Nick Lowe & Dave Edmunds

Crying In The Rain

1980 " Sing The Everly Brothers " F-Beat BEV-1/EP





 Everly Brothers 1961年のヒットを、息の合ったハーモニーで聞かせてくれるのは、80 年代ポップ好き仲間のアイドル、Dave Edmunds と Nick Lowe です。しっかりとしたアコースティック・ギターだけの伴奏に、Everly そっくりな2重唱。Dave のハスキーな高音と Nick の声がよくブレンドされます。好きなんだなあ、やつらも。
 80年前後のイギリス音楽界は、パンクの洗礼、そしてニューウェーブの世界的な席捲と、激しく動いた時代でした。その中にあってシンプルなロックをずっと追い続けていたのが彼ら二人だと思います。彼らの音楽をパブロック、パワーポップなどと表現することもありますが、オーソドックスなアメリカ音楽、ロックンロールをひたすら楽しんでただけじゃないのかな。2人とも芸能生活は長い人たちです。ギター弾きの Dave Edmunds は60年代末からのロックンロール野郎です。「I Hear You Knocking」など、全英 No.1 も持っています。

 一方ベース奏者の Nick Lowe は「Cruel To Be Kind」などのニヤリとするポップな名曲を山ほど持っています。2人には共通点多いですね、音楽に対してポップで頑固なのも似てますが、プロデューサーとしてもいい仕事をしています。Dave は Stray Cats を世に送り出し、Nick は Elvis Costello の出世を手助けしました。Dave も Nick も日本で時々コンサートをしてくれたのもいい思い出です。なんか心のオアシスを感じたなぁ。
 この Everly Brothers のカバーは、Dave と Nick がついに組んだ4人組のロックンロールバンド、Rockpile の唯一のアルバム『Seconds Of Pleasure』のオマケのEPに収録されていました。他に Everly の「Take A Message ToMary」、「Poor Jenny」それに「When Will I Be Loved」をカバー。アルバムの方は、小気味良いロックンロールが満載です。Everly の4曲はCDのボーナス・トラックとして、今ではいつでも聞くことができます。レコード中心の送り溝、A面には「LOVE TO DON AND PHIL」、B面には 「LOVE FROM NICK AND DAVE」って彫られているんですよね。

(たかはしかつみ)




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