Elmer Bernstein with Royal Philharmonic Pops Orchestra

The Great Escape

1993 " Elmer Bernstein by Elmer Bernstein with RPO POPS Orchestra " DENON CO-75288 / CD





 もうすぐワールド・カップ。先日タワレコの黄色の袋が日本代表の青に一瞬だけ変わっていました。こんな小さな嬉しさの積み重ねが、ワールドカップを実感させます。5月31日からの1ヵ月のお祭り。今日はサッカーと音楽の話しを書きたいと思います。
 ワールド・カップと音楽というと、イベント、ヒット曲、サポーターズ・ソングということになります。イベントの代表格は、なんといっても Carreras、 Domingo、Pavarotti の3大テナー。90年ローマ(カラカラ遺跡!)で味をしめ、以来ロス、パリと決勝都市で開催。今回なかなか正式発表がありませんでしたが、横浜で決勝の3日前に開催決定。実は Domingo と Carreras は早くからオペラの引越し公演で日本に仕事入れてた訳で既定路線。もうマンネリと言われようが、代替わりせいと言われようが、突っ走ってください。


 一方どんな曲が歌い継がれるか。公式賛歌、便乗参加、これも大変興味があります。フランス大会では Ricky Martin の華ある Ales! Ales! ソングと Youssou の素晴らしいパフォーマンス が大会を彩りました。ただ今ヒット中の Voice of Korea/Japan もなかなかいいじゃないですか。海外からのお客さんに、日本の音楽との良い出会いを体験していただきたい。達郎ミュージックを聞いてもらうにはどうしたらいいだろうか。これまた考えるだけでもわくわくします。
 さてようやく本題の「The Great Escape」。これは1963年のアメリカ映画「大脱走」のテーマにして、ベッカム骨折激震中のイングランド代表チームのサポータズ・ソングです。彼らはこの曲好きですね、スタジアムの中でも外でも口ずさんでいます。応援のスタイルは色々ありますが、代表の試合は普段それぞれ別のチームを応援している人たちが集うわけですから、あまり凝ったものよりシンプルなものが好まれます。応援団長が特にいなくても、自然発生的に歌声がスタジアムを包みます。この曲だけで、20分、30分と続くことさえあります。
 作者は「十戒」「荒野の7人」「アラバマ物語」の Elmer Bernstein 。この人のすごさは50年代から90年代まで5つの年代全てでアカデミー賞にノミネートされていること。ジャンルにとらわれない着実な仕事とあわせて、職人と呼びたくなる巨匠です。彼はジュリアード音楽院で米国を代表する作曲家 Aaron Copland に師事していたとのことで、アメリカらしい大らかな旋律とオーケストレーションの魅力がうなずけます。音楽性の系譜から、Copland を父に、「スターウォーズ」の John Williams を息子にといった存在でしょうか。しかし今回 Elmer Bernstein のCDを探し回ったのですが、これだけの作曲家のソングブックがなかなかみつからない。映画作家のコーナーに行くと、Ennio Morricone ばっかりある。 Morricone にうらみはないのですが・・・何故だ?
 この映画はわざわざ説明するまでもない傑作ですが、Steve McQueen。第2次世界大戦中にドイツ軍の捕虜収容所から脱走を企てたイギリスを含む連合軍将兵の実話に基づく映画です。イギリス人が好きなわけです。覚えていますか、途中捕虜兵達が合唱の練習をするシーン。達郎さんでもおなじみのあの曲が出てきていたのですね。サッカーと音楽。ワールド・カップが楽しみです。

(たかはしかつみ)




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