Shelby Flint

Our Town

1966 " Cast Your Fate To The Wind " Valiant VS-25003/LP





 月明かりがきれいな夜、今宵はその透明な声に惹かれて夜の散歩に出掛けましょう。Shelby Flint 自身の作詩作曲によるそれは美しく甘美なジャズ・ナンバー。
 天使の声の持ち主、Shelby Flint の Valiant 3枚目のアルバム。リリースされたのはポピュラー・ミュージックが一番輝いていた1966年。これまでフォークソング、ジャズを基調にしていたサウンドもポップな味付けが施されていています。
 「Our Town」以外にも12曲中、5曲は彼女が書いた曲で曲作りにも才能を発揮しています。アルバム名にもなった「Cast Your Fate To The Wind」はウエストコースト・ジャズ・ピアニストの Vince Guaraldi 作曲によるナンバー。Shelby の声はキュートで魅惑的。サウンドもれまでになくホーンやストリングスをふんだんに使っていて、Petula Clark の「Down Town」を思わせるような素晴らしい出来栄え。アレンジを施したのははこれまでと同様、Perry Botkin Jr.。「Bluebird」は、後に The Association に名曲「Never My Love」を残した Addrisi Brothers の作品で、アレンジをポップス職人、Tommy Oliver が担当しているのもうれしいです。


 その他、The Beatles の「Yesterday」の絶妙なカバー、そして既に紹介済みの Shelby Flint の1枚目のアルバムからも一部の曲を収録していますが、フォーク、ジャズ、ポップスのエッセンスが交じり合って飽きることない素敵なアルバムです。
 2002年になって Collector's Choice から、Valiant に残したアルバム3枚が "2CDin3LP"仕様でCD化になりました。これはもう奇跡!ジャケット体裁にはちょっと難ありですが、詳細な解説とともに彼女の美しい写真も掲載されています。
 元祖ウィスパーヴォイス、Shelby Flint はこのアルバム以降、主にスタジオ・ミュージシャンとして活動を続け、今でも現役で活躍。テレビのCM(ハーゲンダッツ・アイスクリーム)、ディズニー映画(『ビアンカの大冒険』)の挿入歌を歌っています。
Side One:
1. Green Leaves of Summer(Webster-Tiomkin)
2. Moonlight(Flint)
3. The Lily(Flint)
4. Yesterday(McCartney)
5. Softly, Aa I Leave You(Calabrese-Shaper-DeVITA)
6. Cast Your Fate to the Wind(Werber-Guaraldi)

Side Two:
1. I've Grown Accustomed to his Face(Lerner-Loewe)
2. Hi-Lili,Hi-Lo(Deutsch-Kaper)
3. I Will Love You(Flint-Devorzon)
4. Bluebird(Addrisi-Addrisi)
5. Our Town(Flint)
6. Angel On My Shoulder(Flint)

Produced by Barry Devorzon
Arranged by Perry Botkin Jr., Don Addrisi, Tommy Oliver
Engineers:Tom May, Bill Britten, Stan Ross

(富田英伸)


Shelby Flint Collector's Choice WWCCM0273



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