Deon Jackson

Love Makes The World Go Round

1966-1984 " His Greatest Recordings " Solid Smoke / LP





  優しく響くセレステの調べ。Deon Jackson の落ち着いた心地良いボーカル。1966年の Soft Detroit Soul Classic の銘品「Love Makes The World Go Round 」。当時この曲で心を暖めた人も多かったことでしょう。そのマイルドな歌唱、ロマンティックなメロディーはきっと女性の心をしっかりとつかんだに違いありません。オリジナル・レーベルは Carla 2526 で同年全米チャート11位まで駆け上がりました。
 Deon Jackson は1946年ミシガン州アンアーバー生まれ。高校のコンサートでそのしなやかなボーカル披露していたところをデトロイトのプロデューサー、Ollie McLaughlin に見い出されました。
 当初は Atlantic Records からデビューを果たしましたがヒットには至らず。そこで過去に自分で書き溜めていた曲の中から、「Love Makes The World Go Round」を1966年に Carla からリリース。あっという間にヒット。その後も「Love Takes a Long Time Growing」(1966年)、「Ooh Baby」(1967年)といったシングルをリリースしたのですが、前作のようなヒットには至りませんでした。


  彼を手がけた Ollie McLaughlin というプロデューサーは60年代前半に Atlantic で Barbara Lewis を手がけ、彼女自身が書いた「Hello Stranger」が好成績を記録しました。この Barbara Lewis でのノウハウがこの Deon Jackson の作品でも活かされ、この時代としては充分洗練されたサウンドに仕上がっています。Barbara Lewis の「Hello Stranger」とDeon Jackson の「Love Makes The World Go Round」は今でも大好きなナンバー。こういった Ollie McLaughlin が手がけたサウンドは同じデトロイト、 Motown の Marvin Gaye や Smokey Robinson といったミュージシャンに少なからずとも影響を与えたのではないでしょうか。
 その後、Deon Jackson は レコード業界とは縁遠くなり、Chicago に移り住んでナイトスポット等で弾き語りをやっていたそうです。「Love Makes The World Go Round」のリクエストにちょっとはにかんで、この曲をやってくれたに違いありません。

(富田英伸)




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