Frankie Valli

Our Day Will Come

1975 " Our Day Will Come " Private Stock PS2006/LP





 いや〜、季節はすっかり春ですね〜。ところで皆さんにとっての春の定番曲ってなんでしょう?僕の場合は、The Dixie Cups の「Chapel Of Love」とか、Gary Lewis & The Playboys の「Green Grass」とか、The Shadows の「Spring Is Nearly Here」とか、そしてもちろん達郎さんの「ドリーミング・ガール」とかが、毎年この時期になると心のベスト・テン上位を独占してしまいます。そしてもう1曲、春にピッタリの名曲として忘れられないのが、Ruby And The Romantics の「Our Day Will Come」。これはもう、ポカポカ陽気の日の散歩には欠かせない名曲といいましょうか、イントロのオルガンの音色や包み込むような優しい歌声なんかが、聴く者をまったりとした心地よい別世界に誘ってくれます。なんせ邦題が「燃える初恋」ですから、これを聴いて新しい恋でも探しに行きましょうか?ってな感じでしょうか(笑)。


 さてさて、この名曲を Frankie Valli も唄っています。75年にリリースされた Private Stock からの通算3作目『Our Day Will Come』のタイトル曲がそれ。このアルバムは、Bob Crewe も Bob Gaudio も Charlie Callelo も参加していないという、Valli にとっては非常に珍しい作品で、かわりにプロデュースを手がけているのは Hank Medress と Dave Appell のコンビ。達郎さんの『サーカス・タウン』のNYサイドにも参加していた Alan Schwartzberg のドラムが全編にわたり心地よく響いていて、いかにも70年代中期のニューヨーク・ディスコ・サウンドといった趣の1枚です。ぐっと落ち着きを増した Valli のヴォーカルも、Four Seasons 時代とはまた違った魅力を放っててグッド。それにしても、Valli の声って、なんともいえない色気というか艶がありますよねぇ〜。
 そんなアルバムの魅力を凝縮しているのが、A面1曲目の「Our Day Will Come」の素晴らしいカヴァーというわけです。これ以外にも、本作には小品ながら佳曲が多く、なかでも Sandy Linzer が曲作りに参加しているバラード調の「Elise」や「Sweet Sensational Love」はオススメです。B面最後を飾る Left Banke の名曲カヴァー「Walk Away Renee」の出来ももちろん最高!

(木村ユタカ)





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