2019.10.05 - Cinema Music Composers
Two for The Road Two for The Road
Henry Mancini

(1967)

Cinema Music Composers シリーズ
Henry Mancini、その4回目、最終回です。

最終回は女優の オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn) が出演した作品について聴いていきたいと思います。

第1回目に登場した映画『ティファニーで朝食を』(BREAKFAST AT TIFFANY'S、1961)でオードリー・ヘプバーンによって歌われた "Moon River" は当時のサウンドトラックアルバムにも収録されず、CD化となったのは1993年リリースのアルバム『Music From The Films Of Audrey Hepburn』でした。しかし、この曲は紛れもなく、Henry Mancini がオードリー・ヘプバーンのために書いた曲で、オードリー・ヘプバーンの声域幅を意識して書いたと伝えられています。その後のオードリー・ヘプバーンが主演した作品で、Henry Mancini は楽曲を提供していくことになります。

オードリー・ヘプバーンが出演した作品は全部で4作品ありますので、それぞれの作品から聴いていきたいと思います。


Moon River Cha Cha(Henry Mancin) / Henry Mancini(1961)

Latin Golightly(Henry Mancin) / Henry Mancini(1961)

まずは第1回目に引き続き、映画『ティファニーで朝食を』から。"Moon River"は多くの人に愛され、アカデミー歌曲賞とグラミー賞最優秀楽曲賞を受賞しました。映画の中ではこの Moon River をラテン調でアレンジされたものもありました。とっても可愛い感じ。"Latin Golightly" もラテン調の曲。演奏はドラムスに Shelly Manne、ピアノに Jimmy Rowles といった具合に Henry Mancini の気の合うミュージシャン達によって演奏されています。このアルバムは当時、ロングセラーとなりました。
Henry Mancini とブレイク・エドワーズ監督、そしてオードリー・ヘプバーンと3人が揃った作品は本作のみとなりました。


Charade Opening Sequence (Henry Mancini) / Henry Mancini(1963)

Charade(Johnny Mercer-Henry Mancini) / Henry Mancini(1963)

Latin Snowfall(Henry Mancini) / Henry Mancini(1963)

1963年の映画『シャレード』(CHARADE)から。映画『パリの恋人』(FUNNY FACE、1957)を撮ったスタンリー・ドーネン(Stanley Donen)が手掛けたサスペンス映画。まずはそのオープニングシーンを。デザインは007シリーズで知られるモーリス・ビンダー(Maurice Binder)。続いてコーラス入りのバージョン。最後の曲は劇中の雪山リゾートで流れる "Latin Snowfall" というナンバー。


Wait Until Dark(Livingston-Evans-Mancini) / Sue Raney(1967)

Wait Until Dark(Livingston-Evans-Mancini) / Scott Walker(1968)

1967年のサスペンス映画『暗くなるまで待って』(WAIT UNTIL DARK)から。限られた空間の中で、繰り広げられる密室劇。エンディングにこの曲が流れます。歌ったのは Sue Raney。詩は Livingston-Evans チームが書きました。翌年に Scott Walker がアルバム『Scott 2』で取り上げましたのでそれも合わせて。


Two for the Road(Leslie Bricusse-Henry Mancini) / Henry Mancini(1967)

最後に、1967年の映画『いつも2人で』(TWO FOR THE ROAD)から。再びスタンリー・ドーネンが撮ったロードムービー。現在と過去と交錯させながら物語は進みますが、2人が乗った車でその時代がわかります。思い出の地、フランスを自動車旅行オードリー・ヘプバーンの夫役には2019年2月に亡くなったアルバート・フィニー(Albert Finney)が演じました。 

オードリー・ヘプバーンが1993年にこの世を去り、そして Henry Mancini も翌年の1994年、70歳で亡くなりました。しかし、Henry Mancini のメロディはオードリー・ヘプバーンの面影とともにいつまでも心で鳴っています。

(富田英伸)

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