2019.01.29 - Magic Voice
Rock and Roll Lullaby Rock and Roll Lullaby
Ron Hicklin - Magic Voice

(1972)

Magic Voicesシリーズ、
今回は Ron Hicklin を取り上げたいと思います。

Ron Hicklin は西海岸のスタジオ・バックボーカリスト集団の中心的存在で、これまで取り上げてきた、Sally StevensJackie Ward 等と一緒に活動してきた人です。パートはテナー。今回は2回に分けて紹介していきたいと思います。

第1回目は 初期の1960年代とバックコーラスの仕事を。
第2回目は Ron Hicklin Singers を中心に書いていこうと思います。

Ron Hicklin の音楽活動の出発点は、1959年に結成された The Eligibles という5人組のグループ。そのグループでセカンド・テナーを担当しました。The Eligibles にはその後、1970年代まで一緒に活動することになる盟友、Stan Farber(ファースト・テナー)が在籍。またメンバーには後に西海岸を代表するアレンジャーとなる Al Capps こと Allan A. Capps も在籍していました。当初はバーバーショップ・スタイルのボーカルグループでしたが、徐々にロックンロールな曲やポップな曲もやるようにバラエティーに富んだグループとなります。また当時の人気シンガーのバックコーラスも手掛けたようです。

1964年、Ron Hicklin、Stan Farber、Al Capps らは Liberty Records にいた プロデューサー Buzz Cason に誘われて、The Zip Codes というホットロッド・グループに参加します。そのグループの実態は西海岸のスタジオミュージシャン達で、メンバーには James Burton や Leon Russell も在籍していました。The Zip Codes はアルバム1枚、シングル1枚をリリース。
また Liberty Records では プロデューサー、Snuff Garrett からの依頼で、Gary Lewis & the Playboys のボーカル指導及びバックボーカルを行いました。

その後、西海岸のスタジオミュージシャン集団、"The Wrecking Crew"と交流して数多くのセッションに参加することになります。

Ron Hicklin の初期の活動、そして、Ron Hicklin がバックボーカルとして参加した作品を聴いていきたいと思います。


My First Christmas with You(Don Durant) / The Eligibles(1959)

Ron Hicklin が在籍していたグループ、The Eligibles の初期頃のクリスマス作品。1959年、Capitol Records からのリリース。Capitol Records の先輩格のグループ、The Four Freshmen を意識した音作りです。メンバーは以下の通り。
Allan A. Capps
Stan Farber(First Tenor)
Ron Hicklin(Second Tenor)
Ron Rolla (Bass)
Bob Zwirn(Baritone, Guitar, Bass Guitar, Arranger)

*ちなみに All Capps と Stan Farber は竹内まりやさんの海外録音のアルバムにも参加しているミュージシャンです。


Faker, Faker(Bacharach-David) / The Eligibles(1959)

いつものボーカルスタイルを一新して、ポップな曲に挑戦します。Burt Bacharach の初期の頃の作品です。当時、日本盤もリリースされていたようですね。The Eligibles はその他、ラテン調などいろいろなボーカルスタイルの曲もあり、器用なグループだったようです。


She's Sorry(Robert Thomas Velline aka Bobby Vee) / Bobby Vee & The Eligibles(1964)

1964年、Liberty Records からリリース。The Eligibles がバックボーカルを担当しています。仕掛人はプロデュサー、Snuff Garrett で聴いての通り、The Beatles を意識した作品です。作詞作曲のRobert Thomas Velline は Bobby Vee の本名。これを聴いても The Eligibles は器用なグループだと言うことがわかります。


Fancy Filly From Detroit City(Buzz Cason-Gary Paxton) / The Zip-Codes(1964)

Liberty Records のSnuff Garrett の弟子、Buzz Cason が仕掛けたホットロッド・グループ、Zip-Codes の作品。作詞作曲、アレンジは Buzz Cason と Gary Paxton。なんでも器用にこなします。演奏者は以下の通り。
Ron Hicklin(Vo.)
Al Capps(Vo.)
Stan Farber(Vo.)
Bob Zwirn(Vo.)
James Burton(G.)
Jerry McKenzie(Dr.)
Leon Russell(Key.)
Sonny Curtis(Sax)


Suicide Is Painless (M.Altman-J.Mandel)(1970)

ロバート・アルトマン(Robert Altman)監督作品、映画『M*A*S*H』(1970)から。音楽は "The Shadow of Your Smile" の作曲で知られる Johnny Mandel。
しっとりとしたいい曲。昔から好きな曲です。ボーカルメンバーは以下の通り。
John Bahler
Tom Bahler
Ron Hicklin
Ian Freebairn-Smith(Singers Inc.)


Rock and Roll Lullaby(Barry Mann-Cynthia Weil) / B.J. Thomas(1972)

Ron Hicklin が手掛けたコーラスワークの中でも特に秀逸なのがこれだと思います。バックコーラスは、いつも常時一緒にやっている既知のメンバーである、Tom Bahler、Gene Morford の2人、それに黒人女性コーラス・グループではトップクラスの The Blossoms が参加。それにハイトーンボイスには、The Diamonds に在籍、"Little Darlin'" のハイトーンで世界一斉風靡した David Somerville を配しています。ほんとに全員のハーモニーをうまくまとめていると思います。


(富田英伸)

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