2022.04.20 - Cinema Music Composers | ||
I'll Be Seeing You
Sammy Fain (1938) |
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(2022年4月10日SSB「リクエスト特集」で、Sammy Fain が書いた Doris Day "Secret Love" がかかりましたので)
Cinema Music Composers シリーズ、
今回は Sammy Fain を取り上げます。
Sammy Fain は1920年代後半から1970年代まで非常に長い期間、職業作曲家として活躍してきた人です。第1回目は主に初期の作品や映画音楽以外に書いてきた作品を取り上げ、第2回目で映画に関わった音楽を聴いていきたいと思います。
Sammy Fain こと Samuel E. Feinberg は1902年、ニューヨーク州ニューヨークで生まれています。1920年代初期は俳優として、短編映画に出演したこともあったそうです。1920年中期頃になると、音楽に専念するようになります。1925年には、Ukulele Ike こと Cliff Edwards などが Sammy Fain が書いた楽曲を取り上げます。
1929年には自身のボーカルで "Wedding Bells" をリリース。共作者の1人が 作詞家、Irving Kahal と言う人でその後、Irving Kahal が1942年に亡くなるまで、共作するようになります。Sammy Fain の書いた曲、"You Brought a New Kind of Love to Me" が映画『チゥインガム行進曲』(THE BIG POND、1930)で採用され、映画の中でフランスのモーリス・シュヴァリエ(Maurice Chevalier)が歌いました。その後、この曲はビング・クロスビー(Bing Crosby)が取り上げ、Sammy Fain は人気作曲家となっていきます。Sammy Fain は作曲し自ら歌うシンガーソングライターでした。若き頃の Sammy Fain が歌唱する短編映画が現存しています。
『Melody Makers "Sammy Fain"』(1931)
1930年代になると、ブロードウェイ・ミュージカルも手掛けるようになり、1938年にミュージカル『Right This Way』から "I'll Be Seeing You" が生まれます。この曲は後に映画のタイトルとなり、1944年の映画『恋の十日間』(I'LL BE SEEING YOU)が制作されます。1937年の映画『ファッション・タイム』(VOGUES OF 1938)の挿入歌、"That Old Feeling" が評判になり、後に多くのシンガーに歌われ、ジャズのスタンダードナンバーになります。
(次回に続く)
Let A Smile Be Your Umbrella(Irving Kahal-Sammy Fain) / Betty Clooney(1950)
Let A Smile Be Your Umbrella(Irving Kahal-Sammy Fain) / Julie Andrews and Gene Kelly(1965,TV)
Sammy Fain が作った初期に作った曲から。1927年に Irving Kahal と組んだ最初の共作曲とのこと。1928年に数名のミュージシャン達がレコードに吹き込みました。雨の歌ですが、その笑顔を傘にしようっていう楽しい歌です。
1950年、Rosemary Clooney の妹、Betty Clooney がテレビショーで歌ったシーンを。
また1965年には著名なミュージカルスター、ジュリー・アンドリュース(Julie Andrews)とジーン・ケリー(Gene Kelly)がテレビショーで歌いました。とっても素敵なダンス、デュエットです。最後はメリー・ポピンズ風の演出で(笑顔)
You Brought A New Kind Of Love To Me(Sammy Fain-Irving Kahal-Pierre Norman) / Sammy Fain(1930)
You Brought a New Kind of Love to Me / Doris Day And The Page Cavanaugh Trio(1952)
1960年の映画『チゥインガム行進曲』(THE BIG POND)で採用された曲、映画の中では、フランスのモーリス・シュヴァリエ(Maurice Chevalier)が歌い、レコードもリリースされました。同年、Sammy Fain 自ら歌いシングルリリースしています。Sammy Fain は元祖、シンガーソングライターでした。
Doris Day が珍しく3人トリオで歌ったバージョンも合わせて。
When I Take My Sugar To Tea(Sammy Fain-Irving Kahal-Pierre Norman) /The Boswell Sisters(1931)
When I Take My Sugar To Tea(Sammy Fain-Irving Kahal-Pierre Norman) / Frank Sinatra(1960)
1931年に作成されたナンバー。その年、この The Boswell Sisters など複数のミュージシャンが取り上げました。このバージョンが Billboard Hot 100 の6位となります。The Boswell Sisters は3人姉妹のグループで、後にこのグループをお手本に The Andrews Sisters が世に出てきます。演奏アレンジは、Tommy と Jimmy の The Dorsey Brothers となっています。
1960年、Frank Sinatra がアルバム『Ring-A-Ding Ding!』で取り上げました。アレンジ、コンダクトは Johnny Mandel です。
I Can Dream, Can't I?(Sammy Fain-Irving Kahal) / The Andrews Sisters(1949)
I Can Dream, Can't I?(Sammy Fain-Irving Kahal) / Carpenters(1975)
1937年にミュージカル『Right This Way』のために書かれた曲で、同年、Harry James などがレコードリリースされました。1949年に The Andrews Sisters が取り上げ、Billboard Hot 100 の1位の大ヒットとなります。演奏は Gordon Jenkins の楽団でした。
1975年、Carpenters がアルバム『Horizon』で取り上げました。ストリングス・アレンジは Billy May が施しています。バックコーラスには Magic Voices シリーズで取り上げた Sue Allen が参加しています。このバックコーラスもとっても素敵です。
That Old Feeling(Sammy Fain- Lew Brown)/ Shep Fields and his Rippling Rhythm Orchestra, vocal by Bob Goday(1937)
That Old Feeling(Sammy Fain- Lew Brown) / Chet Baker(1956)
Sammy Fain の代表曲。1937年の映画『ファッション・タイム』(VOGUES OF 1938)の挿入歌として誕生しました。複数のミュージシャンが取り上げましたが、この Shep Fields のバージョンが一番ヒットしたそうです。
Chet Baker がPacific Jazz Recorda からリリースしたアルバム『Chet Baker Sings』(1956)で取り上げました。これでこの曲の虜になりました。
I'll Be Seeing You(Sammy Fain-Irving Kahal) From "I'LL BE SEEING YOU" / Screen Voice of Louanne Hogan(1944)
I'll Be Seeing You(Sammy Fain-Irving Kahal) / Jo Stafford(1944)
これも Sammy Fain の代表曲です。1938年にミュージカル『Right This Way』から "I'll Be Seeing You" が誕生。この曲は後に映画のタイトルとなり、1944年の映画『恋の十日間』(I'LL BE SEEING YOU)が制作、その1シーンから。その映画が制作された年に Jo Stafford が取り上げました。1959年にはこの曲をタイトルにしたアルバム『I'll Be Seeing You』もリリースしました。
Dear Hearts And Gentle People(Sammy Fain-Bob Hilliard) / Dinah Shore(1949)
Dear Hearts And Gentle People(Sammy Fain-Bob Hilliard) From "BEYOND THE PURPLE HILLS"/ Gene Autry(1950)
1949年に発表された曲。複数のミュージシャンによって録音されましたが、Dinah Shore が歌ったバージョンが Billboard Hot 100 の2位になりました。
1950年の西部劇映画『BEYOND THE PURPLE HILLS』の中で、主演のジーン・オートリー(Gene Autry)が歌いました。それが定着して Jim Reeves や The Springfields などカントリー、フォーク畑のミュージシャンが取り上げるようになります。