2022.03.19 - Cinema Music Composers
		Where Are You Jimmy McHugh (1937)

（NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』（2021））でキーとなる楽曲、"On the Sunny Side of the Street" を書いた Jimmy McHugh について）

Cinema Music Composers シリーズ、
"On the Sunny Side of the Street" を書いた Jimmy McHugh の2回目です。

Jimmy McHugh は1894年にボストンで生まれました。幼少は母親に音楽を習っい、ボストンにあった Irving Berlin の音楽出版会社で、ソング・プラガー＝"楽譜の販売を促進するための実演ピアニスト"の仕事に就きました。1921年にニューヨークに移り住み、本格的に作曲家の道に進み始めます。

ニューヨークで音楽活動を始めた時、無名だった若き女流作詞家、Dorothy Fields と出会います。Dorothy Fields は後に、Jerome Kern、Cy Coleman、Irving Berlin といった作曲家らとも組んで20世紀を代表する女流作詞家となっていきます。

Jimmy McHugh と Dorothy Fields はチームを組んで、ミュージカルレビューやハリウッドミュージカルの為に多くの楽曲を共作して実力をつけていきます。1930年、そのミュージカルレビュー『The International Revue』から、 "On the Sunny Side of the Street" が生まれ、後に Louis Armstrong や The Nat King Cole Trio が録音、多くのシンガー、ジャズマンに愛されました。

1930年代中頃にはハリウッドから声がかかるようになり、映画な挿入歌や主題歌を手掛けました。『青春万歳』（HOORAY FOR LOVE、1935）『年ごろ』（THAT CERTAIN AGE、1938）『黄昏に帰れ』（HOME BEFORE DARK、1958）といった映画に楽曲を提供していきます。
Jimmy McHugh は1969年に亡くなりました。


It's A Most Unusual Day(Finale)（Harold Adamson-Jimmy McHugh） From "A DATE WITH JUDY" / Jane Powell（1948）

It's A Most Unusual Day(Rehearsal) From "A DATE WITH JUDY" / Jane Powell and Elizabeth Taylor (dubbed by Jean McLaren)（1948）

It's A Most Unusual Day（Harold Adamson-Jimmy McHugh） / Andy Williams（1963）

最初に僕の好きな曲から。1948年の映画『スイングの少女』（A DATE WITH JUDY）から2つのシーンを。デビュー仕立てのジェーン・パウエル（Jane Powell）が溌溂と歌っています。前者のリハーサルシーンには、エリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor)が登場、Jean McLaren という女性が色っぽく歌アテしています。
1963年の Andy Williams のアルバム『Days Of Wine And Roses』収録のバージョンも合わせて。溌溂としたアレンジは Robert Mersey によるもの。僕の大好きなバージョン。


Lovely Way To Spend An Evening（Jimmy McHugh-Harold Adamson） From "Higher and Higher" / Frank Sinatra(1943)

Lovely Way To Spend An Evening（Jimmy McHugh-Harold Adamson） / Frank Sinatra（1944）

Lovely Way To Spend An Evening（Jimmy McHugh-Harold Adamson） / Spaniels （1956）

1943年の映画『Higher and Higher』から。主演のフランク・シナトラ（Frank Sinatra）が歌いました。翌年には、The Bobby Tucker Singers をバックにアカペラ仕立てでレコーディング。これがとってもロマンティックでいい感じです。
1956年には、Spaniels が Doo Wop 仕立てのバージョンをリリースしています。それも合わせて。


I Can't Believe That You're in Love with Me（Jimmy McHugh-Clarence Gaskill） From "DETOUR" / Claudia Drake（1945）

I Can't Believe That You're in Love with Me（Jimmy McHugh-Clarence Gaskill） / Jack Jones（1965）

Jimmy McHugh の最初期にあたる1926年に発表された楽曲でこれも多くのシンガー達に取り上げられました。1945年の映画『恐怖のまわり道』（DETOUR）のシーンから。クローディア・ドレイク（Claudia Drake）という女優が歌っています。
1965年の Jack Jones のアルバム『There's Love & There's Love & There's Love』収録のバージョンも合わせて。指揮、アレンジは Nelson Riddle。


Don’t Blame Me（Dorothy Fields-Jimmy McHugh） / Ethel Waters（1933）

Don’t Blame Me（Dorothy Fields-Jimmy McHugh） / Nat King Cole（1948）

Dorothy Fields とのチーム作品になります。『Clowns In Clover』というミュージカルレビューから生まれました。初レコーディングに当たる Ethel Waters の歌唱を。
1948年には、Nat King Cole がシングルリリースし、これがヒット。美しいストリングスコンダクターはGordon Jenkins。


I Just Found Out About Love（Jimmy McHugh-Harold Adamson） / Nat King Cole（1956）

I Just Found Out About Love（Jimmy McHugh-Harold Adamson） / Johnny Mathis（1960）

1956年のレビューショー『Strip For Action』のために書かれた曲で、同年、Nat "King" Cole がこのショーで書かれた曲を4曲、録音しました。作詞は
Harold Adamson。指揮は Nelson Riddle によるもの。溌溂とした曲でとても好きな曲です。
1960年に Johnny Mathis がリリースしたアルバム『The Rhythms And Ballads Of Broadway』収録のバージョンも合わせて。コンダクトは Ralph Burns です。


I'm in the Mood for Love（Jimmy McHugh-Dorothy Fields） From "EVERY NIGHT AT EIGHT" / Frances Langford（1935）

I'm in the Mood for Love（Jimmy McHugh-Dorothy Fields） / Jackie Gleason（1952）

1935年の映画『夜毎八時に』（EVERY NIGHT AT EIGHT）から。出演した女優でシンガーのフランセス・ラングフォード（Frances Langford）が歌いました。
1952年にリリースされた Jackie Gleason のアルバム『Music For Lovers Only』からインストバージョンを。トランペットソロは Bobby Hackett によるもの。


Let's Get Lost（Jimmy McHugh-Frank Loesser） From "Happy Go Lucky"/ Mary Martin（1943）

Let's Get Lost（Jimmy McHugh-Frank Loesser） / Chet Baker（1955）

1943年の映画『Happy Go Lucky』に登場した楽曲で、主演のメアリー・マーティン（Mary Martin）によって歌われました。
1955年のChet Baker のアルバム『Sings And Plays With Bud Shank, Russ Freeman And Strings』のバージョンも合わせて。


Where Are You（Jimmy McHugh-Harold Adamson） / Gertrude Niesen（1937）

Where Are You（Jimmy McHugh-Harold Adamson） / Johnny Mathis（1959）

1937年の映画『Top of the Town』から生まれた楽曲。この映画に出演した Gertrude Niesen によって歌われ、同年にレコードもリリースされました。
1959年、Johnny Mathis のアルバム『Faithfully』からのバージョンも合わせて。こういった流麗なバラードは、Johnny Mathis の声質にぴったりです。アレンジ、コンダクトは Glenn Osser によるもの。

写真 ： 映画『スイングの少女』（A DATE WITH JUDY）（1948）

上記写真 : 女優、マミー・ヴァン・ドーレン（Mamie Van Doren）と Jimmy McHugh