Creedence Clearwater Revival

Have You Ever Seen The Rain

1970 " Pendulum " Toshiba/LIBERTY LP-80166 / LP





 近頃はテレビコマーシャルに使われる曲に耳を奪われることがすごく多くて、それはつまり選曲してるひとと自分の歳が近いことを意味しているわけでして、あーわたしも歳取ったもんだとしみじみしているサーカスタウンの文鎮(重鎮にあらず)、なかのです(最近とみに重いんだなこれがまたトホホ)。
 この曲は、わたくしがみずからのお金で初めて買ったLP「Pendulum」に入っている曲です。なぜこれがハジレコなのか、自分でもよく覚えてません。当時CCRはシングルヒットをそれはビシバシ飛ばしていて、ラジオじゃしょっちゅうかかってましたので、たまたまフトコロ具合とタイミングが合っただけなんだと思います。
 このアルバムが発売された1970年という年は、ロック史上においては The Beatles が解散し、Jimi Hendrix や Janis Joplin が亡くなり、The Beatles『Let It Be』、Derek and Dominos『Layla』、James Taylor『Sweet Baby James』や Crosby,Stills,Nash&Young『Deja Vu』など数々の名盤を輩出した年です。音楽と社会の関わり方についても大きく形を変えていた時期でしたよね。この曲の「雨」とはナパーム弾のことだそうで、実は反戦歌だったのです。もちろんそんなことを当時のわたしが系統立てて知る由もなくて、でもラジオから次々と溢れてくる3分間の音のシャワーを浴びてきたことは、財産だと思えます。


 「雨をみたかい」という邦題は、この頃のシングル盤のタイトルとしてはめずらしくそのまんまですね。この曲でわたしは過去分詞を覚えました(笑)。CCRって、土臭いのですが、実はカリフォルニア出身。アルバムを聴き返すと、ブルースでもカントリーでもロックでもそつなくうまいバンドだなあと思います。こういうバンドの音楽って時間が経っても色あせないで、かっこいい。4年という短い活動期間に次々とヒット曲を世に送り出し、30余年経った今、また次の世代の耳にも馴染んでいくという、すばらしさ。こういうのがあのころの音楽のよいところ。消費されるだけの今の音楽たちの多く(と、わたしが勝手に思っているのかも知れないけど)の行く末と比べてしまいます。
 このアルバムは6枚目です。 John Fogerty 色に染まったアルバムとしてファンのみなさんの間では賛否両論あるようですが、わたしはこれしか持ってないため何も言うべき言葉を持ちません。詳細は最近出た紙ジャケCDのライナーノーツをお読みください。こんなバンドもあったのだということで、聴いてもらいたい一枚であります。

(なかのみどり)




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