2024.02.18 - Cinema Music Composers
My Favorite Things My Favorite Things
Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II Part 2

(1959)

Cinema Music Composers シリーズ
Richard Rodgers & Oscar Hammerstein II の続きです。

Hammerstein II と Richard Rodgers はミュージカル『Oklahoma!』を1943年にブロードウェイ初演となります。その後、多くの優秀なュージカルを作り出すようになります。

1945年にミュージカル『Carousel』(1955年に映画『回転木馬』として映画化)、1945年に映画『STATE FAIR』(STATE FAIR)(1933年の映画『あめりか祭』のリメイク、1961年に再映画化)、1947年にミュージカル『Allegro』、1949年にミュージカル『South Pacific』(1958年に『南太平洋』として映画化)、1951年にミュージカル『The King and I』(1956年に映画『王様と私』として映画化)、1953年にミュージカル『Me and Juliet 』、1955年にミュージカル『Pipe Dream 』、1957年にテレビミュージカル『Cinderella』、1958年にミュージカル『Flower Drum Song』(1961年に映画『フラワー・ドラム・ソング』として映画化)、1959年にミュージカル『The Sound of Music』(1965年に映画『サウンド・オブ・ミュージック』)等をOscar Hammerstein II と Richard Rodgers は作り上げます。

Lorenz Hart と組んでいた時代は、都会的な軽いタッチのミュージカルナンバーが多かったですが、この時代はいずれのミュージカルも Oscar Hammerstein II による骨のあるストーリーラインによって重厚で大作志向です。これらのミュージカルから生まれた楽曲はかつてのような都会的、ジャズ的要素は潜めたものの普遍的で大衆に訴求するメロディを生み出し、その多くが今でも多くの人に愛されています。

Oscar Hammerstein II はミュージカル『The Sound of Music』の制作を最後に1960年に亡くなりました。従ってOscar Hammerstein II は映画版を観ることができませんでした。

Richard Rodgers は1965年の映画『サウンド・オブ・ミュージック』のために2曲程を書き下ろしました。Richard Rodgers は1979年、77才に天に召されました。

今回は2人の代表作となったミュージカル『The King and I』とミュージカル『The Sound of Music』から生まれた楽曲を聴いていきたいと思います。


Getting to Know You(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II) From The King and I(1951) / Gertrude Lawrence(1951)

Getting to Know You(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II) From The King and I(1956) / Deborah Kerr(Dubbed By Marni Nixon)(1956)

1951年にミュージカル『The King and I』で書かれたナンバー。1956年に映画『王様と私』として映画化されました。ブロードウェイ初演時はイギリス出身のミュージカル女優のガートルード・ローレンス(Gertrude Lawrence)が教師アンナを演じました。
1956年に映画『王様と私』として映画化。ガートルード・ローレンスは1952年に亡くなっており、教師アンナ役はデボラ・カー(Deborah Kerr)が演じます。歌声をアテたのが、Marni Nixon でした。Marni Nixon はその後、翌年の『めぐり逢い』(An Affair to Remember、1957)でもデボラ・カーの歌唱吹替を行いました。


Shall We Dance(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II) From "The King and I"(1951) / Gertrude Lawrence and Yul Brynner(1951)

Shall We Dance(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II) From "The King and I"(1956) / Deborah Kerr(Dubbed By Marni Nixon) and Yul Brynner(1956)

同じく、ミュージカル『The King and I』から生まれたナンバーです。ガートルード・ローレンスと1956年の映画でもとシャム王を演じたユル・ブリンナー(Yul Brynner)が歌っています。
1956年の映画版も合わせて。ちなみに1956年の映画『王様と私』は2度目の映画化で、1946年に映画『アンナとシャム王』(ANNA AND THE KING OF SIAM)が作られています。


The Sound of Music(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II)From "THE SOUND OF MUSIC"(1959) / Mary Martin、Theodore Bikel & The Children(1959)

The Sound of Music(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II)From "THE SOUND OF MUSIC"(1965) / Julie Andrews(1965)

