2020.06.26 - Songwriter
Have You Never Been Mellow Have You Never Been Mellow
John Farrar

(1975)

Songwriterシリーズ
今回はオーストラリア出身のソングライター、John Farrar を取り上げます。

John Farrar は1945年、オーストラリアのメルボルン生まれ。10代の頃は兄弟と一緒にバンドを組んでギターを弾いていたそうです。いくつかのバンドを経て、1964年にオーストラリア内では名の知れたグループ、The Strangers にギターリストとして参加します。このグループは元々、イギリスの The Shadows のようなインストルメンタル・バンドでしたが、John Farrar が加入してからは、ボーカル入りの楽曲も演奏するようになります。

The Strangers は演奏力が長けていたため、1964年、オーストラリアのテレビ音楽番組『The Go!! Show』のバック演奏を担当するようになります。この音楽番組に出演したのが、女性ボーカルデュオの Pat and Olivia でした。Pat こと Pat Carroll はソロシングルもリリースしていたシンガーで、1970年代は Cliff Richard の日本公演の時も来日して一緒に歌っています。一方の Olivia は 後の Olivia Newton John です。

ここで、1960年代、Pat and Olivia のオーストラリア時代にテレビに出演した模様を観てみましょう。

Olivia Newton-John & Pat Carroll on HSV 7 Time for Terry

The Strangers と Pat and Olivia は1967年に Olivia の母国でもあるイギリスツアーを行います。それが縁となって1969年に John Farrar と Pat Carroll は結婚します。

イギリスツアーでは、The Strangers の演奏力が高く評価され、John Farrar は憧れでもある歴史あるイギリスのバンド The Shadows の元メンバーの Hank Marvin、Bruce Welch から声がかかり、1970年に Marvin, Welch & Farrar を結成、John Farrar は活動の拠点をイギリスに移します。インストグループ、The Shadows とは違い、美しいボーカル・ハーモニーが特徴のグループでした。

Olivia Newton John は母国であるイギリスで、1966年に Jackie DeShannon のカバー曲、"Till You Say You'll Be Mine" で既にシングルリリースしていました。1970年にはアメリカの音楽プロデューサー、Don Kirshner の誘いで、SF要素のあるアメリカ映画『Toomorrow』に出演、Toomorrow というグループ名でもシングルをリリース。しかし興行的には芳しくなく、Olivia はイギリスに戻ってきます。

Olivia の心の友である Pat Carroll、そしてその夫の John Farrar が手を差し伸べ、Olivia Newton John の再デビューを計画します。1971年のデビューアルバム『If Not for You』は、Marvin, Welch & Farrar の Bruce Welch と John Farrar がプロデュースを担当しました。このアルバムは John Farrar の母国、Olivia が育ったオーストラリア内ではヒットとなり、プラチナレコードに輝きます。その頃、Olivia Newton John と Bruce Welch は婚約していたそうです。この体制で、1974年までに約4枚のアルバムをリリース。アルバムに取り上げられた楽曲は既存のカバー曲が中心で、サウンドはカントリーミュージックを基調としたものでした。

1975年に John Farrar が単独でプロデュースしたアルバム『Have You Never Been Mellow』が Billboard 200 albums chart の1位、John Farrar が書き、シングルカットされた "Have You Never Been Mellow" が Billboard Hot 100 singles の1位の大ヒットとなり、Olivia Newton John は世界的スターとなっていきます。John Farrar は1989年頃まで Olivia Newton John をプロデューサーとして支えました。

Olivia Newton John のプロデュースと並行して、John Farrar 自身もミュージシャンとして、Hank Marvin & John Farrar 名義でシングルを2枚、アルバム1枚リリース。1973年から1977年まで、ギターリストとして、The Shadows に正式加入して活躍。1980年にはソロアルバム『John Farrar』をリリースしました。


Take The Time (John Farrar) / The Strangers (1968)

1968年、The Strangers のシングルを映像付きで。リードボーカルは John Farrar。同年リリースされたアルバム『The Strangers』は本曲を除き、アメリカ、
イギリスのミュージシャンのカバー曲で占められています。


Lady Of The Morning (Marvin-Welch-Farrar) / Marvin, Welch & Farrar (1971)

