2019.08.31 - Magic Voice
Three Songs Three Songs
Susan Webb

(1970)

Magic Voicesシリーズ
今回は Susan Webb を取り上げます。

Susan Webb、circustown.net では Jimmy Webb 特集等で何度も登場していますが、この Magic Voicesシリーズ で再度取り上げます。兄は有名なソングライターなのに Susan Webb の1980年代以降の活動が情報が少なく不明な点が多いです。

Susan Webb はシンガーソングライターの Jimmy Webb の妹。Susan Webb の声に触れたのは、Jimmy Webb の初期のソロアルバム『Words and Music』(1970)。Jimmy Webb の持つ独特のメロディラインに惹かれていましたが、そのうちに聴こえてくる可愛らしいバックボーカルに魅入られていきました。
その清楚で美しい声に触れたら、体の中を天使が通り抜けていく様です。

その後も Jimmy Webb のアルバムでバックボーカルとして参加していた Susan Webb ですが、1975 年に残した唯一のアルバム『Bye Bye Pretty Baby』がリリース。プロデュースとアレンジは Jimmy Webb 。Jimmy の曲は収録されていませんが Susan は3曲程書き下ろしています。このアルバムでも Susan の透明な声を生かしたコーラス・ハーモニーが素敵です。

Susan Webb がボーカルで参加した楽曲を中心に聴いていきたいと思います。


Three Songs-Never My Love-Let It Be Me-I Wanna Be Free / Jimmy Webb - Susan Webb (1970)

1970年、Reprise Records から Jimmy Webb の再デビューとなったアルバム『Words And Music 』から。これを聴いて Susan Webb に惹かれていきました。Susan Webb が歌う "Let It Be Me" (Everly Brothers) に兄の Jimmy Webb が歌う "Never My Love" (Association、Addrisi Brothers)、"I Wanna Be Free" (Monkees) がうまく溶け合っていきます。

Three Songs
Let It Be Me (Gilbert Bécaud-Mann Curtis-Pierre Delanoë) : Susan
Never My Love (Don Addrisi-Dick Addrisi) : Jimmy
I Wanna Be Free" (Tommy Boyce-Bobby Hart) : Jimmy


P. F. Sloan (Jimmy Webb) / Jimmy Webb (1970)

同じく、Jimmy Webb のアルバム『Words And Music 』からシングルカットされた曲。"No,No,No,No...Sing A Song" と歌う Susan Webb の声がとっても可愛いです。Jimmy は『Words and Music』(1970) のクレジットの中で、Susan のことをこう可愛く紹介しています。 "スーザン - ストロベリー - バニラ"


Love Song (Jimmy Webb) / Jimmy Webb (1970)

これも Jimmy Webb のアルバム『Words And Music 』から。このアルバムはこのように Susan Webb の声が際立っているアルバムとなっています。Jimmy Webb はお世辞にも美声とは言えませんけど、Susan Webb の声がそれを補って美しいラブソングになっている感じです。


When Can Brown Begin (Jimmy Webb) / Jimmy Webb (1972)

Susan Webb がバックコーラスで参加している作品の中で白眉だと思うのはこれだと思います。1972年リリースの Jimmy Webbのアルバム『Letters』から。これでも素敵なバックコーラスを聴かせてくれます。途中から入ってくる Susan Webb の声は、深い森の中に一筋の光が差し込んでくる様…。


Just This One Time (Jimmy Webb) / Cher (1975)

続いて Susan Webb がバックボーカルを担当しているものを。1975年、Jimmy Webb がプロデュースをした Cher のアルバム『Stars』から。Jimmy Webb のペンになる曲です。バックコーラスを Clydie King、Edna Wright、Sherlie Matthews らと一緒にやっています。


Down To You (Joni Mitchell) / Joni Mitchell (1974)

Susan Webb が Jimmy Webb 作品以外でバックボーカルを担当しているものを。1974年の Joni Mitchell のアルバム『Court And Spark』から。David Crosby と一緒にバックボーカルをしています。光り輝くように Susan Webb の声が入ってきます。


Fingers (Susan Webb) / Susan Webb (1975)

最後に Susan Webb が1975年に残した唯一のアルバム『Bye Bye Pretty Baby』から。Susan はこのアルバムで3曲程書き下ろしていて、他は Stephen Stills、Jesse Winchester、Joni Mitchell、Fred Tackett の曲を取り上げています。ここでは、Jimmy Webb は曲を提供せず、プロデュースとアレンジに回ってSusan をサポート。今回は、Susan Webb が作詞作曲したこの曲を。Susan Webb らしい繊細な曲調のナンバーです。

(富田英伸)

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