2022.12.30
Dirty Shoes Dirty Shoes
Numcha

Bloom (2020)

2022年もあと数日で幕を閉じようとしています。今年もコロナ禍の一年になりました。ただ、サッカーのW杯で日本中が盛り上がった年になりました。

ところで、私の2022年の音楽というと、先のレビューで取り上げた Plastic Plastic で触れたタイのポップ・ミュージックの歌をよく耳にした一年と言えるかもしれません。

そのきっかけを作ったのが女性シンガー・ソングライターの Numcha(日本語表記でナムチャ)でした。タイのバンコク出身、大学では音楽を専攻したそうです。

2019年に "Keep Cold" で配信でデビュー、2020年に "Dirty Shoes"、その後、"Kryptonite"、"Butterfly"、"Ladybug"、台湾のバンドの落日飛車 (Sunset Rollercoaster) の Tseng Kuo Hung とのデュエットのクリスマス・ソングの "Merry Midnight" などをそれぞれ配信リリースしました。

今回リリースしたアルバム "Bloom" は、彼女がいままで配信リリースした前述した曲(新曲の "In My White Dress" を含む)を中心にし、CD化されたものです。私のような配信だけで満足できないファンにとってCDでのリリースは彼女からのファンへのプレゼントのようです。

デビュー曲の "Keep Cold" に続いてリリースされた "Dirty Shoes" は、とりわけリリース当時から今も彼女のキラー・チューンのひとつとして好きな曲です。



導入部の「Go Baby Go」の歌詞からはじまるミディアム・テンポのラブ・ソング。日本のシティ・ポップ、米英のソウル・ミュージック等の影響をふっとした瞬間に感じさせる曲でもあります。彼女の聴く者に穏やかな気持ちを感じさせる歌唱が彼女の音楽の魅力のひとつではないでしょうか。その魅力を感じさせる一曲でもあります。

アルバムのタイトルの "Bloom" ではないですが、彼女のこれから「花開く」ような音楽を耳にする時間を聴く者として共有できたことはファンとしてうれしく思います。2023年も Numcha の歌を聴き続けたいと思います。

(伊東 潔)

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