Jefferson Airplane

Somebody To Love

1967/1995 " Surrealistic Pillow " RCA Victor/BMG BVCP−7351/CD





 1967年6月、アメリカ西海岸のモンタレーで、その後のロック・フェスティバルのひな形となった Monterey International Pop Festival が開催され、The Mamas & The Papas、 Scott Mckenzie、The Byrds、Jimi Hendrix Experience、Otis Redding ら錚々たるミュージシャンが顔を揃えました。Laura Nyro がこのライブで「ステージ・フライト(舞台恐怖症)」になったというのも有名なエピソードとして知られています。そんな中に Jefferson Airplane の顔もありました。
 その Jefferson Airplane の「Somebody To Love」が私の少ないお小遣いで初めて買った45回転のシングル盤なのです(ちょうどその頃、英語を覚えたての中学生には紛らわしいタイトルの曲、The Bee Gees の「To Love Somebody」もヒットしていました)。


 「Somebody To Love」は、1967年、Jefferson Airplane が出した2枚目のアルバム『Surrealistic Pillow』に収められている彼らの最大のヒット曲といっていいでしょう。このアルバムから加入した Grace Slick の少しハスキーなヴォーカルがサイケなギター・サウンドに乗ったこの曲は、"Don't you want somebody to love"のサビのリフレインが覚えやすいこともあって、好きになり、シングル盤を買ったものでした。このアルバムから、カントリー・タッチの「My Best Friend」、『不思議の国のアリス』を題材にしたサイケな雰囲気を醸し出す「White Rabbit」がそれぞれヒットしました。
 今このアルバムを聴くと、サイケデリックというイメージで連想される音楽よりフォークやカントリーを基調とした曲が多く、「How Do You Feel」などは The Mamas & The Papas を思い起こす音作りをしています。それだけに「Somebody To Love」や「White Rabbit」はむしろサイケデリックという時代の色合いの濃さを突出させていたのだなぁと感じさせます。
 その後、彼らは、Jefferson Starship、Starship と名前を変えヒット曲を出したことはご承知の通りです。

(伊藤潔)





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