Shawn Colvin

Sunny Came Home

1998 " A Few Small Repairs " Sony SRCS-8170/CD





 "Mannish"という言葉があります。(初めから余談になりますが、確か2〜3年前にこの名前の J-POP の女性デュエットを歌番組で見た記憶があります。今でも歌っているのかしら?)。さて、辞書をひもとくと、女性が男のようだとか、男っぽく振る舞うという意味です。
 Shawn Colvin を知ったのは遅くて1992年の2枚目のアルバム『Fat City』(Sony SRCS-6572)でした。ジャケットを見ての第一印象がショートカットでスレンダーな容姿から"Mannish"という言葉が出てきたと思います。女性ヴォーカルとしては、鼻声がかった、かすれがちの低い声がより一層そういうことを感じさせたのかもしれません。
 『Fat City』は、Joni Mitchell の元旦那であり、今も彼女の作品でベースとプロデュースをつとめている Larry Klein がプロデュースを担当しているのが聴く一つのきっかけでした。

「Sunny Came Home」は、Shawn Colvin が1998年に発表した4枚目のアルバム『A Few Small Repairs』の1曲目です。


プロデューサーにはこれまでのアルバムでもコンビを組んだ John Leventhal がミュージシャン、作品の共作者としても参加しています。グラミー賞を受賞し(1990年には「Steady On」が別の部門で受賞しています。)、日本でも少しは知名度を上げたのではないでしょうか。アルバムの殆どが彼女と john Leventhal との共作ですが、この曲もそうで、郷愁を誘うようなメロディとカントリー・タッチのマンドリンとギターの揺らぎの中から、彼女のハスキーなヴォーカルが光ります。たばこにマッチの炎がつく SE のエンディングは映画のワン・シーンを見る思いにさせてくれます。
 他に、Glen Campbell の Jim Webb 作品「The Wichita Lineman」にインスパイアされた感じのする(特に間奏のギターの音色)「Wichita Skyline」や歯切れの良いロックン・ロールの「Nothin' On Me」なども魅力のある作品です。
 本作はシンガー、ヴォーカリストとしても独自の色合いを全面に出した佳作です。

(伊東潔)




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