2018.01.10 - Songwriter
Let Me Be The Man My Daddy Was Let Me Be The Man My Daddy Was
Eugene Record - Songwriter

(1969)

Songwriterシリーズ、
今回はシカゴを中心に活躍した Eugene Record を2回に渡って取り上げます。

Eugene Record はボーカルグループ、The Chi-Lites のリーダーとして活躍しましたが、その The Chi-Lites の活動と並行して、シカゴの多くのミュージシャンに曲を提供してきました。第1回目は1960年代を中心に見ていきたいとい思います。

Eugene Record は1940年、シカゴ生まれ。2005年に亡くなっています。学生時代の仲間と一緒に The Chanteurs というボーカルグループを結成。メンバーチェンジと共に、グループ名が、Hi-lites 、そして1960年中期に 地名 Chicago の名を交ぜて The Chi-Lites と変わっていきます。
その The Chi-Lites の活動と同時に、シカゴで活躍したミュージシャン達に楽曲を提供するようになります。

1960年後期に Eugene Record は名門 Brunswick Records にライターとして招かれます。そこで、Brunswick Records のソングライター、プロデューサー、Carl Davis は Eugene Record に Barbara Acklin という女性ライターを紹介し、2人のコラボレーションが始まります。既に Barbara Acklin は 1966年に David Scott という人と共作、Jackie Wilson に提供した " Whispers (Gettin' Louder)" がヒットした実績がありました。

この頃、Eugene Record が提供したミュージシャンを挙げると、Gene Chandler、The Artistics、Jackie Wilson、Erma Franklin、The Lost Generation ‎、Betty Everett 、Tyrone Davis 等々。

第1回目は1960年代中心に Eugene Record が書いた曲を聴いていきたいと思います。


You've Got A Great Love(Eugene Record) / The Chanteurs(1963)

1963年、The Chi-Lites、The Hi-Litesの前身、The Chanteurs の楽曲で、Eugene Record のペンよる作品。リードボーカルはその時のグループの中心人物であった Clarence Johnson という人だと思います。まだこの頃はDoo Wop の匂いがします。


I'm So Jealous(Eugene Record) / The Hi-Lites(1964)

1964年、The Chi-Litesの前身、The Hi-Lites の楽曲。この頃になると Eugene Record は実質的リーダーとなり、グループを引っ張っていくことになります。後の The Chi-Lites の持ち味の柔らかいファルセットがここ辺りで生まれています。


Love Is Gone(Eugene Record-Gerald Sims) / The Chi-Lites(1967)

Brunswick Records 移籍前のマイナーレーベルからリリースした作品。A面の "Love Me" は Carl Davis との共作曲であり、シカゴ界隈で、Eugene Recordがライターとして徐々に認められてきた頃の作品だと思います。既に The Chi-Lites の魅力が出ている作品。


Show Me The Way To Go / Gene Chandler And Barbara Acklin(1968)(Barbara Acklin-Carl Davis-Eugene Record)

チームを組んだ女性ソングライター、Barbara Acklin は元々、Brunswick Records の受付嬢として入社したようですが、Carl Davis は彼女をソングライティングのみならず、歌手としても登用し、"Duke of Earl" の大ヒットで知られる大物、Gene Chandler とデュエットさせ、US R&B の30位となります。
以降、Brunswick Records での Barbara Acklin-Eugene Record チームの作品の多くはプロデュース:Carl Davis、アレンジ:Sonny Sanders、ディレクション:Gerald Sims で進められていくことになります。


River Of Tears(Eugene Record) / Gene Chandler(1968)

1968年、Checker Records からリリース、Gene Chandler に提供した作品。Eugene Record 単独クレジット作品。Brunswick Records 同様、Carl Davis がプロデュースしています。


Soulful Strut(Eugene Record-Sonny Sanders) / Young-Holt Unlimited (1968)

Am I The Same Girl(Eugene Record-Sonny Sanders) / Barbara Acklin(1969)

Young-Holt Unlimited は元々、Young Holt Trio として名乗っていたグループで、Ramsey Lewis と一緒に活動していたグループ。Eugene Record とアレンジャーの Sonny Sanders との共作曲です。同年、US R&B の3位となります。
ソウル・インストルメンタル曲の中でも多くの人に好まれました。
翌年、詩が付け加えられ、"Am I The Same Girl" とタイトルになり、Barbara Acklin が歌いました。


Let Me Be The Man My Daddy Was(Barbara Acklin-Eugene Record) / The Chi-Lites(1969)

最後に The Chi-Lites の曲を。プロデュースは Carl Davis と Eugene Record。
Sonny Sanders がアレンジし、Willie Henderson がディレクションに回っています。父親のことを歌った曲。ヒットに至りませんでしたが、とてもいい曲です。


*写真は The Chi-Lites、一番左が Eugene Record。

(2回目に続く)

(富田英伸)




Copyright (c) circustown.net