California Music

Don't Worry Baby

2000 " California Music & Disney Girls " RCA/Equinox Collection
BMG Fun House BVCM31050 / CD





 東の"Private Stock"、西の"Equinox"。私が個人的に最もCD化を望んでいた東西二つのレーベル。そのうちのひとつ、西の"Equinox"の音源を集めた世界初のオフィシャル・コンピレーションが長門芳郎氏の手によってCD化の運びとなりました。
 このコンピレーションには、California Music を始め、Pa Pa Doo Run Run、George Lee、Terry Melcher、Tony martin,Lr.、Bill House、David Cassidy、Jack Jones、Cass Elliot、そして Barry Mann といった人たちの曲が収められています。全てのポップス・ファンにとってこの夏マストのアイテムになること間違いなしと言っても過言ではない、全23曲渾身のコンピレーションです。各アーティストについては上柴とおる氏による詳細なライナーノートにお任せするとして、この中から1曲目に収められている、California Music の「Don't Worry Baby」を取り上げてみたいと思います


 California Music は Equinox にシングルを3枚残していますがその中から5曲全てが収録されました。メンバーは Brian Wilson に代わって The Beach Boys のメンバーとして活動したこともある、Bruce Johnston。彼は作曲家としても有名で、彼自身が Beach Boys 在籍中に歌った、「Disney Girls」は彼の傑作。自らカヴァーした他にも多くのカヴァーがあり、このアルバムにも Papa Doo Run Run、Jack Jones、Cass Elliot のカヴァーが収められています。
また、「I Write The Songs」も Barry Manilow をはじめとして多くのカヴァーを生みだした名曲。そんな彼と David Cassidy のバックで歌っていた Gloria Grinel、Kenny Hinkle を加えた3人組。そしてプロデューサーには盟友 Terry Melcher がたずさわっています。
 この曲「Don't Worry Baby」は言わずと知れた The Beach Boys の名曲。この曲を70年代風にアレンジして、見事に"ウエスト・コースト・サニー・ポップス"に仕立てた彼らの手腕は見事としか言いようがありません。この曲がリリースされた1974年当時 Beach Boys はどん底の時期であり、奇しくも California Music が Beach Boys に代わる新しいウエスト・コースト・サウンドの担い手の役を引き受けていた感があります。
 Equinox 自体は長続きしませんでしたが、今こうしてこのコンピレーションを聴き返してみると、このレーベルの持つ統一感というのをしっかりと感じることができます。どこまでも続くカリフォルニアの青い空のような、溌剌とした正当派ポップス。Equinox はそんなレーベルだったような気がします。


(脇元和征)





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