Bobby Vee

Each Night

1961 " Bobby Vee With Strings and Things " LRP-3186 / LP





 先日のSSB のDavid Gates 特集でかかったAnn Margret 「Hey Little Star」という曲にやられてしまいました。何てドリーミーな曲なんでしょうか。僕はこういう曲に本当に弱いです。ブリッジのコード進行(専門的な音楽用語はよく分かりませんが達郎さんはクリシェと言っていたように思います)の部分を聴いて僕には連想される曲がたくさんありました。どの曲も死ぬほど好きなので、恐らくこのコード進行は自分のポップス嗜好の鍵となるパターンなのでしょう。分からない人には全く分からない話ですが、それらの曲をちょっと挙げさせて貰うと...。
  • Walk Right Back / The Everly Brothers
  • Winter Wonderland / Darlene Love
  • Cause I Love Him / Alder Ray
  • Why Don't The Boy Leave Me Alone? / The Angels
  • The Joker Went Wild / Brian Hyland
  • Point Of No Return / Gene McDaniels
  • Sure Gonna Miss Her / Gary Lewis And The Playboys


これらの曲には共通するパターンがあり、このパターンをやられると確実にツボにハマってしまうのです。それはなぜなのか自分でもまだよく分かりませんが。さて、今回紹介するBobby Vee の「Each Night」も、上記の曲たちと同じパターンのイントロが軽快な、弾けるようなナンバーで大好きな1曲。Bobby Vee といえば、 60年代初頭にBuddy Holly フォロワーの一人として登場し数多くヒット曲を連発、50's ロックン・ロールと60's ポップスの橋渡しをした人物としてポップス・ファンに人気ですが、このアルバムは彼を一躍有名にした「Take Good Care Of My Baby」のヒットを出すちょっと前の、彼にとって3枚目の作品。Goffin & King の名曲「How Many Tears」やオールディーズの定番曲「Baby Face」、 Ritchie Valens の「Donna」にそっくりな「Laurie」、 Buddy Holly の「Peggy Sue」風アレンジの「Diana」など、ドリーミー・ポップスのオン・パレード。彼にとってアイドルであるBuddy Holly を完璧に意識した鼻にかかったヴォーカルも聴いていて結構癖になります。そしてその"癖になる"最大の理由がもう一つ。それはプロデューサーのSnuff Garrett が作り出すリバティ・サウンドの素晴らしさです。アタックの強いリズムと煌びやかなストリングスというリバティの特徴がこの時点ですでに確立されていますが、このBobby Bee で展開した手法をアレンジャーのLeon Russell らと共に更に推し進めて、目くるめくポップス・ワールドを完成させたのが、後の Gary Lewis And The Playboys と言えるでしょう。
前述した好きな曲リストにリバティ関係のアーティストが多いのも偶然では無い気がします。その理由は中学生の頃に毎日聴いていたナイアガラ・サウンドにあるように思えるのです。リバティとナイアガラの関係はこれからの研究課題。いやあポップスは勉強ですな(笑)。

(高瀬康一)




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