2020.07.08 - Songwriter
The Visit (She was Here) The Visit (She was Here)
Bodie Chandler

(1967)

(2020年7月7日SSB「初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画」で、"The Visit" がかかったので(まさかここでかかるとはびっくり!))


Songwriterシリーズ
今回は Bodie Chandler を取り上げます。

Bodie Chandler は過去、Barry DeVorzon-Bodie Chandler の第1回目第2回目、そして、Shelby Flint の1回目でも触れてきましたが、もう一度ここでまとめて取り上げていきたいと思います。


Bodie Chandler の名前がクレジットに挙がってくるのが1961年辺りで、Shelby Flint に "It Really Wouldn't Matter"、そして、Barry DeVorzon との共作曲で、"Little Dancing Doll" を提供しています。

1962年にはThe Teddy Bears のメンバーだった Annette Kleinbard が Carol Connors 名義でレコーディングした "Tommy Go Away"、"I Wanna Know" といった楽曲を提供しています

1960年、ニューヨーク生まれの音楽プロデューサー、Barry DeVorzon は西海岸に Valiant Records を設立します。そこの第1弾シングル・リリースが、Shelby Flint 自身のペンによる "Angel On My Shoulder" です。

Barry DeVorzon は1963年に自身のグループ、3人組のボーカル・グループの Barry and the Tamerlanes を結成。Barry and the Tamerlanes に Bodie Chandler が加入します。Bodie Chandler は作曲にも優れており、Barry DeVorzon と共作を開始、Valiant Records からリリースする多くの楽曲を書くようになります。The Cascades のヒット曲、"The Last Leaf" は Bodie Chandler 単独のクレジットです。

Valiant Records からリリースされた殆どの楽曲のアレンジを担当したのが、旧知の仲である、Perry Botkin Jr.、そして Bodie Chandlerが行いました。Don and Dick Addrisi 兄弟の The Addrisi Brothers の初期の曲のアレンジも、Bodie Chandler が行いました。

Barry and the Tamerlanes を解散後、Edward McKendry という人とチームを作り、職業作曲家を目指していきます。

Barry DeVorzon との共作を含め、Bodie Chandler が書いた曲を聴いていきます。今回は、Barry and the Tamerlanes 以外の楽曲を中心に。


Little Dancing Doll(Bodie Chandler-Barry DeVorzon) / Shelby Flint(1961)

Shelby Flint の4枚目のシングル "Little Dancing Doll"。Barry and the Tamerlanes を結成前に書かれた曲で、Bodie Chandler と Barry DeVorzon の共作曲です。Shelby Flint のボーカルにぴったりの可愛らしい楽曲です。


It Really Wouldn't Matter(Bodie Chandler) / Shelby Flint(1961)

先のシングル "Little Dancing Doll"。のB面に収録されていたナンバー。Bodie Chandler の単独クレジットです。1961年制作とはまったく思えない憂いを持ったメロディーでずっと聴いても飽きることはありません。Perry Botkin Jr. のオーケストレーションも素晴らしいです。


Keep It Up(Bodie Chandler-Barry DeVorzon) / Bob Conrad(1962)

1962年には、テレビシリーズ『ハワイアン・アイ』(Hawaiian Eye)に出演した俳優、Bob Conrad に楽曲提供しています。Warner Bros. Records からリリース。アレンジは ‎Perry Botkin Jr. で、Valiant Records のスタッフで占められています。とても溌溂とした明るい曲です。


I'm Gonna Forget You(Bodie Chandler-Barry DeVorzon) / The Tiaras(1962)

Valiant Records が送り出したガールグループ、The Tiaras。2枚程シングルをリリースしています。ガールグループもののお手本のようなサウンド。これも アレンジは ‎Perry Botkin Jr. です。


I'm Sorry I Went(Bodie Chandler-Barry DeVorzon) / Cannon Sisters(1962)

The Tiaras 同様、Valiant Records からリリースしたガールグループ、 The Cannon Sisters ‎。これまでと同様に、Bodie Chandler-Barry DeVorzon チームに Perry Botkin Jr. のアレンジです。録音は Gold Star Studios なのに Valiant Records が手掛けるとガールグループも音も歪まず、どこか落ち着いた感じがします。


Halfway(Bodie Chandler-Barry DeVorzon) / Eddie Hodges(1963)

Halfway(Bodie Chandler-Barry DeVorzon) / Bruce & Terry(1963)

ティーンアイドルの Eddie Hodges に提供した楽曲。プロデュースは Terry Melcher で、アレンジは Jack Nitzsche が担当しました。当時、未発表でしたが、Bruce Johnston と Terry Melcher によるサーフ・デュオも取り上げました。


On A Day Like Today (Bodie Chandler-Edward McKendry) / Lesley Gore (1967)

Barry and the Tamerlanes を解散後、Edward McKendry という人とチームを組んだ頃の作品、Lesley Gore に提供した曲です。Bodie Chandler は Valiant Record 時代には見られない複雑な曲を書くようになっています。有名な Barry De Vorzon の影に隠れている Bodie Chandler ですが、とても作曲才能が高い人だということがわかります。アレンジは Al Capps。プロデュースは Steve Douglas。


Glad She's A Woman (Bodie Chandler) / Bobby Goldsboro (1969)

Bodie Chandler 単独クレジット作品。Valiant Record 時代を引き継いだ曲調と世界観。美しいバラードです。Johnny Maestro & The Brooklyn Bridge もこの曲を取り上げています。


Caroline(Bodie Chandler) / The Brooklyn Bridge(1969)

Johnny Maestro 率いる The Brooklyn Bridge に提供したナンバー。1969年のアルバム『The Second Brooklyn Bridge』に収録されました。プロデュースは Wes Farrell が担当。The Brooklyn Bridge らしくスケールが大きなナンバーです。


Love is Not Everything((Bodie Chandler-Edward McKendry) / The Looking Glass (1967)

1967年、Bodie Chandler は Don Gallese という人と共同で、女性2人、男性1のグループ、The Looking Glass というグループをプロデュースしました。Warner Bros. Records からシングルをリリース。‎アレンジも Bodie Chandler です。繊細なコーラスが美しい1曲。


It Might As Well Stay Monday(Bodie Chandler) / Cher(1972)

月曜はブルーな日(Bodie Chandler) / 赤い鳥(1973)

1970年代に入ってからの作品です。Cher の1972年のアルバム『Foxy Lady』に収録。Snuff Garrett がプロデューサーに就きました。後にテレビ番組『ワンダーウーマン』(Wonder Woman)で知られる、Lynda Carter、そして、Maureen McGovern も取り上げました。日本国内では、1973年に赤い鳥がアルバム『美しい星』で取り上げています。


The Visit (She was Here)(Bodie Chandler-Edward McKendry) / The Cyrkle(1967)

The Cyrkle に提供した隠れた名曲でしたが、その後、多くの人がこの曲が持っている独特な雰囲気に魅せられたと思います。アルバムでは『Neon』に収録。プロデュースは John Simon。


* 写真は、Barry and the Tamerlanes。左から、Barry DeVorzon、Bodie Chandler(ピアノ)、Terry Smith。

(富田英伸)

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