Paul Williams

Out In The Country

1997 " A&M Greatest Hits " A&M POCM-1536/LP





 ベスト盤のレビューなんて邪道かな? でも、もしも彼をあまりよくご存知ない方にも、よーく知ってる方にも絶対のおすすめです。
 1997年に発売されたこのアルバムは Paul 本人の選曲によるもので、'70年代に音楽を聴いて過ごした人ならどれも心にしみ入る曲ばかりです。いや、初めて彼の歌声を聴いた人もきっとなごむと思うなあ。「訥々」っていう言葉がぴったりくる独特なボーカルが、そして多くの人に長く愛される(それってモノスゴイことだと思うんだよね)メロディの数々が、時として乾きがちだったり、ささくれがちなわたしの気持ちに潤いを与えてくれます。「なごみ系」とか「癒し系」という言葉が最近持てはやされているみたいだけど、彼なんか元祖に近いのではないでしょうか?

 思えば小6だか中1の時に、ラジオから聴こえてきた Three Dog Night の「Out In The Country」に一発で KO されて、一体どうやってこの曲をレコード屋で探せばいいんだかわかんなくて、通っていたピアノ教室の1階がレコード屋だったので、仲良しの店員さんに助けてもらったっけなあ。


 Paul 自身が歌うこの曲もすごく素敵なので、ぜひ聴いてください。Three Dog Night には、その後も「Old Fashioned Love Song」、「Family Of M an」などの大ヒット曲を提供しています。
 あとは言わずもがなの Carpenters への楽曲提供が有名ですが、このアルバムにも「We've Only Just Begun」、「Let Me Be The One」(これは必聴!泣けます)、「I Won't Last A Day Without You」、「Rainy Days And Mondays」などなど、珠玉の名作が顔を揃えています。
 詳しい解説は、長門さんのライナーノーツをお読みいただければバッチリです。とにかく味わい深い1枚。彼の大いなるソングライティングの魔法に、あなたもはまってね。

(なかのみどり)




Copyright (c) circustown.net