Soul Survivors

Start All Over

1974 " Soul Survivors " TSOP KZ-33186/LP





 くっきりとしたメロディー、力強いボーカルとコーラス。そして Neil Larsen のキーボード・ソロが炸裂!曲は Neil Larsen と Philadelphia International のボス Kenny Gamble の共作で、アレンジには Philly Sound の要となった John Davis。
 このバンド Soul Survivors は、「サウンド・ストリート/Blue-Eyed Soul 特集」で達郎さんから教えてもらった僕の大好きな Blue-Eyed Soul Band 。
 Soul Survivors のデビューは1967年。70年代に Philadelphia International で黄金時代を築くことになる Kenny Gamble - Leon Huff のプロデュースによってデビューした白人グループで、その中心メンバーだったのは、ツイン・ボーカルの Charles Ingui と Richard Ingui というメキシコ系の兄弟でした。 1967年にヒットした「Expressway to Your Heart」 は、プロデューサー・チーム " Gamble-Huff " の出世作となりました。その後、Atoco にもアルバム1枚残して、一時姿を消しましたが、1974年にメンバーを一新して TSOP からアルバムをリリース。プロデュースは恩師の Kenny Gamble - Leon Huff 、そして Soul Survivors 自身があたりました。


 再結成にあたってこのグループに集まったメンバーは以下の通り。まず、オリジナル・メンバーでボーカルの Charles Ingui と Richard Ingui。この2人のボーカルの特長はソウルフル、そしてメキシカンらしく明るく乾いた感じが特長。キーボードには、Neil Larsen 。1972年に Buzzy Feiten と組んで Full Moon を結成。この Full Moon は後年のAOR 、フュージョン・サウンド・シーンのルーツ的な存在でした。その後この2人を中心としたバンド Larsen - Feiton Band を始め、キーボード奏者として数多くのアルバムに参加。このアルバム『Soul Survivors』では6曲程曲を書いていて大活躍!このバンドの中心的役割を果たしています。そしてベースには、Fred Beckmeier、ギターに Steve Beckmeier の Beckmeier 兄弟。Fred Beckmeier は、前述した Full Moon のメンバーでもあった人で、Neil Larsen とは旧知の仲。A面1曲目、「What It Takes」ではリード・ボーカルも担当しています。この Beckmeier 兄弟は後に、Beckmeier Brothers を結成して 1979年にアルバムを1枚リリースしています。そして、ドラムに John Dzubak 、ギターに Mike Ziegler 、パーカッションに Larry Washington というメンバー。
 そして彼らを支えたアレンジャーには、John Davis、Bobby Martin、Lenny Pakula と 煌びやかな Philly Sound を支えたアレンジャー達が全員揃って参加。ストリングスとホーンはもちろん Bobby Martin 率いるところの MFSB が担当。作詞・作曲も Ingui 兄弟に Neil Larsen や Fred Beckmeier 、Steve Beckmeier そして Kenny Gamble が絡んだりとメンバー全員の才能と知恵が結集、どれも素晴らしいチューンばかり。洗練されたサウンドの中にバンドの力強さを感じ取ることができます。
 このメンバー、そしてこのプロダクションでもう1枚残してほしかった〜。
 英WestSide さん、そろそろCDを出していただけないでしょうか?

(富田英伸)





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