2021.03.15
夕凪 夕凪
さだまさし feat. 村上秀一

帰去来 (1976)

村上秀一、ポンタさんが亡くなりました。予感もなにもなかったので私もショックを受けています。

さだまさしの「夕凪」という曲を紹介します。筆者は中学生の時、何も知らずにこの曲でポンタのドラムを知りました。

「夕凪」はグレープを解散してソロになったさだのデビューアルバムの1曲です。作詩さだまさし、作編曲はさだの長い相棒である渡辺俊幸です。この曲は「さだまさしっぽくなくて」とてもぞくぞくしました。いわゆるじっくり盛り上げ系の曲で、江夏健二の端正なピアノと弦で静かに始まります。さだの夕暮れの浜辺の描写と歌唱も素敵。そこに小原礼のベースが絡んできて、間奏では松原正樹が弾きまくります。その盛り上げを盛大に盛り上げるのがポンタのドラムです。



「夕凪」は本当に好きで、発表から10年経っても、20年経っても(あまり まっさんリスナーとは呼べなくなった)近年でも繰り返し聴いていました。ところが最近(といっても10年前ですが)裏話が、作曲の渡辺俊幸さんの自身のブログで明らかにされてびっくりしました。なんとこの曲のドラムはポンタが後からダビングしたものだというのです、しかもワンテイクでOK。

この曲を録音したものの、渡辺俊幸は仕上がりに満足がいかず、そこで声をかけたのがポンタ。ポンタさんにドラムを抜いた音を聴いてもらい、すぐにそこでかぶせてもらったとこのこと。松原正樹のギターとポンタのギターの絡みは火花散るもので、これがオーバーダブとは全く考えもしませんでした。なお、エンディングのコーラスが山本潤子さんだったことも同ブログで「時効だから」と明らかにされています(契約関係でノンクレジットだったそうですが、聞けば確かにそうだそうだ)。渡辺は赤い鳥のドラマーをポンタから引き継いでいました。この録音時に解散してはいましたが、赤い鳥がさだまさしをサポートしていたなんて。

夕凪 / さだまさし (1976) 『帰去来』収録
作詩:さだまさし、作曲編曲:渡辺俊幸
ストリングス・アレンジ:服部克久
ドラム:村上秀一
ピアノ:江夏健二(ウォン・ウィンツァン)
ベース:小原礼
ギター:松原正樹

ポンタ25歳、さだまさし24歳時の名演です。
ポンタのドラムに永くお世話になり心より感謝しています。


渡辺俊幸オフィシャルブログ 『夕凪』について

(たかはしかつみ)

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