2018.05.14 - Songwriter
Where Are You Now Where Are You Now
Tony Hatch-Jackie Trent - Songwriter

(1965)

Songwriterシリーズ、
最終回の第4回は Tony Hatch と Jackie Trent とのコラボレーションについて取り上げていきたいと思います。

Jackie Trent は1940年生まれ、2015年に亡くなりました。最初にリリースしたシングルは1962年、Hal David-Sherman Edwards 作の "Pick Up the Pieces" というシングル。1964年に Pye Records に移籍。Tony Hatch とのコラボレーションが始まります。1965年、テレビ番組『It's Dark Outside』向けに書かれたシングル "Where Are You Now (My Love)" が UK Singles Chart の1位。彼女の代表作となります。

この頃、Tony Hatch には奥さんがいたのですが、その方との離婚成立後、1967年に2人は晴れて結婚。Jackie Trent & Tony Hatch 名義で、数枚のアルバムもリリースします。当時2人は "Mr & Mrs Music" と呼ばれ、イギリス国民に愛されました。

Tony Hatch が活躍した時代の中でも Jackie Trent と一緒に制作した時期が作品も多く、バラエティに富んでいました。Jackie Trent 単独名義、Petua Clark と組んだものもあるので、Jackie Trent 自身、作曲においても才能豊かな女性であったと思います。

1970年代に入っても2人はミュージカルを中心に音楽活動を続け、特にミュージカル公演を機会にオーストラリアに度々訪問。これがきっかけとなって、1985年にオーストラリアのコメディ・ドラマ『Neighbours』のテーマソングを手がけることになるのですが、その『Neighbours』というドラマ、今でも続いているオーストラリアの国民的ドラマ。2015年の Jackie Trent の訃報は、母国イギリスのみならず、オーストラリアからも死を悼む声が多く聞こえてきました。

Jackie Trent そして、"Mr & Mrs Music" の楽曲を聴いていきたいと思います。


Where Are You Now(Jackie Trent-Tony Hatch) / Jackie Trent(1965)

前述の通り、UK Singles Chart の1位の Jackie Trent の代表曲。とても綺麗なメロディーラインに酔いしれます。


This Time(Jackie Trent-Tony Hatch) / Jackie Trent (1966)

This Time(Jackie Trent-Tony Hatch) / Julie Gregg(1967)

1966年の作品。憂いを持った曲調でお気に入りのナンバー。アメリカでは後に映画『ゴットファーザー』(1972)等に出演した女優の Julie Gregg が歌いました。こちらは Dave Pell のプロデュースで、Perry Botkin Jr. がアレンジを担当。ノンクレジットですが、素敵なコーラスは The Dave Pell Singers だと思います。


Take Me Away(Jackie Trent-Tony Hatch) / Jackie Trent(1966)

続いて1966年の作品。ベースライン、ドラムパターン等聴いて分かる通り、ウォール・オブ・サウンドを意識した作品。しかし Tony Hatch の場合はウォール・オブ・サウンドもきっちり消化し自分のものにしています。


Our Little Boat(Jackie Trent-Tony Hatch) / Jackie Trent & Tony Hatch(1968)

以降、"Mr & Mrs Music" と呼ばれた Jackie Trent & Tony Hatch のデュオ作品を。これもとってもいい曲調。Tony Hatch も優しい、いい声をしていますね。


Cranes Flying South(Jackie Trent-Tony Hatch) / Jackie Trent & Tony Hatch(1969)

最後にあまり知られていないこの曲を。
こういう一見地味な曲調、しかし素直できれいなメロディです。題を訳せば、"ツルが南へ帰る"といった意味でしょうか。心に染みて何度も聴いてしまいます。

(富田英伸)




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