Shelby Flint

Angel On My Shoulder

1961 " Shelby Flint " Valiant LPS-401/LP





 天使が肩に降りてきて、そっと耳うちします。
" Quiet Girl, Shelby Flint "

 Shelby の美しいソプラノはまるでどこまでも透明に澄んだ湖の様。
 彼女の声に魅せられたのは、あるオムニバスCDに収録されていたこの曲「Angel On My Shoulder」を聴いてからのこと。彼女の素敵な声に魅了され何度も何度も聴きなおしました。この曲は Shelby 自身が書いた曲で1960年にシングル・リリース、小ヒットを記録しました。このアルバムはその翌年に Valiant から出た彼女のファースト・アルバム。収録曲は 「Angel On My Shoulder」に加え、トラディショナル・フォーク・ソングやディズニー映画の挿入歌、ミュージカルからのナンバーに加え、Shelby Flint 自身が書いた作品も収録されています。
 「Quiet Kind of Love」は Shelby の清楚な声にぴったりな曲。何度聴いても胸にジーンと響きます。ディズニー映画『So Dear To My Herat』の挿入歌「Lavender Blue」、そしてミュージカル『Lili』の「Hi-Lili,Hi-lo」、同じくミュージカル『Brigadoon』の「Thee Heather On The Hill」の可愛さといったら、もう喩えようがありません。



麗しの Shelby Flint
 特筆すべきは「I Will Love You」という曲を The Cascades のプロデュースや自ら Barry & the Tamerlanes というボーカルグループで活躍していた Barry Devorzon と共作しています。聴いてみたら Robin Ward が自身のアルバムの中で取り上げていた僕の大好きな曲でびっくり!(こちらのクレジットは Barry Devorzon 単独)。アレンジャーには Barry Devorzon の盟友、 Perry Botkin Jr. が全曲担当。非常にシンプルなアレンジで、Shelby の声を引立たせています。
 Shelby は Valiant に3枚程アルバムを残し、その後はスタジオ・ミュージシャンとなりコーラス、キーボード奏者として幅広く活動したようです。Michel Legrand が手掛けたサウンドトラック『Breezy』や Rod Mckuen が手掛けたサウンドトラック『The Borrowers』などで彼女の素敵な声を聴くことができます。そして80年代に入っても、 Livingston Taylor、ジャズの Chick Corea や Tim Weston のアルバム等で彼女の名前がを見つけることができます。
 元祖ウィスパーヴォイス、Shelby Flint はこれからも永遠に僕の心に住み続けることでしょう。

(富田英伸)




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