Dan Hartman

I Can Dream about You

1984 MCA-52378 / Single





 歌姫をめぐってチンピラのケンカが繰り広げられる青春映画「Streets of Fire」の中の1曲です。Diane Lane と Michael Pare 主演で覚えている方もいらっしゃるかもしれません。Dan Hartman のヴォーカルは非常にソウルフルで、久々にシングルを取り出してしびれてしまいました。音は80年代的な打ち込みなのですが、重いスネアがズシッズシッと来て緊張を演出します。抑制の取れたシャウトときっぷのいい歌い切りが楽しめる、白人の歌うソウルの理想的な1曲だと思います。


 Dan Hartman は1950年生まれ。70年代から Edgar Winter や Johnny Winterら数多くのミュージシャンと仕事をしながら何枚かの作品を発表、84年にこの曲をヒットさせます。Dan は作詞作曲、マルチプレーヤーで、しかもプロデューサー。翌85年には「Livin' in America」(『Rocky IV』)を作・プロデュースし、、見事 James Brown を"復活"させました。なおそのころ松田聖子にも曲を提供していたことを発見。彼女が米国に殴りこみ?をかけた「Dancing Shoes」の時に提供だそう・・・。彼は94年に残念ながらエイズが原因で死んでしまいました。亡くなる直前まで作っていた最後のオリジナル・アルバムにも、この曲のリミックスがボーナスとして収録されています。
 映画の記憶はもはや不鮮明になってきているのですが、この「I Can Dream about You」は、ドゥーワップ・グループ仕立てで歌われたと記憶しています。他に Diane Lane が歌っている(ことになっていた)、Jim Steinman 作の大仰な一曲も良かった(そもそも本作 Diane Lane はよかった)。基本的なインスト等のサウンドトラックは Ry Cooder が担当していたのも「聞ける」映画が出来上がった所以です。
 掲載は7インチシングルで、サントラ・アルバムのジャケットと違って色数が少なく、気に入っています。この頃は米盤の7インチシングルの新譜が数多く輸入されるようになったので、嬉しくてよく購入していました。450円くらいで、国内盤より250円安かったというのもポイントでした。思えば最後のドーナツ盤の時代でした。

(たかはしかつみ)





Copyright (c) circustown.net