な雰囲気を確立してるのはさすが。今聞いても充分に楽しめます。

清水信之は、あの時代の持つ高揚感とかキラキラ感をアレンジに盛り込むのが上手だったように思います。ひとりYMOと称されるくらいのマルチプレイヤーだったこともあり、何でもできちゃう。そのせいもあるのか、彼のアレンジを好きじゃない人にとってはどこかで聴いたようなアレンジだと思ったかも知れないし、どのシンガーの曲も似たようなアレンジだと思ったかも知れないけど、わたしは好きだったから、全然いいんです(笑)。

『渚のONE-SIDE SUMMER』は、ハチロクのラブソング。清水さんが多分チョー得意だと思われる鉄板アレンジ。曲もいいし、詞もいい。リアルタイムで聴いていたときよりも好きになりました。カラオケあったら歌いたい(笑)

千ちゃんの曲を教えてくれたのは、年下の男の子でした。彼と別れてヒマだったのを知ってか知らずか、あちこち遊びに誘ってくれて、車で聴かせてくれたのが最初。だから大江千里はその子とセットで思い出になっています。
先日何十年ぶりかで顔を合わせる機会がありました。立派な大人になっていて、嬉しかったです(笑)

大江千里のオリジナルアルバムは、ソニーミュージックの名盤復刻シリーズで順次再発されています。全部買っちゃいそうです…。



今日の1曲


(なかのみどり)




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