2023.02.23
人力飛行機 (Performance 2022) 人力飛行機 (Performance 2022)
山下達郎

SOFTLY (2022)

山下達郎 Performance 2022 が終わりました。2022年6月11日八王子に始まり、昨日2023年2月22日の仙台まで、全国47+2追加公演。途中、逹瑯さんやメンバーのコロナ感染で2度の延期があり、年をまたいでのツアーになりました。

山下達郎 Performnce 2022 曲目

1. Sparkle (1982) "For You"
2. あまく危険な香り (1982)
3. Recipe (レシピ) (2019) "Softly"
4. 人力飛行機 (2022) "Softly"
5. Music Book (1982) "For You"
6. 僕らの夏の夢 (2009) "Ray of Hope"
7. 君は天然色 (大滝詠一)
8. Paper Doll (1978) "Go Ahead!"
9. シャンプー (1986) "Pocket Music"
** Blue Valentine's Day (大滝詠一) ※1
10. おやすみロージー (1989) "Joy"
11. I Only Have Eyes For You (1986) "On The Street Corner 2"
12. クリスマス・イブ (1983) "Melodies"
13. 蒼氓 (1988) "僕の中の少年"
14. さよなら夏の日 (1991) "Artisan"
15. Bomber (1978) "Go Ahead!"
16. Silent Screamer (1980) "Ride On Time"
17. Let's Dance Baby (1978) "Go Ahead!"
18. ハイティーン・ブギ (近藤真彦)
19. アトムの子 (1991) "Artisan"

E1. The Theme From Big Wave (1984) / パレード (1976) ※2
E2. Ride On Time (1980) "Ride On Time"
E3. いつか (Someday) (1980) "Ride On Time"
** Last Step (1976) "Circus Town" ※3
E4. Your Eyes (1982) "For You"

※1 2/16岩手のみ
※2 ツアー前半 Big Wave、後半パレード、9/16仙台のみ Down Town (1975) を演奏
※3 おまけ(数カ所)

演奏曲はアンコール4曲を含む全23曲。全体の流れはいつものままに「万人向けの優しい選曲」(本人談)をしたもの。時間は初日2時間45分(おまけ込み)で長くならぬように抑えたそう。曲数的には近年比で1曲減でしょうか、演奏力で圧倒する長尺曲をやや抑制してまとめた感じです。それでも3時間近く演ってくれるのですからねー。

2019年以来のツアー。筆者は初日(八王子)を観たのですが「古希近くで3年ぶりは冗談でなくリハビリ」(本人談)というもとてもよく声が出ている。舞台を重ねるにつけ声量もどんどん厚く、さらにはコロナを機にお酒もやめたそうで、声最高状態になってしまったようです。

なお、本ツアーの間には、コーラス抜きのバンドによるサンソン30thスペシャルライブ(12/16)と難波弘之45thライブ@池袋への客演(12/25池袋)がありました。



2022年は、1980年のライド・オン・タイム時に匹敵する 《山下達郎 大ブレイク》 だったのではないでしょうか。6月22日の『SOFTLY』発売前後の達郎さんのメディア露出は目を見張るものがあり(よく対応されたと思います、老人虐待とおっしゃっていましたが)、どこへ行っても達郎さんが積んである状態に筆者はどきどきしました(まあレコード屋と本屋にしか行かないからなのですが)。さらに『関ジャム 完全燃SHOW』の特集の影響が大きかった(本人談)そうで、コンサートの新しいファンの割合もどんどん増えたそうです(場所によっては過半数)。客からすると、コロナ明けのとまどい、初めて山下達郎を観るとまどい、色々あったかと思いますが、Bomberのサハシ煽りで安心して客が立つ、みたいなのも含めて、山下達郎への新たなファンも含めた新たなリスペクトが形成されたと感じました。今回のブレイクはまじで世間的な尊敬対象としての山下達郎像が確立されたと思います。『SOFTY』のジャケット肖像画はそれに大きく貢献しました。



今回のツアーは、アルバム発売直前に開始され、新曲も演奏されました。とくに「人力飛行機」はオンエアもされていない初めて聴く曲、これには静かに興奮しました。「レシピ」と連続して演奏されるこの2曲は、山下達郎が愛するリズムパターンの骨格がよくわかり、歌詞の背後の達郎さんの暖かな視線が伝わるものでした。

Performance 2022は、これからの山下達郎像の誕生を祝うものとなりました。

なお、武道館、どうすかね… 外野のあれこれもいけないとは思いますが。中野サンプラも最後になったようですし。


(たかはしかつみ)

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