2023.11.26
Sync Of Summer (Performance 2023) Sync Of Summer (Performance 2023)
山下達郎

(2023)

山下達郎 Performance 2023が終わりました。6月30日/埼玉〜11月6日/沖縄の18都市39公演。 今年は何かと周囲が騒がしかったと思いますが、達郎さん、バンド、スタッフのみなさん、今年もかわらず充実したステージをありがとうございました。

基本的なセットリストは以下の20曲。昨年からの時間抑え気味方針で時間は2時間45分を目安に、2022と比べては曲数を2-3曲絞ってその分ソロ等の演奏に当てた印象を持ちました。もちろん演奏クオリティはなんら変わることのなく。

山下達郎 Performance 2023
1. SPARKLE
2. 雨の女王 (RAIN QUEEN)
3. ドーナツ・ソング
4. 土曜日の恋人
5. SOLID SLIDER
6. FUTARI
7. 潮騒
8. GROOVIN' *
9. BELLA NOTTE
10. HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS
11. クリスマス・イブ
12. 蒼氓
13. ずっと一緒さ
14. SILENT SCREAMER - BOMBER - SILENT SCREAMER
15. LET'S DANCE BABY
xx. 高気圧ガール *
16. CIRCUS TOWN

17. SYNC OF SUMMER
18. RIDE ON TIME
19. 恋のブギ・ウギ・トレイン
xx. LAST STEP **
20. YOUR EYES

* ツアー序盤の数会場でアンコール前に「高気圧ガール」を演奏、その後8曲目「Groovin'」(古希70連発)に差し替え。
** 数会場でオマケ。


今回のツアーで話題の一つは、ギターが鳥山雄司さんへの交代。「SPARKLE」の音色、「ドーナツ・ソング」のスライドギター、「サイレント・スクリーマー」「ボンバー」でのソロなどが印象に残りました。個人的にいい意味で歌謡曲っぽくて好き。

意外な選曲というと「雨の女王」という声が多かったと思います。「潮騒」も弾き語りでなく久しぶりのバンド演奏。RCA/AIR YEARSの記念に聴けてよかった曲たちです。

カバーは「Groovin'」。筆者はツアー初期に観たのでカバーコーナーがなく おや? と思ったのですが、この曲で自らの70歳を祝ったと知りました。

そして新曲「Sync Of Summer」。昨年の「人力飛行機」に続いて、ツアーで新曲お披露目というありがたい贈り物。珍しく達郎さん譜面を見ながらの演奏でしたが、筆者はベー・ドラにバリトンサックスで強化したリズム隊にキュンと来て、その上にサイダーっぽいキラキラリズムが乗せられ、既視感のような感傷的な気持ちにさせられました。ヤマザキマリ氏のジャケットポスターがもらえるということもあり、会場で即購入したのは言うまでもありません。なお「2000の会場で、2-300枚出る」(会報より)とのことで、これはご本人も驚いていました。


ツアーと前後の話題を拾っておきます

《短いインターバル》
Performance 2022が順延もあり2023年の2月末まで続きました。ですので、すぐに始まってしまった本ツアー、ご本人も新しいツアーが始まった感じがしないと話していました。

《客層》
客層も話題となりました。達郎さんは毎回「今日初めて山下達郎を見た人」と挙手させるのですが、去年からその割合が多く、今年は伝聞では半分近くの手があがった回もあった模様です。山下達郎とバンドの演奏は、基本的に客に左右されないものですが、客層の変化からどのような影響があったでしょうかね。東京は元々おとなしいので、新しいお客さんが盛り上げた、という話は聞きませんでした(古参客からは、客がたたなくてつまらないとの感想も)。また、LDBのクラッカーが下手になったという声も聞きました。

《RCA/AIR YEARSのアナログ再発》
ツアーと同期させるかのように、RCA/AIR YEARSのアナログが再発されました。
これらLPの再発はいままでなかった(2002年のボックスを除く)それこそ「全世界が待っていた!」ので、とても話題を集めました。追加プレスもされ、市場に行き渡ったのかなと思いますが、レコード屋の壁に達郎さんのレコードが並ぶのは、見ていて気持ちのいいものです。
5月3日発売 FOR YOU(1982)
6月7日発売 RIDE ON TIME(1980)
7月5日発売 MOONGLOW(1979)/GO AHEAD!(1978)
8月2日発売 SPACY(1977) CIRCUS TOWN(1976)
9月6日発売 IT'S A POPPIN' TIME(1978)/GREATEST HITS!(1982)

《ジャニーズに関する騒動》
ジャニーズの騒動が山下達郎へも及びました。きっかけはツアー初日翌日の7/1の松尾潔氏のソーシャルメディアへの投稿。それはスマイルカンパニーへの批判だったのですが、達郎さんへの言及もありました。ここからSNSだけでなく一般メディアも巻き込んだ、それなりに大きな話題となり、達郎さんの姿勢への批判もありました。そのさらに翌日がツアー2本目の7/2中野サンプラザ最終。筆者は「ハイティーン・ブギ」でも歌ったらどうしようかと余計な心配(汗)をしていましたが、淡々といつものステージだったとのこと。日をおいて、7/9のサンソンで達郎さんからの説明がありましたが、騒動はその後もしばらく続きました。なお達郎さんの騒動とは直接関係ありませんが、その後ジャニーズ事務所はなくなるに至りました。

《中野サンプラザ》
そしてなんといっても中野サンプラザ。1973年の開業から50年の歴史に幕となり、最終が7月2日の山下達郎公演となりました。筆者も達郎さんだけなく外タレでサンプラにはとてもお世話になったクチですが、印象に残るのは達郎さんのサンプラへの悪口というか淡々とした評価。最新の会報でも正直に「好きな会場ではない」と独特のリスペクトとともに語っていました。
なお筆者は、家からも近いので、サンプラ最終にやじうまに行ってしまいました。達郎ファンやサンプラに別れを惜しむ多くの人が会場を囲んでいました。ステージが始まって、どこからか音もれがないかと探ったのですが、あのホールはよくできていてそうは問屋がおろさない。それでもこっちも意地なので、南側の地下通路(ボウリング場におりた先です)を歩いたところ・かすかに・それこそ壁に耳を当てると・聞こえるポイントを発見。たぶん舞台の上手の下部あたり。サンプラにお別れをすることができました。その後まだ明るかったので、警察学校跡地のきれいな公園で、ビールを飲んで帰りました。


(たかはしかつみ)

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