John Farrar がイギリスに渡ってからの作品。Hank Marvin、Bruce Welch は The Shadows 結成の時代からのオリジナルメンバーです。特に Bruce Welch は Cliff Richard に "Summer Holiday" など多くの楽曲を提供、Cliff Richard の人気を支えました。この曲のリードボーカルは Hank Marvin が執っています。John Farrar の優しいファルセットを生かしたハーモニーが美しいグループです。左から、John Farrar、Hank Marvin、Bruce Welch。


Thank Heavens I've Got You (John Farrar-Peter Best) / Marvin,Welch & Farrar (1971)

Thank Heavens I've Got You (John Farrar-Peter Best) / Cilla Black (1973)

続いて、Marvin,Welch & Farrar の楽曲を。1971年リリースのアルバム『Second Opinion』から。この曲は John Farrar が中心となって作成されたナンバーで、共作者の Peter Best とは Olivia Newton John のアルバムでも共作しています。リードボーカルも John Farrar が歌っています。John Farrar の繊細な感じが現れています。1973年に Cilla Black がこの曲を取り上げました。それも合わせて。


Music Makes My Day (John Farrar) / Olivia Newton-John (1973)

Music Makes My Day / Hank Marvin & John Farrar (1974)

1973年、Olivia Newton-John のアルバム『Music Makes My Day 』に提供した楽曲。このアルバムには Olivia Newton-John のオーストラリア時代からの友人で John Farrar の奥さんの Pat Carroll もバックボーカルで参加しています。翌年の Hank Marvin & John Farrar のデュオの演奏(画像が途中で切れています)も合わせて。


Don't Ask Me (John Farrar-Mick Flinn) / Springfield Revival (1974)

同時代、John Farrar は Olivia Newton-John だけでなく、他のグループのプロデュースも行っていました。1974年にリリースされた Springfield Revival のシングルから。Springfield Revival は女性1人、男性2人のグループで、共作者でメンバーの Mick Flinn という人は後に The New Seekers のメンバーになります。


Have You Never Been Mellow (John Farrar) / Olivia Newton-John (1975)

Have You Never Been Mellow (John Farrar) / Olivia Newton-John (1976、Japan Live)


1975年リリースの Olivia Newton-John のシングル。Billboard Hot 100 singles の1位となり、アメリカのみならず、世界中に Olivia Newton-John の名前が知れ渡ります。Olivia Newton-John の声質に合わせた、優しいメロディ。翌年に来日した模様(音質、画像悪し)も合わせて。Olivia Newton-John はこの歌う前に、John Farrar を観客に紹介しています。


Sam (Don Black-Hank Marvin-John Farrar) / Olivia Newton-John (1976)

Olivia Newton-John "Sam" - Live TV Performance (1977)

1976年にリリースしたアルバム『Don't Stop Believin'』に収録されたナンバー。Hank Marvin-John Farrar コンビにイギリスの作詞家、Don Black が参加しています。切ない曲調で、とても好きな曲です。


Hopelessly Devoted to You (John Farrar) / Olivia Newton-John (1978)

1978年に Olivia Newton-John はアメリカのミュージカル映画『GREASE』に出演します。『GREASE』は元々、1971年にシカゴで初演となったミュージカルですが、この映画もこのミュージカルを元に音楽は構成されていますが、Olivia Newton-John の出演シーンの音楽の2曲は、John Farrar が新たに書下ろしました。


Whenever You're Away From Me (John Farrar) / Gene Kelly and Olivia Newton John (1980)

『GREASE』に続いて、1980年に出演したミュージカル映画『Xanadu』から。サウンドトラック盤は ONJ Side = John Farrar、ELO Side = Jeff Lynne とプロデュースを分け合って制作されました。John Farrar は往年のミュージカルスター、Gene Kelly を迎えて、MGMミュージカルを意識した楽曲に挑戦しています。Gene Kelly にとってもこの作品が最後のミュージカル出演となりました。


Reckless (John Farrar) / John Farrar (1980)

John Farrar が1980年にリリースしたソロアルバム『John Farrar』から。アメリカで録音され、当時のAOR のサウンドを意識した音作りとなっています。ここでも柔らかい優しいボーカルを聴くことができます。


(富田英伸)

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