Susan Webb

Bye Bye Pretty Baby

1975 " Bye Bye Pretty Baby " Anchor ANCL 2006/LP





 その清楚で美しい声に触れたら、体の中を天使が通り抜けていく様…。
 Susan Webb は Jimmy Webb の妹。僕がその透き通った声に初めて魅せられたのは、 Jimmy Webb の実質的デビュー・アルバムとなった『Words and Music』(1970)の中の「Three Songs」での兄妹の美しいハーモニーを聴いてからのこと。
 Susan Webb が歌う「Let It Be Me」(Everly Brothers) に兄 Jimmy が歌う「Never My Love」(Association、 Addrisi Brothers)、「I Wanna Be Free」(Boyce-Hart) がうまく溶け合っていきます。未聴でしたら是非。Susan の美しい声の虜になること間違いなし。


 Jimmy Webb の他の多くのアルバムにコーラスとして参加していた Susan ですが、1975 年に残した唯一のアルバムがこの『Bye Bye Pretty Baby』。プロデュースとアレンジは Jimmy Webb 。Jimmy の曲は収録されていませんが Susan は3曲程書き下ろしています。「Fingers」と「For You」は私小説的で繊細な曲調や転調といい、Jimmy Webb が書いた曲と間違えてもおかしくない程の素晴らしい出来。Rock 色が強いナンバーも含まれていますが、なんといっても惹かれるのは Susan の透明な声を生かしたコーラス・ハーモニー。そして表題曲、「Bye Bye Pretty Baby」は彼女のためにあるような愛らしい曲。
 その他、Stephen Stills、Jesse Winchester、Joni Mitchell、Fred Tackett の曲を取り上げています。
 バックはJeff Porcaro、Fred Tackett、Jesse Ed Davis、Jimmy Gordon、Albert Lee、 Joe Osborn、Jim Keltner、Jay Graydon といった西海岸のミュージシャンが参加。
 かつて Jimmy Webb 自身もこの Susan を最も信頼しているバック・ボーカリストとしてコメントしていました。Jimmy の最新作『Ten Easy Pieces』にもコーラスとして参加していて今も現役のようです。またJimmy は『Words and Music』(1970)のクレジットの中で、Susan のことをこう可愛く紹介しています。 " スーザン - ストロベリー - バニラ "

(富田英伸)





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