1959年のミュージカル『The Sound of Music』の表題曲。1959年ブロードウェイ初演時は、マリア役を Mary Martin が演じました。Rodgers-Hammerstein のミュージカル作品ではミュージカル『SOUTH PACIFIC』に続いての出演となります。そのMary Martin と子ども達、そしてトラップ大佐を演じた Theodore Bikel の歌唱で。
1965年の映画化では冒頭、山々に囲まれた緑の大地の上で空撮によって撮られます。その後にこの "The Sound of Music" をジュリー・アンドリュース(Julie Andrews)が歌います。映画史に残る素晴らしいシーンとなりました。Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II はジュリー・アンドリュースを1957年にテレビミュージカル『Cinderella』で起用したことがあり、彼女の実力を充分理解してのキャスティングだったと思います。


My Favorite Things(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II) From "THE SOUND OF MUSIC"(1965) / Julie Andrews and The Children(1965)

My Favorite Things(Reprise)(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II) From "THE SOUND OF MUSIC"(1965) / Julie Andrews and The Children(1965)

My Favorite Things(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II) / Jack Jones(1964)

ミュージカル『The Sound of Music』から生まれた可愛い素敵なメロディ。
"子猫のおひげ、明るめの銅やかん、暖かいウールのミトン..."、マリアが好きなものが並びます。寝室で雷雨のシーンの最中にマリアが子供たちと一緒に歌います。その後、マリアがトラップ家に帰ってくるシーンで再度登場します。
映画公開前の1964年の Jack Jones のクリスマスアルバム『The Jack Jones Christmas Album』に収録されたバージョンも合わせて。


Sixteen Going On Seventeen(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II) From "THE SOUND OF MUSIC"(1965) / Daniel Truhitte and Charmian Carr(1965)(1964)

Sixteen Going On Seventeen(Reprise)(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II) From "THE SOUND OF MUSIC"(1965) / Julie Andrews and Charmian Carr(1965)

トラップ家の長女リーズルが中心となって歌われるナンバー。1965年の映画『サウンド・オブ・ミュージック』では長女リーズルをシャーミアン・カー(Charmian Carr)が演じました。その素敵な容姿共にとってもキュートな歌声。シャーミアン・カーは将来を嘱望されていましたが、結婚を機に女優を引退。この映画『サウンド・オブ・ミュージック』が殆ど唯一の映画となりました。
この歌はマリアが長女リーズルを応援する形で再度登場します。
シャーミアン・カーのノン・ビブラートな歌い方がいいんですね〜。


Edelweiss(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II) From "THE SOUND OF MUSIC"(1965) / Christopher Plummer(Own Voice) and Charmian Carr(1965、Outtake)

Edelweiss(Reprise)(Richard Rodgers-Oscar Hammerstein II) From "THE SOUND OF MUSIC"(1965) / Christopher Plummer (dubbed by Bill Lee) and Julie Andrews and Children(1965)

アルプスの高所に咲く白い花、エーデルワイスにちなんで名付けられた曲。トラップ大佐中心に歌われます。この"Edelweiss" は1960年に亡くなったOscar Hammerstein II が書いた最期の作品と言われています。
1965年の映画『サウンド・オブ・ミュージック』では Bill Lee が歌アテを行いましたが、これはトラップ大佐役のクリストファー・プラマー(Christopher Plummer)自身が歌ったアウトテイクです。後半、長女リーズル役のシャーミアン・カーとのデュエットになりますが、これも素敵です。
この曲は映画の最終にも歌われます。これは Bill Lee が歌アテを行っていますが、その声を詰まらせ歌えなくなる"声の演技"は素晴らしいです。その後、マリアと子ども達と合唱となります。


* 『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)から1番の胸キュンシーン。



* 映画『サウンド・オブ・ミュージック』で長女リーズルを演じたシャーミアン・カー

* トップ写真は Richard Rodgers と Julie Andrews


(富田英伸)

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