2018.12.03 - Songwriter
A Lover's Concerto A Lover's Concerto
Sandy Linzer-Denny Randell - Songwriter

(1965)

(2018年12月2日SSBで、The Beach Girls "Skiing In The Snow " がかかったので、)

Songwriterシリーズ、
今回は主に1960年代に活躍したソングライターチーム、Sandy Linzer-Denny Randell を取り上げます。

ニューヨークの音楽プロデューサー Bob Crewe のプロダクションで長く活躍したソングライターチームです。3回に分けて紹介していきたいと思います。

まずは Denny Randell から。
Denny Randell は1941年ニューヨークで生まれています。1960年に Cameo Records から自作の曲でシングル "Hey! Chickie Baby" でシングルをリリースしています。特長は強いフックとファルセット・ボイス。The Four Seasons の初期のサウンドを感じさせる楽曲です。1964年頃、Bob Crewe のプロダクションで活動するようになります。当初はアレンジャーとして仕事を初め、The Four Seasons "Save It For Me "、"Big Man In Town" などは Denny Randell のアレンジです。

Sandy Linzer について。
Sandy Linzer も Denny Randell と同じく、1941年に生まれています。彼の名前がクレジットに見つかるのは、The Four Seasons "Dawn (Go Away)"で、Bob Gaudio との共作です。Bob Gaudio との共作ということで、Sandy Linzer は詩を主体に担当したと言われていますが、1970年代には Sandy Linzer 単独のクレジット作品もあり、それも素晴らしい作品なので、The Four Seasons の時代から作曲にも関わった可能性は高いと思います。

Sandy Linzer と Denny Randell はこのように Bob Crewe のプロダクションで出会い、共作を開始します。1960年中期には Randell-Linzer Productions を設立し、Bob Crewe プロダクションのみならず、各レコード会社に楽曲を売り込んでいくようになります。

第1回目は2人の初期の作品、そしてBob Crewe のプロダクションで作成された作品を取り上げます。第2回目以降は Bob Crewe のプロダクション以外の作品、そして1970年代以降の作品を取り上げたいと思います。


Hey Chickie Baby(Denny Randell-Frank Pelaez) / Denny Randell(1960)

Denny Randellの初期のソロ作品。1960年に Cameo Records からリリースした作品です。The Four Seasons にを意識した作品です。これを聴いた Bob Crewe が The Four Seasons のスタッフに招いた可能性は高いと思います。


Pushin´ A Good Thing Too Far(Sandy Linzer-Denny Randell-Bob Crewe) / Barbara Lewis(1964)

1964年、Barbara Lewis に提供した楽曲。Bob Crewe と Linzer-Dandell との共作。楽曲はこれまでの Barbara Lewis の楽曲に踏襲した心地いいサウンドに仕上がっています。


Dusty(Sandy Linzer-Denny Randell-Bob Crewe) / The Rag Dolls(1964)

The Rag Dolls は Bob Crewe が仕掛けた The Four Seasons のスピンアウト的3人組ガールグループ。アレンジは Charlie Calello。2人は Bob Crewe の下、精力的に多くの楽曲を生み出し、実力をつけていきます。


A Lover's Concerto(Sandy Linzer-Denny Randell- Christian Petzold) / The Toys(1965)

1965年、Bob Crewe の DynoVoice Records からリリースした作品。プロデュースも Linzer-Dandell が担当しています。メロディは有名な「ト長調のメヌエット」からの引用。Billboard Hot 100で2位となりました。後に Sarah Vaughan など多くのミュージシャンが取り上げました。


May My Heart Be Cast Into Stone(Sandy Linzer-Denny Randell) / The Toys(1966)

同じく、1966年、The Toys に提供した楽曲。アレンジは Charlie Calello。Linzer-Dandell らしいリズムとサウンド。The Toys では一番気に入っています。


Working My Way Back to You(Sandy Linzer-Denny Randell) / The Four Seasons(1965)

Let's Hang On(Bob Crewe-Sandy Linzer-Denny Randell) / The Four Seasons(1965)

Opus 17(Sandy Linzer-Denny Randell) / The Four Seasons(1966)

1965年から1966年にかけて、The Four Seasons に提供した楽曲。最近の Frankie Valli のライブ、そしてミュージカル『Jersey Boys』でもわかるように一番の盛り上げ3曲です。"Opus 17"のアレンジが Herb Bernstein。それ以外はCharlie Calello。ここも参照ください。


Ivy(Sandy Linzer-Denny Randell) / Frankie Valli(1966)

Linzer-Randell、第1回目の最後はしっとりとしたこの曲を。1967年、Frankie Valli のソロプロジェクト、アルバム『Solo』に収録されていた作品。アレンジは Herb Bernstein。上記の The Four Seasons の「イケイケ3曲」もいいですが、こういうバラードも書けるところが素晴らしいです。

(写真は Bob Crewe(左) と Denny Randell(右))

(富田英伸)

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