2021.02.12 - Radio Program
A Fine, Fine Boy A Fine, Fine Boy
Darlene Love

Go!Go!Niagara Phil Spector 特集 (1963)

Phil Spector が亡くなりました。大滝詠一のゴー・ゴー・ナイアガラを通してスペクターサウンドを振り返る第3弾、Bob B. Soxx & Blue Jeans と Darlene Love の特集です。

ゴー・ゴー・ナイアガラ第83回 クリスタルズ特集
ゴーゴーナイアガラデータベース

Bob B. Soxx & Blue Jeans のシングルは3曲でした。たった3曲でしたが、どれも後世に残るヒット曲でした。

Zip-A-Dee Doo-Dah - Philles 107
Why Do Lovers Break Each Other's Heart - Philles 110
Not Too Young To Get Married - Philles 113

Bob B. Soxx & Blue Jeans のフロントマンはボブでしたが、声の中心はダーレンラブでした。ダーレンラブは(クリスタルズの時とは違って)正式なメンバー3人のうちの一人でした。ダーレンラブはグループとしての活躍の後、さらに入れ替わるように、シングルを4枚を発表します。

(Today I Met) The Boy I'm Gonna Marry - Philles 111
Wait 'Til My Bobby Gets Home Love - Philles 114
A Fine, Fine Boy - Philles 117
Christmas (Baby Please Come Home) - Philles 119

この放送では Bob B. Soxx とダーレンラブのシングル全曲(クリスマスアルバムからのシングルカットである「クリスマス」を除く)に、当時お蔵入りだった曲と関連曲を交えた14曲がオンエアされました。

  1. Zip-A-Dee Doo-Dah (Gilbert-Wrubel) / Bob B. Soxx & Blue Jeans (1962) - Philles 107
  2. Why Do Lovers Break Each Other's Heart (Greenwich-Powers-Spector) / Bob B. Soxx & Blue Jeans (1963) - Philles 110
  3. Shoo Doo Be Doo / Bobby Lester & The Moonlighters (1954)
  4. Why Do Fools Fall In Love / Frankie Lymon & The Teenagers (1956)

ファーストシングルとセカンドを続けて。セカンド "Why Do Lovers Break Each Other's Heart" に関しては、コーラス「シュビデゥビドゥ」の元となった M3 と、全体のモチーフとなった M4 も紹介されました。ちなみに "Why Do Lovers.." のB面は、ゴーゴーナイアガラのテーマ曲である "Dr. Kaplan's Office" でした。

  1. Dear (Here Comes My Baby) / Bob B. Soxx & Blue Jeans (1963) アルバム曲

この曲はアルバム収録のものでした。
イーチは「Bob B. Soxx & Blue Jeans はダーレンラブのために寄せ集めたようなグループで、でっち上げたようなもの。ダーレンラブは、ほとんどのフィレスのバックボーカルを歌っていて一番うまい」と番組で語っています。

  1. Not Too Young To Get Married (Greenwich-Barry-Spector) / Bob B. Soxx & Blue Jeans (1963) - Philles 113
  2. Not Too Young To Get Married / The Raindrops (1963)

イーチが「一番傑作」という3枚目のシングル。「順位は落ち目でこれっきりシングルがでなくなった」となかなか残念なお話と一緒に。

  1. (Today I Met) The Boy I'm Gonna Marry (Greenwich-Powers-Spector) / Darlen Love (1963) - Philles 111

グループ3枚目のシングルの前に、スペクターはダーレンラブのシングルをリリースします。
「途中でほっぽり出して、ダーレンラブにかける。ダーレンラブをギンギンに売って行こうということになります」。

  1. Wait 'Til My Bobby Gets Home (Greenwich-Barry-Spector) / Darlene Love (1963) - Philles 114
  2. A Fine, Fine Boy (Greenwich-Barry-Spector) / Darlene Love (1963) - Philles 117

M9, M10 はダーレンラブの2枚目、3枚目のシングル。非常にいい曲です。この後、クリスマスアルバムからのシングルカットである "Christmas (Baby Please Come Home)" を4枚目としてリリースします。

  1. Stumble And Fall (Anders-Poncia-Spector) / Darlene Love (1964) - (Philles 123) 当時お蔵入り

"Stumble And Fall" は当初シングルリリースが決まっており Philles 123 としてプロモ盤までプレスされましたが、123 はロネッツの "Walking In The Rain" に差し替えられて、 "Stumble And Fall" は「アンダースポンシアの最高傑作」(イーチ)ながらお蔵入りに。

  1. Johnny (Baby Please Come Home) (1963) / Darlene Love (1963) 当時お蔵入り
  2. Run Run Run Runaway / Darlene Love (1965) 当時お蔵入り
  3. A Long Way To Be Happy / Darlene Love (1965) 当時お蔵入り


"Johnny" は "Christmas (Baby Please Come Home)" の歌詞違いなので、当時未発表は仕方がないとして、M13 M14 は非常にもったいないお蔵入りでした。イーチは「感情のもつれ」があったのでしょうかと冗談めかした想像を巡らせていました。フィルスペクターはダーレンラブからロニースペクターへ、まるで乗り換えるように転換していったのは、リリースされた音源から確かにわかることでした。

ダーレンラブは、クリスタルズのシャドウとして、さらに Bob B. Soxx のリードヴォーカルとして、その歌唱力を遺憾なく発揮し、フィレスの明るさと輝きを代表したのでありました。


その1:The Ronettes
その2:The Crystals

(たかはしかつみ)

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