2024.02.04 - Cinema Music Composers
There's a Small Hotel There's a Small Hotel
Richard Rodgers-Lorenz Hart Part 2

(1936)

Cinema Music Composers シリーズ
Richard Rodgers & Lorenz Hart の2回目です。

Richard Rodgers と Lorenz Hart の2人は1935年にハリウッドから再びニューヨーク、ブロードウェイに戻りますが、Lorenz Hart は母親が死亡したことをきっかけにアルコール依存症に陥り、体調を崩します。

1940年代になると Richard Rodgers と Lorenz Hart はミュージカル『Oklahoma!』の計画に取り掛かりますが、Lorenz Hart は作品を書くことができなくなり、パートナーシップを解消せざるを得ない状況に陥ります。そこで Richard Rodgers は 劇作家の Oscar Hammerstein II と組んでミュージカル『Oklahoma!』を作り上げ、1943年ブロードウェイ初演を迎えます。この年に Lorenz Hart は亡くなりました。

1948年の2人の伝記映画『ワーズ&ミュージック』は、Richard Rodgers が Lorenz Hart が出会った所から始まり、Lorenz Hart が亡くなったところでラストを迎えます。

映画にはジーン・ケリー(Gene Kelly)、ジューン・アリソン(June Allyson)、ジュディ・ガーランド(Judy Garland)、レナ・ホーン(Lena Horne)、そして殆ど映画の出演のないペリー・コモ(Perry Como)、シンガーの メル・トーメ(Mel Tormé)などがゲスト出演して、2人が作った名曲を披露しています。まだ女優駆け出しのシド・チャリシー(Cyd Charisse)も出演。

Richard Rodgers を演じたのはトム・ドレイク(Tom Y. Drake)という俳優で、Lorenz Hart を演じたのはミッキー・ルーニー(Mickey Rooney)です。ミッキー・ルーニーがクセのある人物として Lorenz Hart を演じているのですが、素晴らしい演技を見せてくれます。


大好きなこの曲から。

There’s A Small Hotel(Rodgers & Hart) / Hal Kemp & his Orchestra Vocal by Maxine Grey(1936)

There's a Small Hotel(Rodgers & Hart) From "WORDS AND MUSIC" / Betty Garrett(1948)

There's a Small Hotel(Rodgers & Hart) From "PAL JOEY" / Frank Sinatra(1957)

There's a Small Hotel(Rodgers & Hart) / The Hi-Lo's(1962)

この曲はミュージカル『Jumbo』のために書かれた曲でしたが、ボツになり翌年、1936年のミュージカル『On Your Toes』で使われます。1948年の2人の伝記映画『『ワーズ&ミュージック』』ではコメディ女優のベティ・ギャレット(Betty Garrett)が歌いました。とってもいい感じで歌っています。
1957年の映画『夜の豹』(PAL JOEY)では、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)によって歌われました。キム・ノヴァク(Kim Novak)、リタ・ヘイワース(Rita Hayworth)の美女2人も映り込んでいます。
1962年の The Hi-Lo's ‎のアルバム『This Time It's Love』に収録されたバージョンも合わせて。オーケストレーションは Clare Fischer です。ここでは
ちょっとラテン調のアレンジが施されています。


Where Or When(Rodgers & Hart) / Ruby Newman & his Rainbow Room Orchestra、Vocal by Ray Heatherton(1937)

Where Or When(Rodgers & Hart) From "BABES IN ARMS" /Douglas McPhail、Betty Jaynes、Judy Garland(1939)

Where Or When(Rodgers & Hart) / The Singers Unlimited(1981)

1937年のミュージカル『Babes In Arms』のために書かれた曲。同年、Ruby Newman & His Rainbow Room Orchestra が録音、これが最初のレコーディングとされています。
2年後の1939年にこのミュージカルはMGMが映画『青春一座』(BABES IN ARMS)として映画化されます。監督はミュージカル出身のバスビー・バークレイ(Busby Berkeley)。主演はミッキー・ルーニーとジュディ・ガーランド(Judy Garland)のゴールデンコンビです。
1981年の The Singers Unlimited のアルバム『Easy To Love』に収録されたバージョンも合わせて。


