Garth Brooks

Night Rider's Lament

1992 " The Chase " Liberty 98743/CD





 現代カントリーの巨人 Garth Brooks の曲を紹介しましょう。近年我が国でカントリーロックが評価される慶事がありましたが、その恩恵にあずかったようなあずからないようなのがいわゆるカントリー歌手。この Garth もそう。米国での人気に比べて我が国ではもうひとつ。なんでかな。でもまず聴いて!カントリーとカントリー・ロック、それにアメリカンポップスの中の多くに、共通した魅力を感じると思います。
 Garth Brooks は1962年生まれ。90年代の頭からメガヒット・アルバムを連発し、カントリーのみならず、今のアメリカを代表する歌い手です。彼の魅力はまずはあの黄金の声。時には情緒豊かに、また力強く、鍛えられた喉を披露します。また彼の人間性に言及した文章もよく目にします。社会的な問題や個人的な体験を歌ってもクサくなく、真摯という2文字がよく似合う歌い手です。それにコンサート。一昨年2枚組のライブ・アルバムがリリースされましたが (目下1,300万セットを更新したそう、すごい)、あのシングアウトに身を委ねたいと思うのは私だけではありますまい。Garth は筆者がどうしてもコンサートを見てみたい筆頭の歌手です。まだ日本公演は実現していません。


 彼には優れたアルバムやヒット曲が多いのですが、今日とりあげるのが「Night Rider's Lament」。70年代のカウボーイ・ソングのカバーで、アルバムの中の1曲です。フィドルとギター伴奏のシンプルなワルツに乗って歌うのは流れ者の詩。親友に「どうして」と聞かれても、そして愛する人に去られてさえも、さすらうことを止められない男の歌です。この曲の聞き所が、Trisha Yearwood との美しいデュエット。Trisha は Garth の元から巣立った女性シンガーにして、もはやカントリーの大スター。この2人の声の相性はとても素晴らしく、音楽が何倍にも豊かに、情緒的になります。90年代の Gram Persons と Emmylou Harris とよべるベスト・デュエットであると思います。

「なぜって、君達はオーロラを見たことがあるかい、風を切る鷹を見たことがあるかい?大分水嶺の春を知ってるかい、キャンプの歌を聞いたことがあるかい?」

やつはいかれちまってるのさ、やつだけじゃない、僕も君も、、、みんなさ。

(たかはしかつみ)




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