2020.12.07 - Cinema Music Composers
Tammy Tammy
Jay Livingston

(1957)

(2020年12月6日SSB「疫病退散!年忘れリクエスト大会」で、Sam Cooke "Tammy" がかかりました。Cinema Music Composers シリーズ2019年8月22日分をアップグレードして再アップします。)

Cinema Music Composers シリーズ
今回は Jay Livingston を取り上げます。

作曲家、Jay Livingston は1930年代から活躍し、作詞家 Ray Evans とのチームで映画やテレビの主題歌を中心に書いてきた人です。これまでアカデミー賞最優秀ベストソング賞を3度受賞しました。

Jay Livingston は1915年、ペンシルベニア州マクドナルド生まれ。2001年に亡くなっています。ペンシルベニア大学時代にダンスバンドを結成、そこで Ray Evans と知り合ったそうです。1937年、2人はニューヨークは移り住み、音楽作家の道を目指します。そこでいくつかブロードウェイのミュージカルのために楽曲を作成、実績を積み上げていきます。

1944年に作詞家 Johnny Mercer の勧めもあって、西海岸ロサンゼルス、ハリウッドへ移住、パラマウント映画と契約します。1946年、Tony Martin らに書いた "To Each His Own" がヒットとなります。この曲は後に The Platters や Sam Cooke が歌いスタンダード・ナンバーとなります。

1948年公開の映画『腰抜け二挺拳銃』(原題:THE PALEFACE)の主題歌 "Buttons and Bows" がアカデミー賞最優秀ベストソング賞を受賞、続いて、1950年公開の映画『別働隊』(原題:CAPTAIN CAREY, U.S.A.)で歌われた
"Mona Lisa" も同賞を受賞。同年、Nat King Cole が歌い、Billboard シングルチャート8週間、1位となり、Nat King Cole の代表曲となります。

同じ、1950年にクリスマステレビドラマ用に書いた "Silver Bells" が後に Bing Crosby らが歌い、クリスマスのスタンダードナンバーになりました。

1956年公開の映画『知りすぎていた男』(原題:THE MAN WHO KNEW TOO MUCH)に書いた、"Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)"は、映画に出演した Doris Day が歌い、3度目のアカデミー賞最優秀ベストソング賞を受賞しました。


Mona Lisa From "Captain Carey U.S.A."(Livingston-Evans) / Nat King Cole(1950)

Nat King Cole の代表曲といっていい程多くの人に愛された曲です。映画『別働隊』(原題:Captain Carey U.S.A.、1950)公開年に Les Baxter and his Orchestra の演奏をバックに吹き込まれました。アカデミー賞最優秀ベストソング賞を受賞しましたが、映画に登場したシーンは1分程度、たったこれだけでした。Mona Lisa from From "Captain Carey U.S.A."(1950)


Tammy(Livingston-Evans) From "Tammy and the Bachelor"/ Debbie Reynolds(1957)

『雨に唄えば』(原題:SINGIN' IN THE RAIN、1952)で抜擢されたデビー・レイノルズ(Debbie Reynolds)の主演の映画『Tammy and the Bachelor』(1957)から。映画は現在殆ど観ることができませんが、この主題曲は世界的なヒットとなりました。1956年に娘、キャリー・フィッシャー(Carrie Fisher)が生まれているので、この映画公開時は子育て真っ最中のお母さんです。


This Happy Feeling(Livingston-Evans) From "THIS HAPPY FEELING"/ Debbie Reynolds(1958)

デビー・レイノルズが続いて出演したコメディ映画『年頃ですモノ!』(原題:THIS HAPPY FEELING、1958)の主題歌。これもワルツ調のとっても可愛い曲。


Silver Bells(Livingston-Evans) / Bing Crosby And Carol Richards(1950)

Livingston-Evans の代表曲であるクリスマスソング、Silver Bells。Bing Crosby が歌ったものでもいくつかのバージョンはありますが、1950年リリースの 女優、歌手の Carol Richards とのデュエットを。1955年リリース、後に大ベストセラーとなったアルバム『Merry Christmas』に収録されました。


It's Never Quite The Same (Livingston-Evans) / Jo Stafford(1958)

"It's Never Quite The Same" もミュージカル『Oh, Captain!』から生まれています。Jo Stafford の歌唱で聴いてみます。オーケストレーションは Jo Stafford の夫の Paul Weston。Jo Stafford の殆どビブラートしないスムーズなボーカルがなんとも心地よいです。


Life Does a Man a Favor(Livingston-Evans) / Vic Damone(1958)

1958年に Livingston-Evans が手掛けたミュージカル『Oh, Captain!』からの曲。同年、Percy Faith & His Orchestra をバックにイギリス出身の歌手、Vic Damone が歌いました。殆ど知られていない曲ですが、とってもきれいなメロディラインをしています。


Almost in Your Arms(Livingston-Evans) From "HOUSEBOAT" / Sophia Loren(1958)

映画『月夜の出来事』(原題:HOUSEBOAT、1958)からのナンバーを。歌っているのはこの映画の主演した女優、ソフィア・ローレン(Sophia Loren)。歌もとってもうまいです。オーケストラは Frank de Vol が担当しました。


Que Sera Sera(Livingston-Evans) from "The Man Who Knew Too Much"(Livingston-Evans) / Doris Day(1956)

1956年公開の映画『知りすぎていた男』から有名すぎるこの曲を。2019年3月13日に亡くなった ドリス・デイ(Doris Day)の姿と一緒に。


最後に The Four Freshmen のナンバーを。この曲は The Four Freshmen のアルバム『Freshmen Favorites』のラストに収録されている曲。The Four Freshmen の歌っている曲の中でも最も好きな曲です。Livingston-Evans が書いているので、何かの映画の主題歌で、それを The Four Freshmen が取り上げたものだとずっと思っていました。最近、それを調べ直してみて、1954年の映画『テキサスの白いバラ』(LUCY GALLANT)というチャールトン・ヘストン(Charlton Heston)主演の映画のテーマ曲になっているのがわかりました。この映画を観てみたんですが、映画の中でこの曲がなんと The Four Freshmen の歌声で聴こえてきました。映画のクレジットには The Four Freshmen の記載はありませんが、この曲のオリジナルが The Four Freshmen だということが判明。とてもうれしい発見でした〜(笑顔)。

How Can I Tell Her(Livingston-Evans) From "LUCY GALLANT" / The Four Freshmen(1956)

映画『テキサスの白いバラ』(LUCY GALLANT、1954)から、Four Freshmen の歌声が流れるシーン


*アルバム『Freshmen Favorites』(1956)
(富田英伸)

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