Little Feat

Willing

2002 " Waiting For Columbus " Warner Bros./Rhino 8122-78274-2 / 2CD





 前々回のSSBでついにかかりましたね Little Feat。SSBでは初めてなんですね。やっとレビューを書くタイミングがきてうれしいです。以前からダンナに書け書けと言われていた「Waiting For Columbus」。言わずと知れたライブ・アルバム。今さらわたしごときが紹介することはないのですが、もし未聴のかたがいらしたらとの老婆心だと思ってください。とにかく聴いていただければ納得の名盤中の名盤です。
 昨年ライノから出たCDは2枚組で、78年に出たオリジナル・アルバムとは曲順が変わっており、アウトテイク7曲と81年に出た Lowell George 追悼編集盤『Hoy-Hoy!』から3曲が入っていて、大お得! 大きめの音で、日曜日かなんかの昼間に聴くと、あたかもライブに居合せているような気分になれて、盛り上がれます。


 ムサイ男たち。飛び散る汗(見てないけどたぶん)。女のひとはあんまり手を伸ばさないジャンルの音楽かも。だけど聴けばすぐにとりこになりまっせ。グルーブがね、とにかくかっこいい。あんなさまざまなパターンのリズムをなんなくこなすんですから。変拍子とかキメとか全く屁でもないし(失礼)。絶頂期の Little Feat がここにあります。ウェストコーストのバンドでありながら、セカンド・ラインと呼ばれるニューオリンズ・ファンクを見事にものにして、ブルースやカントリーなどもミックスされた独特の彼らの音楽を楽しむことができます。すばらしいライブ・パフォーマンス。日本のミュージシャンたちにも大きな影響を与えたことは有名ですね。男は姿カタチじゃないですイヤホント。
 78年当時は大学生でしたが、この手の音楽の話ができる友人は当時周囲にほとんどいなくて、さびしかったっけなあ。あ、今もか。結婚して、ダンナが持ってきたレコードの中にこれがあって、彼は当時レゲエ・ブルース・R&Bオトコでしたので趣味が合わないじゃんって思ってたんだけど、接点があってよかったわ、とほっとしたのを覚えています。
 アンコールの最初に演奏される「Willing」。多くのミュージシャンにカバーされている、Little Feat の名曲のひとつですね。ゆったりとした曲調の中に哀愁ただようヴォーカルがぐぐっと胸に迫ります。
 メンバー個々人の力量は敢えて書くまでもないと思いますが、全員がこんなにテクニックを持っていると、やってて「飛んでいく」瞬間が何度もあるんだろうなあと想像します。自分たちで生み出すグルーブに、体がしびれるような快感がきっとあると思う。ゾクッとね。感じてみたいなあ。Tower Of Power のホーンセクションがまた強力で、かっこいいです。自然に体がゆれてしまうリズムに身を委ね、Lowell George のスライドギターにうぉーっと唸ってください。わたしは Bill Payne のピアノにくぁ〜〜っと唸るクチですが。

(なかのみどり)





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