2020.01.27
The Sun Ain't Gonna Shine Anymore The Sun Ain't Gonna Shine Anymore
The Walker Brothers

(1966)

サンデーソングブックで、昨年3月に亡くなった Scott Walker の特集が始まりました。なるほど「骨太な」という理由が理解できる放送。Part 1 は Scott が本名の Scott Engel で活動していた時代から、Walker Brothers が成功したファーストアルバムの少しあとまで。

スコット・ウォーカー特集 Part 1 の曲目はデータベースで

この中で The Walker Brothers の取り上げられた曲は次の5曲でした。1965年から66年にかけての、全てシングルのA面でもあり、ベストオブウォーカーズのような素晴らしい曲々。

Love Her / The Walker Brothers (1965)
Make It Easy on Yourself / The Walker Brothers (1965)
The Sun Ain't Gonna Shine Anymore / The Walker Brothers (1966)
(Baby) You Don't Have To Tell Me / The Walker Brothers (1966)
Land Of 1000 Dances / The Walker Brothers (1965)


「どっからもってきたのかわからないようなカバー」が素晴らしいとの紹介でしたが、"Love Her" は The Everly Bros(曲は Mann-Weil)、"Make It Easy" は Bacharach-David の名曲ですが Jerry Butler のカバーで Dionne Warwick が取り上げるのは Walkers よりずっと後、「太陽はもう輝かない」は Frankie Valli、曲はもちろん Bob Crewe-Bob Gaudio。"You Don't.." はその年に Bobby Coleman というシンガーが出した曲を取り上げ、"ダンス天国" は Wilson Pickett に至る前までにカバーが多いのですが、Walkers が「完成」させたのではないかと思わせる迫力。捨て曲なし。



さて、達郎氏が中学2年で見たというかっこいいPVはこちらでしょうか。音はサンソンのオンエアを心の中で補って聴いてください。

The Sun Ain't Gonna Shine Anymore / The Walker Brothers (1966)



これは はまるわ。当時のテレビは今とは比べ物にならない一期一会でしょう。座して観る。レコード屋に駆け込んだ人がたくさんいたのではないでしょうか。



それではもう一つ、動く Walkers を。

The Walker Brothers / Beat Club 1966-05-05



ドイツの音楽番組 Beat Club 出演時の映像です。「太陽はもう輝かない」は3曲目、番組の最後ですがこれまたかっこいい。歌と関係ないのですが、Scott Walker はPVと同じような「振り」をしてますね。手グセとも思えないので振り付けがあったのですかね。白人シンガーのアイドル風振り付けというのはいつからあったのでしょうか。

曲は「ダンス天国」で始まり、2曲目が Bob Dylan の "Love Minus Zero" なのです。これがまた泣かせる選曲。この曲も歌詞は読んで悩むし、ボブ本人が歌うとメロディーもこんないい曲に聞こえないのですが(『Bringing It All Back Home』より)、Walkers の歌唱で曲の持つ人への暖かい目線のようなものがよく伝わってきます。これも名カバー。このダンス、フォーキー、大ポピュラーの3曲をテレビ出演に持ってきたのも、Walkers の大きさをよく伝えていると思います。

なお、この放送で Walkers は演奏していなく、そもそもウォール・オブ・サウンドなのに演奏者がドラム一人という苦しさ(汗)でもこの Walkers はかっこいいです。上記映像は Walkers のところから始まるようにリンクしていますが、全編見ると面白いですよ。Hollies も出ていてちゃんと演奏していますが、さすがの貫禄です。

もう次のカバーは「太陽はもう輝かない」しかないですね。みなさん、リクエストしちゃだめですよ、だめですよ。そーっと期待だけ。念だけ送りましょう。

(たかはしかつみ)

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