Barbara Chandler

It's Hurts To Be Sixteen

198X " V.A / Where The Girls Are " MCA-KENT(ACE)/LP





 竹内まりやさんで知られるこの曲、元々は Andrea Carroll 嬢 のヒットによって世に出ましたが、これはそのカバーにあたる Barbara Chandler の「It's Hurts To Be Sixteen」。これはいいです〜!キュートな声にラテン調のシャレたアレンジ。それもそのはず。アレンジにあたったのは、Connie Francis や Neil Sedaka そして、Orpheus を手掛けた優秀なアレンジャー Alan Lorber 。たぶん達郎さんはこのバージョンにインスパイアされて、まりやさんにこれを歌わせたんだと思います。
 この曲が収録されているコンピレーション『Where The Girls Are 』はガール物のコンピレーションLPとしては草分け的存在で、収録されている数々の曲は今まで聴いたことがないもの、レアなもののオンパレード。達郎さんも「サウンド・ストリート」でこのLPを「今年よく聴いたレコード」として紹介していました。僕が60年代ガール・サウンドに熱を入れ始めたのはこのコンピを聴いたのがきっかけ。
 収録されている全16曲の中から気に入っているものをいくつか紹介。


Baby That's Me (J.Nitzche-J.DeShannon) / The Cake
 " Spector Wall of Sound " のイミテーションとして優れた1曲。といっても、アレンジは Phil Spector 組のトップ・アレンジャー、Jack Nitzche その人。曲はその Jack Nitzche と Jackie DeShannon が共作。達郎さんの番組でもオンエアされました。
We'll Start The Party Again (A.Resnick-K.Young) / Benadette Peters
 多くのガール・グループに曲を提供している Kenny Young が書いた作品。Benadette Peters は映画、ミュージカルで活躍した人で、後に Brooks Arthur プロデュースでソロ・アルバムも発表し、そこで Barry Mann の作品等も取り上げています。
Let's Break Up For A While(K.Gamble-J.Ross) / The Sapphires
 The Sapphires は僕の大好きなプロデューサー Jerry Rosss が手掛けた男性2人と女性1人のガール・グループ。Kenny Gamble-Jerry Ross の師弟コンビの初期の作品の中でも最も優れている曲ではないかと思います。海底でゆらめくような浮遊感が気持ちいい〜。
Thank You For Loving Me (Boyce-Hart-Farrell) / The Sapphires
 敏腕プロデューサー Jerry Ross は若い作曲家チームも積極的に登用。後に Monkees の仕事等で花開くTommy Boyce-Bobby Hart チームと The Partridge Family 等で知られるプロデューサー Wes Farrell が組んだ作品。
In His Car (J.Garfield-P.Botkin.Jr) / Robin Ward With The Rainbows
 夏がとっても似合う Robin Ward 。これは The Beach Boys の「In My Room」のアンサー・ソングにあたる曲。これも「Wonderful Summer」に負けず劣らず素晴らしいナンバーでこれも夏の定番。体いっぱいに潮風を感じさせてくれます。
Everything (R.Clark-J.Northern-R.Bailey) / The Orlons
 「The Wah Watusi」のヒットで知られる The Orlons はフィラデルフィアで結成された黒人ガール・グループ。この曲は Young Rascals の「Good Lovin'」で知られる Rudy Clark のペンによるもの。この人も実にいい曲をたくさん残しています。伸びやかで気持ちいいいメロディー・ライン。これがこのCDの中でマイ・ベスト・トラックでした。
 その他、Brian Wilson がプロデュースしたガール・ガレージ・サウンド、 Revolution (B.Wilson-G.Usher) / Rachel & The Revolvers や Kenny Young が作ったガール・ソングの典型、Please Don't Kiss Me Again (K.Young) / The Charmettes 、ボサノバ調が涼しい〜 Our Day Will Come (B.Hilliard-M.Garson) / Ruby & The Romantics 等が収録。
 現在、英ACEでは、この同じ『Where The Girls Are』と題したCDコンピをシリーズ化してリリース中。現在 Vol.2 まで制作されています。

(富田英伸)





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