2021.04.24 - Cinema Music Composers
And We Were Lovers And We Were Lovers
Jerry Goldsmith

(1967)

Cinema Music Composers シリーズ
Jerry Goldsmith を取り上げたいと思います。2回に分け取り上げていきます。

Jerry Goldsmith は多くのファンを持つ人気映画作曲家。1950年代から200本を超すテレビの劇判、映画音楽を手掛けたまさに映画音楽の職人でした。オープニングのクレジットに Jerry Goldsmith の名を見つけ、胸躍らせそのまま映画の世界にぐいぐい引き込まれたのは僕だけではないと思います。
まずは Jerry Goldsmith の簡単なプロフィールから。

Jerrald King Goldsmith は1929年、ロサンゼルスで、ルーマニアユダヤ人の家で生まれました。母親が学校の先生ということもあって、6才からピアノを習い始めたそうです。南カリフォルニア大学で音楽を学び、その後、合唱団のピアニスト、指揮者として音楽活動を始めたそうです。

1950年代初めにはテレビやラジオ番組の音楽を担当。1957年の西部劇映画『片目のシェリフ』(Black Patch)が映画音楽のデビューとなります。1960年代は映画音楽と並行して、テレビ映画『0011ナポレオン・ソロ』(The Man from U.N.C.L.E.)のテーマ曲や『トワイライト・ゾーン』(The Twilight Zone)の劇判を手掛けるなど、お茶の間でも知られる作曲家となります。映画音楽の方はその巧みな劇判が重宝され、サスペンス、スリラー、アクションと幅広いジャンルで映画に曲をつけていきます。

Jerry Goldsmith の紡ぎ出す音楽の素晴らしさの1つにその映画における緊迫感やスケール感を表す劇中音楽=劇判にあると思いますが、趣旨に則り、その映画のイメージを表すテーマ曲、主題歌等を中心に聴いていきたいと思います。

次回に続く。

And We Were Lovers From "THE SAND PEBBLES" / Jerry Goldsmith (1967)

And We Were Lovers(Jerry Goldsmith-Leslie Bricusse) / Matt Monro(1967)

1967年公開の映画『砲艦サンパブロ』(THE SAND PEBBLES)から、Love Theme にあたるこの曲を。美しく深い余韻を残すメロディ。同年、イギリスの作詞家、作曲家の Leslie Bricusse が詩をつけ、Shirley Bassey を始めイギリスのシンガー達がこの曲を歌いました。今回は Matt Monro の歌唱で。映画は1920年代の中国、戦争に否応なく巻き込まれるアメリカ水夫達、そしてその恋人達を描き出した作品です。


Main Title From "A PATCH OF BLUE" / Jerry Goldsmith(1966)

A Patch Of Blue: Title Song(Jerry Goldsmith) / Katie Campbell(2019)

1966年公開の映画『いつか見た青い空』(A PATCH OF BLUE)のテーマ曲。物語は盲目の少女と黒人の青年との交流を描いた作品。それに合ったとても繊細なスコアを残しました。今回は2019年リリースの『The Jerry Goldsmith Songbook 』から、Katie Campbell のボーカルバージョンも合わせて。


Main Title From "PLANET OF THE APES" / Jerry Goldsmith(1968)

1968年公開の映画『猿の惑星』(PLANET OF THE APES)からメインテーマ。Jerry Goldsmith の代表曲の1つとなりました。前衛的かつ実験的試みによる音楽が映画全般に響き渡り、娯楽大作ではありますが、あらゆる面で映画に革新をもたらしました。


Main Title From "PATTON" / Jerry Goldsmith(1968)

映画『猿の惑星』の監督、フランクリン・J・シャフナー(Franklin J. Schaffner)の信頼を得て再度、取り組んだ作品、1970年公開映画『パットン大戦車軍団』(PATTON)からメインテーマ曲。この特徴あるテーマ曲で、 Jerry Goldsmith の人気は不動のものとなりました。


Main Theme From"PAPILLON" (1973) / Jerry Goldsmith(1974)

フランクリン・J・シャフナー監督との4度目のタッグ。1974年公開の映画『パピヨン』(PAPILLON)から。哀感薫るこの旋律からは多くのカバーやボーカルバージョンも生まれ、映画音楽の枠を越えて、世界中に愛された曲となりました。


Main Title From "RUDY" / Jerry Goldsmith(1994)

1994年公開の『ルディ/涙のウイニング・ラン』(RUDY)のメインタイトル。映画はあまりヒットしませんでしたが、ファンの間でもとても人気のある曲。美しい弦の響きと共に切なさが染み入る1曲です。


The Piper Dreams From "THE OMEN" / Jerry Goldsmith(1974)

今回の最後の曲はこれを。1974年の映画『オーメン』のサウンドトラックアルバムから。歌っている女性は Jerry Goldsmith の奥様である Carol Heather Goldsmith です。ホラー映画に似つかわしくない美しい曲です。



* 映画『砲艦サンパブロ』(THE SAND PEBBLES)

(富田英伸)

シェアする facebook twitter
Copyright (c) circustown.net