My Funny Valentine(Rodgers & Hart) / Hal McIntyre Vacal by Ruth Gaylor(1945)

My Funny Valentine(Rodgers & Hart) / Chet Baker(1954)

My Funny Valentine(Rodgers & Hart) / Chet Baker(Live、1959)

先の楽曲同様、1937年のミュージカル『Babes In Arms』のために書かれた曲です。劇中ではValentine "Val" LaMar という女性に向かって歌われました。1945年に Hal McIntyre の楽団、 Ruth Gaylor の歌唱でヒットし、世に知られるようになります。その後多くのジャズミュージシャンに愛されたナンバーとなります。
今回は1954年にリリースされた Chet Baker のアルバム『Chet Baker Sings』のバージョンを。1959年にトリノで行われたライブの映像が現存していますのでそれも合わせて。


The Lady Is A Tramp(Rodgers & Hart) / Tommy Dorsey Clambake Seven Vocal by Edythe Wright(1937)

The Lady Is A Tramp(Rodgers & Hart) From "WORDS AND MUSIC" / Lena Horne(1948)

The Lady Is A Tramp(Rodgers & Hart) From "PAL JOEY" / Frank Sinatra(1957)

この曲も1937年のミュージカル『Babes In Arms』のために書かれた曲です。同年、Tommy Dorsey の楽団、Clambake Seven が録音しヒットします。
1948年の2人の伝記映画『ワーズ&ミュージック』』では、レナ・ホーン(Lena Horne)がゲスト出演し歌います。
1957年の映画『夜の豹』ではフランク・シナトラによって歌われました。


Falling In Love With Love(Rodgers & Hart) From "THE BOYS FROM SYRACUSE) / Allan Jones(1940)

Falling In Love With Love(Rodgers & Hart) / Julie Andrews(1958)

この曲は1938年のミュージカル『The Boys from Syracuse』で書かれた曲。1940年に映画化されます。その映画で歌ったのは Allan Jones という俳優でした。Allan Jones の息子がシンガーの Jack Jones です。
1958年の Julie Andrews のアルバム『Julie Andrews Sings』から。Irwin Kostal And His Orchestra の演奏です。流れるようなワルツ曲に心地よい声です。


Bewitched, Bothered & Bewildered(Rodgers & Hart) / Benny Goodman、Vocal by Helen Forrest(1941)

Bewitched, Bothered & Bewildered(Rodgers & Hart) From "PAL JOEY" / Rita Hayworth (dubbed by Jo Ann Greer)(1957)

Bewitched, Bothered & Bewildered(Rodgers & Hart) / Jack Jones(TV Show)

1940年のミュージカル『Pal Joey』から誕生したナンバー。翌年、Benny Goodman の楽団がレコーディングしました。歌ったのは、Benny Goodman の楽団の専属の女性ボーカリスト、Helen Forrest。映画『銀嶺セレナーデ』(SUN VALLEY SERENADE)等にも出演したシンガーで、心地よい声をした女性シンガーです。
1957年に映画化された映画『PAL JOEY』では、Rita Hayworth の歌唱シーンで登場します。声をアテたのは Jo Ann Greer というシンガーで、この映画以外にキム・ノヴァク(Kim Novak)やエスター・ウィリアムス(Esther Williams)などの歌唱をアテました。
Jack Jones がこの曲をテレビ―ショーで歌った映像が現存しているので、これも合わせて。


Wait Till You See Her (Rodgers & Hart) / Frank Sinatra(1957)

Wait Till You See Him (Rodgers & Hart) / Nancy Sinatra(1967)

1942年のミュージカル『Jupiter』から誕生した曲。ちょっと切ないナンバー。女性が歌う時はタイトルが "Wait Till You See Him" となる時があります。これも1950年代に入り、様々なジャズシンガーが取り上げ、スタンダードナンバーとなりました。1957年に Frank Sinatra がリリースしたアルバム『Close to You 』から。
1967年に今度は娘の Nancy Sinatra ‎がアルバム『Movin' With Nancy』で取り上げました。そのプロモ映像を。"Him" = 父のFrank Sinatra。を想って歌っています。



* フランク・シナトラ、キム・ノヴァク、リタ・ヘイワース が共演した1957年の映画『夜の豹』(PAL JOEY)



(富田英伸)

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